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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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 ツンデレ武将がやってきてラブコメになるとおもいきや俺が征夷大将軍になっていた2

第二話:残虐非道ロリ将軍がやってきて鳥類絶滅大ピンチ?


『王子様が盟約の実行を迫るのなら、その女の子はお菓子の国に連れて行かれて、この世界からいなくなっちゃうんじゃないかって』
「ほぇ~」
朝の早くからテレビの連続ドラマを食い入る様に見る美少女が一人。見新しい制服に身を包みまるで池の鯉のようにあんぐりと口が開いている。
真っ白な肌に水晶のように透き通りぱっちりした瞳、真っ赤な薔薇のような髪をツインテールにしている彼女が巷で噂のゲームの世界から飛び出してきた美少女、北条政子である。
そしてそんな美少女と同じ部屋で生活すると言う一見素敵なラブコメ展開をさせられているのが僕、ごくごく普通の男子高校生と思いたい平野頼友だ。
まぁ現実は聞くも涙、話すも涙の非情なものなんだけどね。
「ねぇねぇ頼友」
そんなことを考えていると政子が横に座る僕の袖をぐいぐいと引っ張るとまぁた意味不明なことを言い出す。
「私も源頼朝様と盟約結んでお菓子の国に連れてかれたい~」
「いやいやこれドラマの話だから、しかもこれ連れてかれたらあんまり良くない話だから!話理解してるのかよ!?」
「お菓子の国を目指す話でしょ?」
「全然違う、全然違うよ!!お前は毎日このドラマ熱心に見てるくせに話理解してないのかよ!」
とまぁこんな政子との下らない茶番をするのももう既に二週間この関係にも慣れたもんだ。
二週間前、戦国時代を元にしたネットゲーム『イクサカーニバル』で僕は伊達政宗を使うトップランカーだった。
けど信じられないことだがこのゲームのキャラであるはずの伊達政宗が現実世界への侵攻を目論み、『扉形成プログラム』とかいうのを産み出したんだけど実際伊達政宗より早くその扉を通ってきたのはこの僕の隣にいる北条政子だった。
・・・・オーケー、オーケー。今きっと皆は「北条政子がいるのは戦国時代じゃなくて鎌倉時代だろ~そんなこともわからないの?童貞なの?」とか思ったんだろ?いやでも僕も何故だかはわからないんだけど実際北条政子はこの『イクサカーニバル』の隠しデータで更にはテストプレイ用データ、トップランカーの僕が育てた伊達政宗を軽くあしらうほどの強さをもった奴なんだ。
まぁその政子の強さのおかげで伊達政宗の現実世界侵攻と言う野望は潰えたが僕のキャラクターデータも消えてトップランカーじゃなくなってしまうというね、折角作ったブログがまさかの二日目で「元トップランカーのブログ」になるとは思いもしなかったよ、まったく。
とはいえデータが消えて落ち込んだのは二日ほどで三日目からはまた僕はまた『イクサカーニバル』をやっているんだけどね。
「あー面白かった。頼友~今日文化祭だよね、そろそろ出掛けた方がよくない?」
「ああ、うん。もうそんな時間か」
どうやら僕の長々とした説明の間にドラマも終わってしまったようで部屋の掛け時計も八時を過ぎていた。
政子もなんだかんだで僕と同じ学校へ通っている。「源頼朝を探すこと」と「現実世界の娯楽を楽しむこと」の二つの目的で現実世界にやって来ている政子にとって学校ってのは目的を果たす格好の場所、らしい。どう考えても前者の目的は不可能が気がするがまぁ現実世界にゲームのキャラがでてくるようなこの現状だ、もしかしたらありえなくもないかなとは少しだけ思っている。
「文化祭だからって羽目を外しすぎるなよ」
「はいは~い」
一応釘を刺しておくが僕の言葉なんてまるで聞いてないような生返事をすると政子は部屋を出ていく。
「絶対、なにかやらかすだろあいつ・・・・」
僕はため息混じりに後ろ首を掻くと学校指定の鞄を担ぎ、スマートフォンを充電器から外すのであった。



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ランキング上がりました - 2013.04.06 08:07 編集 URL


どうも~「ヤキトリはいらない」の管理人 平野頼友です!
愛しの伊達政宗ちゃんが消えて落ち込んでいた僕ですが
サブキャラクターからレア装備を集めて一気にレベル上げをやったらとうとうプレイヤーランキング87位にまで戻ってこれました!

まぁこっから上がるのが苦行なんですけどね~(涙)

ちなみにご存じかと思いますがプレイキャラクターを伊達政宗から織田信長に変えました!
織田信長は攻撃力が初めから高いから強い敵を狩れてレベル上げが楽なんですよね。
まぁこの方法は今トップランカーである「Shinono」さんのやり方を真似しただけなんですけど技術がないと上手くいかないからいきなりやろうとしても無理かもしれません

いやぁにしても使ってみてわかったんですけど織田信長ちゃんも可愛いですね!
可愛いというかエロ格好いいというか
スラリとしたモデル体型に足元まで伸びた金髪、肩まではだけた着物から覗く北半球の膨らみに色白の長い美脚!!
踏まれたいですよね!!!


踏まれたいぃぃぃ!!!

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「相変わらずブログでの自分のテンション高いな」
桜並木を歩きながら桜には目もくれず、僕はスマートフォンを弄りブログを更新しポツリと呟く。
「なにか言った頼友?よっ!ほっ!」
「なんでもない、こっちの話。というかそんなにはしゃぐと転けるぞ」
さっきから色の違う石畳だけを踏みながら舞い落ちる桜の花びらに手を伸ばすなんて今日日小学生でもやらないような遊びに興じている政子。
「大丈夫、大丈夫~♪だって今日はお祭りだよ~はしゃぎたくもなるでしょ~」
石畳の上でつま先立ちになりクルクルと回って見せる政子の姿はさながら春を告げる花の妖精・・・・もしくは春の陽気に浮かれたただの変人に見える。
「ただの文化祭にはしゃぎすぎだって」
「え~だってお祭りでしょ、人が一杯来るんでしょ?もしかしたら愛しの源頼朝様が来てくれるかもしれないじゃん!」
自信満々で答える政子に「それは絶対にない」と心の中でツッコミを入れて歩を進めるとしばらくして僕の通う城川高校の校舎が見えてくる。
城川高校は勉強も運動も平均クラス、僕の住む地域でよっぽど頭が良いかよっぽど頭が悪いかしないかぎり大体の生徒が中学からエスカレーター式にこの高校に通うことになる。
この城川高校の文化祭は春に行われる。普通文化祭って言えば秋のイメージだけど新入生の歓迎もとい各部活の紹介を兼ねて
いるためらしい。
「まぁ文化祭なんてのはリア充達のお祭りで僕には関係ないの」
どうせ今回も中庭あたりでだらだらとスマフォを弄ってるだけで終わるんだからな。
「お~皆準備してる準備してる~」
僕の言葉なんて完全無視で政子は小躍りながら辺りを見回している。確かに普段のこの時間なら生徒もまばらといったところなんだけど文化祭ともなると校庭から校舎にいたるまで多くの生徒が準備にごった返している。
「あちこちから良い匂いがする!楽しみ~!!」
「はいはい、それはよかったな」
「ん~もう!さっきから頼友暗すぎ~!しょうがないなぁ」
政子はそう言うと足を止め、踵を返し、ぐぐぐいっとこちらに近づいてくる。
「な、なんだよ・・・・」
大体政子がこうやって近づいてくるときはろくなことをしでかさないんだ。政子には一つ恐ろしい特殊能力がある、それは政子が『傀儡政権のはじまりよぉ~』なんて言いながら相手の額を弾くと相手を少しの間政子の思うように動かすことができるというそれはそれは恐ろしい能力。そしてその被害者が僕、出会って早々ポテチとコーラを取りに行かされたり肩を揉まされたり征夷大将軍にされたりと、まぁ散々な目に遭っているんだ。
「ふふふ、一緒に祭りをまわる相手のいない可哀想な童貞頼友のために超絶美少女のこの北条政子様が一緒にまわってあげようじゃないか」
「は・・・・はい?あれ?」
てっきり『傀儡政権のはじまりよ~』なんてのが来ると思ってただけに政子のそんな言葉は意外だった、意外だったけど
「そうゆうわけで全部頼友の奢りね」
「だぁぁぁぁぁっ!!また俺の奢りなのかよ!!!」
結果は結局一緒、そして僕の叫びだけが桜舞い散る校庭にむなしく響き渡るのだった。



僕のクラス、二年A組(正確には学年が上がったので三年A組なんだが)の文化祭の出し物は悪友である三奈本が言い出したメイド喫茶である。
文化祭でのメイド喫茶なんて所詮は学生が準備するもの、お遊び程度のものだと思っていたんだけどまぁ教室に入った瞬間僕と政子の口からは自然と感嘆の声が漏れていた。
「な、なんだこりゃ」
「すごい、すご~い」
床に敷き詰められた真っ赤な絨毯にガラス張りのテーブルが六脚、学生の教室感溢れるロッカーや掲示物はすべて取り払われ天井からはどでかいシャングリアがこれでもかってくらい存在を誇示している。
外側は完全に教室なのに中に入った途端高級ホテルのスウィートルームに早変わりとはこれにはさすがの僕も唖然とするしかなかった。なるほどどうりで三奈本の奴が『設営手伝う必要ないぜ』と言っていたわけだ、だってこれ完全に業者の仕業だよ。
「おお、頼友に政子ちゃんおはよう!」
そしてその豪華絢爛な教室の真ん中で異質な迷彩服を身に纏った我が悪友、三奈本が仁王立ちで構えていたことに更に唖然とする。
「おはよう三奈本・・・・って、なんで迷彩服なんて着てるの?」
「それはだな頼友、今俺の中で『軍隊モノ』ブームだからだ!」
「あーっ、なるほど」
最後まで聞く必要はなかった。自他ともに認める超絶変態野郎の三奈本の口から出るジャンルの話なんてAVの話以外にないんだからな。
「いいか頼友、戦場と言う命の危険に晒されている状況だからこそ激しく男女は燃え上が・・・・」
「もうその話はいいよ。ところで他の皆は?」
長くなりそうな三奈本の話をばっさり断ち切って僕は教室を見渡す。でも教室の中にいるのは僕と政子、それと三奈本だけのようでこれじゃメイド喫茶じゃなくてミリタリー喫茶なんじゃないの?
「ああ、ダメイド達は朝練に行ってるよ。そろそろ戻ってくる頃なんじゃないかな」
「朝練ってなにやらしてるんだよ」
「なにってメイドっていうのはだな、掃除洗濯から料理までを完璧にこなし更には夜伽までするんだから体力が基本なんだ」
「へぇ~なんか大変そう、メイドさんって」
なんか隣で政子が妙に納得しているけど、いやいやそれ文化祭でやる必要はないだろ。
「まぁということで俺が選抜したダメイド達には今日まで徹底的にメイドとしての教育を施したんで期待して良いぜ」
「へ、へぇ・・・・そいつはすごいね」
自信満々に三奈本は言うが正直どこも共感できそうになく棒読みのような返事をするのが精一杯だ。
・・・・というかあれ?ここで一つ疑問が沸いてくるんだけど
「そういえば政子もメイドをやるんだよな?」
「そだよ~。この超絶美少女の私がじきじきに傅くのよ、感謝してよね!」
僕の言葉に政子は張りのある胸をぐんと突きだし答える。
そうだ、だってメイド喫茶をやることに決まったときに率先してメイドやりたい、メイドやらせろと言い出したのは政子だからな、よく覚えている。だからこそ・・・・
「ああ、そこはどうでもいいんだよ。なんていうの?政子はなんでその訓練に参加してないの?」
少なくとも俺が知る限り文化祭の準備中政子が朝練というか訓練のようなものに参加しているそんな様子はまるでなかった。家に帰るなりポテチを食べコーラをラッパ飲みしながらゲームをやるか漫画を見てるかしかしてないからなこいつ。
「そ、それはあれよ!私が超絶美少女だからやらなくていいって三奈本が言ったの、そうでしょ」
「あーうん、なんかそんなこと言った気がするなぁ。んでもなんでそんなこと言ったのか全然覚えてねぇや」
三奈本の言葉に僕は政子が『傀儡政権』を使ったのを確信し政子を睨み付ける。
「まさ・・・・いや、北條さん・・・・あんた、やったな?」
「やってない、やってないよぉ!あはは~頼友は細かいこと気にしすぎだから童貞なのよ。と、いうことで私は着替えてくるね~」
僕からの視線を避けるようにして政子はそそくさと教室から出ていく。なんていうかことあるごとに能力を使ってさぼるんだからなあいつは。とはいえ文化祭のメイド喫茶のために訓練を強要されるのは確かに逃げ出したくもなるか。
「サー!失礼します!!」
そんなことを考えていると教室の扉が開きぞろぞろとメイド服に身を包んだクラスメイト、略してクラスメイド達がアサルトライフルの代わりに竹箒を胸に構え入ってくる。
「サー!教官、朝練を終えて来ました!」
「うむ・・・・これにてこの『ドキドキ文化祭で御主人様をメロメロだ第一段階』作戦全行程を終了した」
なんだその頭の悪そうな作戦名は、それなのにしっかりとクラスメイト達は三奈本の前に起立整列している。
「えーコホン!」
三奈本は一つ咳払いをすると大きく息を吸いどっかで聞いたような台詞を高らかに叫びだす。
「本日をもって貴様らはダメイドを卒業する。本日から貴様らはメイドである!姉妹の絆に結ばれる貴様らのくたばるその日までどこにいようとメイドは貴様らの姉妹だ!多くはベトナムへ向かう!ある者は二度と戻らないだが肝に銘じておけ!メイドは死ぬ、死ぬために我々は存在する。だがメイドは永遠であるつまり―――貴様らも永遠である!」
「サー!イェッサー!サー!」
「では今日の文化祭のために尽力してくれ!解散!!」
三奈本の言葉にクラスメイド達が散らばり準備に動き出す。
その統率のとれた機敏な動きには目を見張るものがあるが・・・・いやしかしなんだ、この茶番は。しかも三奈本の奴さっきさらっとベトナムとか言ったぞ、台詞の改変やるなら最後までちゃんとやれよ。
「うう~疲れたぁ」
いそいそと準備をするクラスメイド達の中から一人のメイドがフラフラとした足取りで呻きながらこちらにやってくる。
パッと見最初はそれが誰だかわからなかった。なぜなら彼女がいつものポニーテールを解きイメージの違う足元まで隠れるロングのスカートを履いていたからだ。
「だ、大丈夫日向さん?」
「あんまり大丈夫じゃない感じ。文化部にはきついよ」
竹箒にもたれ掛かるようにして疲弊した声を出す日向さん。日向みなみさんは我がクラスのアイドルの一人で普段はポニータールにギリギリまであげたミニスカートが印象的な元気娘だ。
「訓練って一体なにやったの?」
その元気娘が普段見せない文化部の体力のなさを口にするなんて一体なにを訓練してたのか少しだけ気になる。
「お辞儀を毎日千回、しかもきっちり角度まで決められてて失敗すると腕立てや校庭一周とかさせられてさぁ」
「うわぁそれは御愁傷様」
うん、そりゃ政子も逃げ出すな。僕だって同じ立場なら逃げ出しそうだよ。
「でもね~三奈本君の文化祭への意気込みは本物だからやめるわけにもいかなくてね」
「はは、なるほど」
三奈本のやる気は確かに認めるがあいつに真面目に付き合うとろくなことにならないからな、真面目な日向さんは堪えただろう。
「そういえば男子や他の女子はどうしたの?」
「んと、色んな所でここの宣伝をする係?まぁサクラというかステマというかそんな感じの役割だよ」
「そっか、じゃ僕もそうするかな」
僕がこのメイド喫茶にいてやれるようなことはなさそうだ、去年と同じで中庭辺りの日陰でスマフォでも弄っていよう。ただ一つ気がかりがあるが・・・・
「あのさ日向さん」
「ん、なにぃ~?」
お疲れモードの日向さんにそれを頼むはちょっと気が引けるが
他に頼めそうな女子はいそうにない。
「まさ・・・・北条さんのこと頼むね、なにやらかすかわからない奴だから」
「あ、うん!大丈夫だよ任せといて!それじゃ御主人様、いってらっしゃいませ!」
そう言って深々と頭を下げる日向さんのお辞儀の角度はきっちり45度とばっちし完璧であった。うむ、流石だな。



「ふむ、結構混んできたな」
僕が校舎を出る頃には一般のお客さんも入ってきだしたようでかなりの賑わいを見せていた。僕はそんな人混みをスマフォを弄りながら中庭へと歩を進めていく。まぁ僕くらいなスマフォユーザーになると画面を見ながら人を避けて歩くなんて簡単な話だ。
「そろそろブログでも更新するかなぁ」
更新頻度が高いってのはいいことだ、最近になって結構見てくれる人も増えたしそろそろコメントであった質問にも答えていくかな。
僕の気持ちは文化祭なんかよりも完全にブログの記事に集中している。僕は素早く記事作成画面を開くと慣れたフリック入力で文章を打ち込んでいく。



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質問返答コーナー - 2013.04.06 09:58 編集 URL


はいはーい!はいはーい!「ヤキトリはいらない」の管理人
平野頼友でございますですよ!

今回はコメントであった質問にまとめて答えていこーと思います!
ちなみに今僕の学校、文化祭中・・・・あはは
いいんです!僕は『イクサカーニバル』に命かけてますから
一緒にまわる人がいなくても平気平気!!

ではでは質問コメント返していくよ~

〉煎餅固いの食べれませんの助さん
〉初心者にオススメなキャラ、スキルはどれですか?

初心者さんは基本見た目で選んで良いと思うんだけど、あえて言うなら・・・・
豊臣秀吉、ステタースが初めから高いから序盤が楽(ただしリアルで猿)
徳川家康、アイテムスロットが初めから広いのでアイテム一杯持っていける(だたしぽっちゃり系)
くらいでしょうか。
スキルは〈亡者の足枷〉が攻められることが多い初心者さんにはオススメかも、『味方が負けた数が多いほど長い時間相手の行動を封じる』ってやつだからね。

頑張ってランキングに載れるよう精進して
僕の織田信長ちゃんと勝負だ!


〉魔法少女ドウケレディさん
〉トップランカーで気になっている人っている?

やっぱり現在一位の「shinono」さんでしょうかね、同じ織田信長使いとしては。あ、あと「shinono」さんって女性って噂もあるので是非ともお近づきに・・・・


〉山葵拉麺大盛りさん
〉やきとり食べれないの?ぷすす

ついにこの質問きた!ブログのタイトル「ヤキトリはいらない」は麻雀用語で「一ゲーム中に一回も上がれなかった人」のことです。ちょっとローカルなルールだけどD

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「ちょっとローカルなルールだけ・・・・うぉっ!」
相変わらずの変なテンションで文字を打っているそのときだった。僕の体、腰辺りになにかがぶつかりおもわずつんのめる。
おかしい、スマフォを触っていたけどそれとなく前は確認していて誰もいなかったはずなんだけど・・・・
「いったああああああああい!!」
辺りにいる全員が振り向くような大声が足元から聞こえて僕がなんでこの子にぶつかったのに気がつかなかったか理解した。
「うう~痛いのだ」
尻餅をついて目尻に涙を浮かべる少女はかなり小さい。身長で言えば僕の腰ぐらい、小学生の低学年レベルでそれだから僕の視界に入ってなかったみたいだ。
しかしよく見るとこの少女、ちょっと変わった格好をしている。ところどころ金の装飾がなされた真っ赤な着物に紫色の帯、目元できっちり切られた前髪に地面に付きそうなくらいの長さの後ろ髪は日本人形のような容姿だがその髪の色は金髪だった。
って、いやそんなことはどうでもいい見えていなかったとはいえこれは僕が悪い。
「あっ、ごめん!大丈夫?」
ふと手を差し出そうと一歩踏み込んだ瞬間、ぐにゅっと足に嫌な感触。
「あああああああああっ!!!妾の焼き鳥をぉぉ!」
「えっ、あ・・・・ごめん」
慌てて足を上げるも時既に遅し、校庭の砂が焼き鳥のタレにべったりとつき当然ではあるが食べれるような状況じゃなかった。
「おのれぇ~!妾を『だいろーくてんまおー』と知ってのろーぜきかぁ!」
少女は立ち上がると小さな頬を膨らませピョンピョンと跳ながら抗議する。怒っているんだろうがその様子はちょっと可愛いと思ってしまう。
「だ、ダイロークテンマオー?競争馬かなにか名前か」
「違うのだ!むぅ~妾を怒らすと怖いのだ~!」
少女はそう言うと左の着物の袖口に右手を突っ込みそこからなにかを取り出す。
「焼き鳥を奢らないとホトトギス殺しちゃうもんね~ぷっぷくぷ~!」
「は?えっホトトギス?」
状況がうまく飲み込めないが確かに少女の手にはホトトギスが握られている。いやでもなんでホトトギスなんだ?
「どうなのだ~妾の恐ろしさに声もでないのだ~」
「いや全然声出ますけど、というか焼き鳥は奢るから鳥さんをいじめるのやめような」
「わかればいいのだ~」
満足そうに少女は言うと袖口にホトトギスを戻す。なんだあれもしかして袖の中で飼っているのか?
「というかなんでホトトギスなんだよ」
「ん~最近の若い者は『鳴かぬなら殺してしまえホトトギス』って言う私の名台詞を知らないの」
「えっ・・・・それは知ってるけど台詞じゃないだろ、いやしかしまさか」
頭の中に一人の人物が浮かび上がるがどう考えても目の前の少女と一致しない。いやだってあの人はスレンダーで美脚でセクシーな美人キャラのはず・・・・!
「もしかしてですけど君って織田信長様、なんてことはないよね?」
「なんじゃ知ってるんじゃないか、妾こそ『イクサカーニバル』の世界からやって来た だいろーくてんまおーの織田信長なのだ」
「イクサカーニバルって・・・・マジで?」
思わず頭が痛くなる。セクシー美女のはずの織田信長がなぜか残虐ロリ将軍に変わっているのもあれだが北条政子以外にもこっちの世界にやって来ている『イクサカーニバル』のキャラがいるなんて、もしかして僕が知らないだけで他にも一杯いるのか?
「あの~信長様?一つ聞きたいことあるんだけどいい?」
「ん~じゃ焼き鳥一本につき一つ質問に答えるのだ!それで決まりなのだ~」
「お、おいっ!」
言うが早い焼き鳥の露店へと駆け出す信長。こちとら聞きたいことが山のようにあるのに財布の紐を緩めないと教えてもらえないなんて今の僕には酷すぎる。
「つくねと~ネギマとネギマとネギマとネギマとネギマとネギマとネギマとネギマとネギマとネギマ!全部タレなのだ!」
「やめてくれ~~!!」
露店の前でまるで復活の呪文のようにネギマを連呼する信長に重なるように僕の悲痛な叫び声が校庭中に響き渡るのだった。



「やっきとり~やっきとり~嬉しいのだ~」
「僕の財布は全然嬉しくないことになってるよ」
僕の財布の中身と反比例するように紙皿には焼き鳥が山のように積まれている、しかもほとんどがネギマのタレ。
さすがにこれを食べながら歩くのは難しいので校庭に設置されたテントにまで僕達はやって来た。
「うまうまなのだ~!あ、そういえばまだお主の名前を聞いていなかったのだ」
「ああ、僕の名前?僕は平野頼友だよ、ごくごく普通の男子こう・・・・」
「お~もしかして頼友は噂の童貞という奴なのだ?」
「なっ・・・・!」
僕の言葉を遮って放たれた信長の一言に正直吹き出しそうになる。あれ、なんだ?僕ってそんな見た目からしてそうゆう風に見えるのか!?ほぼ初対面の小さな女の子にまでそんなこと言われるなんて重症だぞ。
「ん~違うのかえ?現実世界生活マニュアルには『おおよそイクサカーニバルのメインプレイヤー層は童貞で、童貞というのはお祭りとかで一緒にまわる相手のいない可哀想な人』のことを言うって書いてあったのだ」
なんていうかピンポイントに僕の事を書いてある気がするなその現実世界生活マニュアルってのは。しかもなにか事あるごとに童貞に精神ダメージを与えてくる辺り相当書いた奴は精神が歪んでる。
「僕が童貞かどうかはまぁ置いておいて、そろそろ僕の質問に答えてもらってもいいかな?」
ただでさえお財布が軽くなってヘコんでいるところに童貞の話なんかまで掘り下げて聞かれたら立ち直れそうにないので話題を変えることにする。
「ん~いいよぉ~。妾の答えれる範囲ならなんでも答えるのだ」
「ええっと、それじゃあ・・・・」
いざ質問をするとなるとどこから聞いたらいいか難しいな。焼き鳥一本百円と考えてこの後政子のやつにも奢ることも考慮に入れると精々質問は二、三個ってところか。
「信長様はイクサカーニバルの世界から一人でやって来たの?」
気になるのはどれだけの人数、あのゲームから来ているのかそして目的だ。あの伊達政宗みたいに現実世界への侵攻を考えてたりするのなら大変だぞ、僕にやれることはないけど。
「んとね~一人じゃないのだ。猿と狸と一緒に来たんだけどあの二人迷子になったのだ」
そう言いながら物凄い早さで焼き鳥の串を積み上げていく信長様に僕は少し考える。きっと一緒に来たって言う猿と狸ってのは豊臣秀吉と徳川家康のことで間違いないと思う、そしてこれは僕の推測でしかないんだけど
「もしかして信長様って迷子なの?」
「わ、妾がま、迷子なわけがないのだ!だいろーくてんまおーは迷子にならないのだ!」
滅茶苦茶狼狽えながら反論する信長に僕の推測は確信に変わったがあんまりつっこんで機嫌を害われても困るので話題を変えることにする。
「そ、そうだよね第六天魔王だもんね。ところでどうしてこっちの世界に来たのかな?」
宥めるよう静めるように言葉を選んで聞いてみると信長はいつの間にか最後の一本になった焼き鳥を手に取り僕の予想を裏切るとんでもないことを言い出した。
「妾の目的は『しののめ』に言われてな、こちらの世界に来ておる北条政子を捕えることなのだ」
「えっ!?」
突然出てきた北条政子の言葉に思わず反応していまいハッとなって口を押さえるが今更出てしまった声が消えるわけもなく信長は怪訝そうな表情を浮かべこちらをじっと見据える。
「どうしたのだ?」
「いや北条政子って戦国時代じゃなくて鎌倉時代じゃないですか、そんなのいるのかなぁって思って」
我ながら上手く切り返した、と思ったが信長は全然納得いかないようで小さく小首をかしげている。
「ところで頼友はゲームの世界からキャラクター来るような体験は初めてなのだ?」
「それってどうゆう意味?」
「なぁに、普通ならもっと驚くものなのだ。そんなところからキャラクターが出てくるようなことには」
信長の言葉がグサグサッと胸に突き刺さる。ただののだのだうるさい幼女くらいにしか思ってなかったけどかなり頭の回る幼女のようだ。
「いやほら僕は多少の事では動じない紳士だからさ」
「というわりには妾が北条政子の名前を出したとき動揺してたのだ!つーまーりー!」
まずい、この周りが楽しそうにしている中、まさか僕がこんな幼女に追い詰められるとは。
「頼友、お主はもしかして北条政子を知って・・・・」
「あ~信長様見つけましたぁ~」
完全にバレる・・・・もうダメだ。
そう思った瞬間信長の背後、意外なところから助け船が入った。
「もうぅ~迷子にならないでって言ったじゃないですかぁ」
妙に間延びした口調で信長に話しかける女性。お世辞にもスレンダーとは言えないぽっちゃり体型に深い海のような暗い青色のショートボブ、開いているか開いていないのかわからないくらい細い目、そして肩には手乗りサイズの猿が一匹。服装こそうちの学校の制服だけどその姿は『イクサカーニバル』で良く見る徳川家康の姿そっくりだ。
「猿に家康!妾は迷子になんてなってないのだ!てーせーするのだ!てーせー!」
「はぁ~でも多数決的には信長様が迷子だと思うんですけどぉ~」
家康の言葉に手乗り猿の豊臣秀吉が「ウキキ!」と叫びながら手を叩いている。
「ひ、卑怯なのだ!猿を連れていったのは家康なのだ!」
「そんなこといわれましてもぉ~」
信長と家康のやりとりを見ながら僕はゆっくりと席を立ち上がる。信長が家康の方を振り返ってる今がチャンス、すたこらさっさと逃げたほうが良さそうだ。
「あのぉ~ところで信長様、そちらの殿方は?」
「おおっ!そうなのだ!頼友、さっきの話じゃが・・・・」
逃げ出そうとしたところで家康の言葉に信長が振り返る。
ピタリと会う視線、妙な沈黙。僕は演技力0の棒読み台詞を言うと共に走り出した。
「あーそういえば僕はそろそろ教室に戻らないとー戻らないとみんなに叱られるーということで失礼しますっ!!」
「あっ!待つのだ頼友!!」
慌てて信長が声をあげるが振り返ることなく全速力で走る。
なんていうか最近ちょくちょく走らされるな、普段運動してない僕には苦行でしかないよ本当。



「はぁはぁ、くっそまけたか?」
切れる息を整えながら校舎の壁に手をつく。さすがに運動してない僕でも幼女と猿とぽっちゃりからは逃げることが可能なみたいだ。
「よくよく考えれば僕が逃げる必要ないよな、狙われているの政子なんだし」
制服の首元を緩めながらふらふらとした足取りで3年A組の教室へ歩いていく。
しかしまさか政子を捕らえるために『イクサカーニバル』から三人も武将がやって来るなんて本当困った話だ。
一体何をやらかしたんだよあいつ、いやもしかするともうやらかしたから狙われているのか?
「例えば現実世界に北条政子がやってきたからとか、ありえるぞ」
それを考えるとその北条政子を匿っている僕だって罪になるのかも、そう考えると頭が痛い。
「それに『しののめ』って誰だ?」
チラリと信長の口から出た「しののめ」とか言う人物。こいつが命令してあの三人がやって来たとするならやはり『イクサカーニバル』の関係者ってことになると思うけど。
「ん~考えてもわかんないな。でもとりあえず政子が狙われているのは間違いないから伝えといたほうがいいよな」
そんなことを呟きながら階段をあがると目の間にどこの新規開店のラーメン屋かとおもうような行列ができていた。しかも並んでいるのは全員男性というね、この行列がなにを意味しているのかはすぐにわかった。
「相当盛況しているなメイド喫茶」
まぁ三奈本の奴があんだけ張り切ったんだ当然も当然か、しかもメイド達はクラスのアイドルな日向さんや東條さんがやってるんだからな。メイド喫茶自体には行ったことないけどなまじ普通に営業しているメイド喫茶なんかよりもレベルが高いだろう。
「はいはーい、メイド喫茶だよぉー♪今なら特別サービス中だよぉー♪」
行列の横を歩きながら先頭の方まで進むとそこにはミニスカートのゴシック風メイド服を華麗に着こなした北条政子が真っ赤なツインテールを振りながら客引きをしていた。
「ちゃんと真面目にやってるみたいだな」
「当然じゃない、いっぱい売ったら三奈本がポテチ奢ってくれるって約束したんだから」
自信満々で答える政子だけどなんだ食べ物に釣られているのか、まぁかなりクラスでも政子の扱い方がわかってきているみたいだな。
「ああ、ところで大事な話があるんだけど」
「ん?話?あ、ちょっと待ってね」
政子はそう言うと行列の先頭で待っている男子学生の方を向く。
「はい、それじゃ特別サービス。超絶美少女の私がおでこにツンってやるサービスだよ♪」
「お、おねがいします!」
ドキマギしている男子学生の額を政子が指で弾く、それが特別サービスなのか?とその様子をなんとなく見ていたが次の言葉で僕は戦慄することになる。
「傀儡政権の始まりよ、んっと一番高いホールケーキ頼んでくれると嬉しいな」
「は、はい!注文します!!」
「それじゃ一名様ごあんなーい♪」
こ、こいつもしかして来る客みんなに『傀儡政権』やって高いホールケーキ頼ませているのか?!フラフラと店内に入っていく男子生徒を見送って僕は政子に詰め寄る。
「こらこらこら!なにやってるんだよ!」
「なにって特別サービスに決まってるじゃない、あれー?もしかして知らない男の人にやってるから妬いちゃってる?」
「そうゆう意味じゃねぇ!」
思わず口からでた大声に周りの視線が集まる。真面目にやってると思ったらこれだよ、とはいえ今はそんなことを問い詰めている場合じゃないか。それよりも重要なことがあるんだから。
「んもぅ、そんな大声出さなくてもいいじゃない。いいじゃないったらいいじゃない!」
「いやなぁ、というか大事な話が・・・・」
「頼友もやって欲しんでしょう?もう怒らなくてもやってあげるんだから。はい、それじゃ特別サービス♪」
「えっ?あっ・・・・ちょっと!?」
僕の言葉よりも早く政子が僕の額を指で弾く。瞬間政子の背後から後光の様に強烈な光が目に飛び込んでくる。これがもう全然慣れない、きっとこれ視力下がるんだろうなってそんなこと言っている場合じゃない!
「傀儡政権の始まりよ!頼友もホールケーキ頼んで食べてね♪」
「ちょっと、ちょっと待てぇ!!」
僕の意思とは関係なく足が勝手に教室へと入っていく。こんなことしている場合じゃないってのに!
「あれ平野君じゃない、お客さんとして来店?」
入ってすぐに出迎えてくれたのは日向さんだった。朝あった時の気だるそうな感じとは打って変わっていつもの活発な雰囲気に戻っているところが日向さんの真面目な性格をよく表していると思う。
「いや、そうゆうわけじゃないんだけ・・・・ホールケーキを一つお願いします!」
ああもうなんか僕の意思を無視して勝手に注文を口走っている。これが北条政子の『傀儡政権』の恐ろしいところなんですよ。
一時的とはいえ政子の思うように相手を行動させることができるそんな能力、ゲームの中ならいざ知らず現実世界で使っていたらそのうちとんでもないことになりそうな気がするんだよなぁ。
「ホールケーキね、それじゃこっちの席に座ってすぐに用意するから」
「ああ、うん」
日向さんに言われるまま近くの席に座るとなんとなく周りの様子を眺めてみる。朝来た時とは違って忙しない様子で動きまわるメイドさん達の姿はまるで本物のメイド喫茶に来たような錯覚を覚えるくらい完璧に見える。しかも当然のことながら皆高校生、こりゃ沢山の行列ができるのもわからなくはない。
「ん~そういえばホールケーキっていくらするんだ?」
僕はテーブルに置かれた皮表紙のメニュー表を手に取ると政子のせいで頼むことになったホールケーキの値段を確認・・・・って
「三千円だと・・・・高っ!!!」
あまりに高い値段に思わず大声をあげてしまい周りの視線が集まる。
「高・・・・高枝切りバサミが三千円か~お安いな~お買い得だなぁ」
ちょっと恥ずかしくなって思わず意味不明な口走りメニューで顔を隠す、なにやってるんだ僕は。しかし三千円って値段は高校生の僕には結構な大金だぞ、日頃から北条政子にはポテチとコーラを奢らされさっきは織田信長に焼き鳥を奢っているんだ。ていうかなんだいつから僕はそんな武将に食べ物を奢るそんな役割になっているんだよ!
「はいお待たせしました御主人様、シフォンケーキのホールになります」
僕がお財布薄くなる現象に頭を悩ませていると日向さんがこれまた大きな切り株のようなホールケーキと紅茶の入ったポットをカートに乗せてやってきた。
「切り分けるからちょっと待ってね。あ、食べきれなかったらテイクアウトもできるから安心してね」
「それは助かるよ」
正直あの大きさのホールケーキを見た瞬間食べきれないと思ったからテイクアウトができるのは本当にありがたい。政子の『傀儡政権』の能力だと注文して食べるまでが効果っぽいから一口でも食べてしまえば効果は切れるだろうしさっさとテイクアウトして政子に織田信長のことを伝えないと。
「はいそれじゃどうぞ、紅茶はおかわり自由だからいつでも言ってね」
「ありがとう、それじゃいただきます」
早速フォークを手にとりケーキを一口、口に入れる。口にした瞬間、表面のカリッとした部分の芳ばしさと中のふわっともちっとした
食感が噛んだ瞬間に良い感じで混ざり合い程良い甘さが広がる。普段あんまりケーキなんて食べない僕でもこれが美味しいのははっきりとわかった。
「これ美味しいね、作ったの?」
「これはね近くのケーキ屋さんに作ってもらったの。でもまさかこんなにホールケーキの注文があると思わなくて今大慌てで追加で作ってもらってるんだけどね」
「そ、そうなんだ」
確かにこのケーキは値段相応の美味しさがあるけどここまで売れるのは値段も値段だし予想外だろうなぁ、うん全部政子のやつのせいだけど。
「そういえばさ前から平野君に聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「え、ああうんいいけど」
日向さんは誰にでも別け隔てなく接してくるからこんな風に改まった様子で聞いてこられるとちょっとだけドキッとする。
「それじゃ遠慮無く聞くよ、平野君って政子ちゃんとどこまでの関係なの!?」
「は、はい!?」
あまりに予想外の質問に思わず聞き返してしまう。え、なんだって?僕と政子の関係?
「ほらだって一つ屋根の下で暮らしている男女といえば色々あるでしょ?」
「ないない、全然そういうのないよ」
はは、こりゃ一つ屋根の下どころか一緒の部屋で過ごしているとか言ったらもっとツッコミが入りそうだな、まぁ黙っているけど。
「えええっ!?なにもないの、本当に」
「いやまぁこれっぽっちもないね」
そうさらりと言ってのけると日向さんはまるでこの世の終わりかというような愕然とした表情でこちらを見ている。まぁなんていうのかな、僕も最初は期待したよそうゆうラブコメ的展開、でも結局僕に政子が授けてくれたのはラブコメなんかじゃなくてなんの意味もない征夷大将軍という称号?くらいだ。
「はぁそこまで平野君が二次元好きだとは思わなかったよ、政子ちゃん結構他の男子から人気なんだよ」
「へぇ~そうなんだ」
是非ともその男子には代わって欲しいものだよ毎日ポテチとコーラを奢る役目っての。
「普段一緒にいるからって安心していると他の男子に取られちゃうんだからね、もし平野君にその気があるなら同じクラスのよしみで協力するよ。なんてったって私は生徒会長の恋も実らせちゃうほどの恋のキューピッドなんだから」
うーん、政子の人気もいいけど日向さん自身の人気も結構あるってことを認識してほしいよなぁ。さっきから仲良く話しているところを周りの男子から恨めしそうな目で見られているんですけど。
「はは、まぁそのときはよろしく日向さん」
後ろ首を掻きながら乾いた笑いをしたその時だった。手にコツンとなにかが触れる。
「あれ?」
「どうしたの平野君?」
「いやなんだろ後ろの襟になにかついてる」
僕はそれを掴むと自らの目の前に持ってくる。しっかり止まっているというよりかは引っ掛かっているだけのようであっさりと取ることができた。
「ん~なんだろう?」
それはボタン電池ほどの小さなサイズの発光体で先程から全体が淡く赤色で点滅している。裏側には小さな鍵爪がついてあってこれがどうやら制服の生地に引っ掛かっていたみたいだ。
「なにかよく映画とかである発信器みたいだね」
「えっ・・・・?」
日向さんのさらっと言ったその言葉に思わず嫌な予感がする。確かにこれ発信器と言われたらまんまそんな風に見える、そして今僕にそんなものを付けそうなのは一人くらいしか考えられない。
「まずい点滅が早くなっている、これってまさか近づいているって事なん・・・・」
僕が言葉を言い切る前に突然それは起こった。
ドンという爆音に突風、激しい土煙を上げながら教室の廊下側の壁がだ、うん信じられないことにものの見事崩れ落ちたんだ。
「えっ、な、なに!?」
日向さんが慌てるのも無理は無い、というか僕だって声にこそ出さなかったけど突然起きた目の前の状況になにがなんだかわからなくて思考が停止、ただただ唖然とするしか無い。
「んもぉ~!なんなのよ~なんなのよったらなんなのよぉ~!!」
突然に爆発に慌てふためく者逃げ出す者で騒然としだす中、土煙から政子がフラフラとした足取りでこちらにやってくる。
「だ、大丈夫か政子!?なにがあった!?」
「知らないわよぉ、いきなり幼女と猿とぽっちゃりが現れていきなり『見つけた~』とか言われて銃をつきつけられてさぁ」
聞き覚えのある幼女と猿とぽっちゃりとという響き、間違いなくあいつらだ!
「わははぁ~!火力調整ミスったけど結果オーライなのだー!」
「これはやりすぎなんじゃないでしょうかぁ、怒られるますよぉ」
「ウキキ!」
そして晴れる土煙の中から現れる、幼女と猿とぽっちゃりと・・・・こと織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康。
「妾から逃げられると思ったのかえ?『ダイロークテンマオーからは逃げられない』って有名な言葉があるのだ」
手に持った大きい火縄銃を振り回しながら信長は高らかに笑う。その姿は第六天魔王というよりおもちゃを買ってもらえてはしゃぐ女の子って感じだが恐らくあれが教室の壁を吹き飛ばした物と考えるとかなりまずい状況なんじゃないのか?
「そんな言葉聞いたことないけどまさか発信器なんてつけられているとはね」
僕は手に持った発信器を信長達の前に放り投げる。
「これはですねぇ~家康ちゃん特製の『どこに誰がいるかすぐにわかる君一号』なんですぅ。咄嗟につけといてよかったですね信長様」
「さすがイクサカーニバルの青狸と言われるだけはあるのだ、褒美に後でねぎまのネギだけあげるのだ」
全く緊張感のない喋りの二人だけど信長も家康も侮れない、秀吉は・・・・秀吉はなんかお飾りだから気にしなくてもよさそうだけど。
「ねぇ頼友、さっきから信長とか家康とか言ってるけどもしかしてこの人達って」
「そうだよ、『イクサカーニバル』からやってきた奴等だ。しかもお前を捕まえるのが目的みたい」
日向さんがいる手前大声を出すわけにもいかず呟くように政子に告げる。
「な、なんで私が狙われるのよぉ~超絶美少女だから?」
「知らないけどそれは違うと思う」
理由はわからないけどこいつらが本気なのは間違いないだろう、わざわざ『イクサカーニバル』の世界からやってくるくらいなんだからな。
そんなことを考えていると信長がこちらに銃口をゆっくりとこちらに向けてくる。
「覚悟するのだ平野頼友!質問に答えた分焼き鳥を奢ってもらうのだ!」
「って、そっちかよ!!」
信長達の目的は北条政子でしょうが、なんでいつの間にか僕の方に切り替わっているんだよ。まぁ確かに僕は焼き鳥奢るのからは逃げたけどさ。
「焼き鳥・・・・ちょっと頼友、私に内緒で焼き鳥なんて食べてたの!?」
「僕は食べてないっていうか、お前も焼き鳥に食いつくなって」
「ま、まだ食いついてないわよ!!!」
「そうゆう意味じゃないし!!状況を把握しろよ!」
こっちはこっちで意味不明なことを言い出すし、全くよく暢気にしていられるな政子は。なんとか逃げたいところだけどここは三階、窓からは逃げれそうにないし銃を突きつけられていて信長達の脇を抜けるのも難しそうだ。
まさかこんなところで絶体絶命かよ!
「くくくぅ~のくぅ~!覚悟するのだぁ!」
絶望する僕を嘲笑うように信長がそう言うと銃の引き金をひこうとした、そのときだった。
「こらぁぁぁぁぁ!」
僕の背後、さっきからずっと黙っていた日向さんが大声で叫んだ、それはもう関係ない人でも吃驚するくらいの声量で。
「玩具とはいえ銃口を人に向けちゃダメでしょ!」
そして僕と政子の間をズカズカと通って信長の前に立つ。
「いや日向さん、あれは・・・・」
「平野君は黙ってて!」
いや、あれは玩具じゃなくて多分本物だと思うんですけど。だってほら壁だって壊しているんだし。
だがそんな僕の言葉も遮って日向さんは信長に視線を合わすようにしゃがみこむ。
「な、なんじゃお主は」
「私は日向みなみ、平野君のクラスメイトよ。信長ちゃんだっけ、いーい?そうゆうのは人に向けて遊ぶものじゃないの」
「なにを言っておるのだ~!妾の邪魔をすると容赦しな・・・・」
突然の出来事に少し狼狽えながらも信長が日向さんに銃口を向けた瞬間・・・・
「こらっ!だからダメって言ってるでしょ!」
日向さんの容赦しないゲンコツが信長の頭にクリティカルヒットする。
「うううっ、ぶったのだ」
「悪いことしたら私はぶつんだからね!良い子になってもらうためにね、わかる?」
日向さんの言葉に正直よくわかんないといった感じの信長だが相当ゲンコツが効いたのか涙目で頷いている。
「信長ちゃん、悪いことしたら何て言うのかな?」
「ご、ごめんなさい」
「そうそう、悪いことしたら素直に謝ろうね」
信長の頭を撫でる日向さんの様子を後ろで見ながら僕はこれはチャンスだと思い横にいる政子を肘で小突く。
「おい、政子・・・・今のうちに逃げるぞ」
「え、なんで?もしかして焼き鳥奢ってくれるの?」
「違ぇよ!はやく状況を理解しろって、ほら行くぞ」
僕は政子の手を引くと信長の横を抜けて走り出す。信長が日向さんにお説教を受けている今がチャンス!
「ああっ~もしかして逃げるんですかぁ~?」
「ウキッキー!!」
僕達の前に回り込もうとする家康と秀吉、だがそれも
「貴女信長ちゃんのお姉ちゃんよね!しっかりしないとダメじゃない!あと動物は入店禁止です!」
ちょっと勘違いしている日向さんによって制される。もはや信長に至っては怒られてへこんでいるのかこっちすら見ていない。
「いやあのぉ~私は信長様のお姉ちゃんでもなんでもない・・・・」
「問答無用だよっ!いい?小さい子ってのはお姉ちゃんの姿を見てないようで見ているものなの!だからお姉ちゃんがしっかりしないとグチグチグチグチ」
小さくなっていく日向さんのお説教を背中に聞きながら僕と政子は走る。そして心の中で思うのだ、「本当にありがとう日向さん、ホールケーキはあとで買わせていただきます!」と。




「はぁはぁ、本当運動した方がいいな僕は」
再び校庭に出るころには僕の体は完全にスタミナゼロ、大きく肩で息をしながら首元を伝う汗を袖で拭くとフラフラと休憩用に設置してあるベンチにどっしりと腰かける。
「さすがにあの状況じゃ家康もあの長ったらしい発信器をつける余裕もなかっただろう」
一応念のため背中を手でまさぐってなにもないのを確認、これでまずは一安心といったところか。
「しかしこれからどうするかな、学校にいるのは色んな意味で危険だけど信長達をなんとかしないとそれはそれで難しそうだし」
なんで僕がこんなことで悩まないといけないのか。だがなんとかして僕の平凡な高校生ライフを取り戻さないと落ち着いてゲームもできやしない。
「話し合いは無理そうだしとなるとやはり政子の『傀儡政権』でなんとかするしかないか」
『傀儡政権』なら記憶の改竄もできるしなんとかなるかも、とそこまで考えて僕はとある重大なことに気がつく。
「あれ、そういえば政子の奴どこに行った?」
信長達から逃げるときには掴んでいた手も逃げるのに必死でいつのまにか離してしまってた。あいつのことだ捕まったりすることはないとおもうけど。
「あ、いたいた~おーい、頼友ぉ~」
そんな事を考えると政子の奴が人混みの中から姿を見せる。僕の心配は杞憂だったようだ、しかしなんていうか政子が手に大量に持っている露店で買っただろう食べ物を見て別の不安が過る。
「おまえそんなに大量の食べ物どうしたんだよ」
「勿論買ったのよ、これで」
そう言うと政子は僕の目の前に黒革製の長財布を差し出す。うん、知ってた、これは間違いなく僕の財布じゃないか!
「いつのまに僕の財布を取ったんだよ!」
「失礼ね、取ったんじゃないわよ。頼友が財布落としたから私が拾ってあげたんじゃない。感謝するべきするべき!」
「いやそれは感謝するけどさ、一体いくら使ってくれたんだよ」
政子から財布を奪い取ると中を確認する、そして驚愕する、更にもって絶望する。
「ど、どんだけ使ってるんだよ。俺の樋口さんが、野口さんが一人もいないなんて」
よくよく見れば小銭もほとんどない、あるのは五十円玉に五円玉そして一円玉が一枚づつ、僕の全財産五十六円也~ってそんなことやってる場合じゃないよ!
「んもぅ、頼友はそうやって細かいことばかり気にするから童貞なのよ」
「童貞は関係ないだろ、童貞は!」
「それが関係あるんだなぁ」
そう言うと政子は僕の隣に座り買ったフランクフルトを取り出すと目の前に差し出す。
「美少女メイドが『あ~ん』してくれる権利、プライスレスだと思わない?」
ニッコリと笑う政子に思わずドキッとする。なんていうかドキッとしたのが悔しい、好き放題財布を使われた怒りも吹き飛んでしまうくらい政子は可愛かった。
「男なら細かいこと気にしちゃダメなのよ、ほらあ~ん」
それとこれとは違うだろ、と言いたいところだったけど言うとまた「そうゆうところがダメダメなのよ」とか言われそうなので黙って差し出されたフランクフルトをかじる。
「どう美味しい?」
「うん、ああ美味しいよ・・・・でもなんていうか」
「なんていうか?」
「物凄く辛いんですけど」
口の中に広がる辛味が痛さに変わるにしたがい収まっていた怒りが沸々と沸き上がってくる。
「そりゃ激辛ハバネロ入りフランクフルトだからね~。でもちゃんと水も買ってきてるんだよ、優しいなぁ私」
僕は政子の取り出したペットボトルを無言で奪い取ると一気に水を口に流し込む。そして空になったペットボトルを握りつぶし力一杯叫んだ。
「疲労で死にそうな奴にそんなもの食わせるなぁ!!!!」
「んもぅ、そんなに騒ぐとあの信長達に見つかるよ」
呆れた感じで政子は言うけど元の原因はお前だ、お前!
「だが確かに言う通りだな、とりあえずここは危険だし一旦家に帰るか」
「えぇ~!やだ!まだ文化祭楽しんでない!」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」
ここにいたら僕達だけじゃない、さっきのメイド喫茶の様に他の皆にも迷惑がかかる。なんていうかそうゆうのだけは避けたいところなんだ。
「むむむ~それじゃあそれじゃあ」
政子は本当に考えているのか考えてないのか腕を組みしばらくじっと目を閉じていると不意にポンと手を叩く。
「わかった信長達が来たら私が『傀儡政権』でなんとかするから文化祭楽しもう~」
「考えることは一緒か、でもそんなに上手くいくかな」
「なんとかなるなる~ということで行くわよ頼友!」
言うが早い、政子は僕の手を掴む。
「え、もう行くのかよ。もうちょっと休ませてくれ」
普段ろくに運動してない僕には二回の全力疾走は体に堪える、なんていうか高校生の発言とはいえないけど本当なんだから仕方ない。
「ダメよ、ダメ~!もっと学校生活エンジョイしないと暗い生活になっちゃうよ、ほら立つ~!」
「はぁ、もう既に暗い生活だよ僕は」
政子に手をグイグイと引っ張られ仕方なく立ち上がるとそのままの勢いで政子は走り出す。
「ちょちょちょ!なにも走らなくてもいいだろ」
「だぁめ!ついでに体も鍛えなさい~」
「体鍛える前に体壊れるっての」
政子に引っ張られたまま小言で愚痴る。・・・・が政子は走るのに聞こえてないみたいだ。
「・・・・しっかし目立ってるよな、俺達」
手を繋いで走る僕達の姿は周りの人達にはどう映っているんだろう?
美少女メイドに引っ張られる冴えない御主人様ってところか、うんそれが妥当だな。だけどそれに一言付け加えさせていただきたい。
「その御主人様、今相当横っ腹が痛いです」と・・・・。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

リア充の定義 - 2013.04.06 12:44 編集 URL


二次元美少女好きな人手~挙げて~~~!!!
はーいはーい!はいはいのはーい!
そんなハイテンションの管理人「平野頼友」です!


文化祭退屈ですわぁ~カップルとか見ると激おこ!って感じですよ。べ、べつにそんなリア充共なんて羨ましくないんだからね!

そういえばリア充ってどこまでやったらリア充って呼ばれるのでしょうかぁ?
女の子と手を繋いだら?女の子にあ~んとかしてもらったら
もしかしたらリア充認定されてボコボコのボッコボコにされますk


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「はいそこブログ更新しないのっ!」
ブログの記事を作成途中に政子が僕のスマフォを取り上げる。
「うわ、ちょっと止めろよ政子!」
「せっかくの文化祭なのになにやってるのよ!もっと楽しまないとダメよダメ~!」
「そ、そう言われても本当に退屈なんだよ」
僕はため息混じりに呟く。文化祭を楽しむとはいっても財布にはもう五十六円しかない僕、仕方ないので文化部が作品を展示している体育館に来ては見たんだけどいで区切って文化部はこの日のために作品を展示しているのだがあるのは作品だけなのだ。
まぁ多分皆文化祭を楽しむために出払っているんだろうけど作品だけがそこにぽーんとあってもなんていうのかな、「この凄いところは!」って説明してくれる人がいないと物足りない、そんなところなんだ。
「ねぇねぇ頼友見て!静電気発生装置だって楽しそう!」
そんな中でも政子の奴は一人感嘆の声を上げながら作品に食いついている、なんていうかそのポジティブさというか純粋さにはお手上げだ。
「静電気で船が進んでる!すごい!」
「今日日静電気で喜ぶ奴なんて小学生でもいないっての」
呆れながらも政子がそれで満足ならそれでいいかと思う。まぁゲームの世界のことしか知らない政子には全てが新鮮に映るんだろうしな。
「あとはあいつらだけど、ここなら大丈夫かな」
なんとなしに僕は周りを見渡す。体育館の出入り口は北側ステージを除いた東、西、南の三ヵ所、今の僕達の位置はどの出入り口からもそれなりに距離はあるがそれはどの出入り口からでも信長達がやってきたときに咄嗟に行動することができるという絶好の位置だ。
行動するって言っても今回は逃げる訳じゃない、一応ここに来たのは金がないからって以外にもう一つ考えがあったからだ。今の体育館には沢山の仕切りがあって物陰に隠れるのは容易い。僕達がやるのはいち早く信長達が体育館に来たことを察知して物陰に隠れ、奇襲をかけて政子の『傀儡政権』で無力化する・・・・ということなんだけど。
「見て見て!静電気で髪が逆立つよ!」
「へぇ、地毛じゃなくても静電気で髪の毛立つんだ」
「なにか言った頼友?」
「いや、こっちの話だ気にしないでくれ」
いかんいかん余計なことは言わない、それが僕の処世術・・・・しかし政子の奴わかっているんだろうな、もうなにか作品に夢中で信長達のこと忘れている気がして仕方ないんだけど。
そんな不安に苛まれていると軽快な鉄琴のメロディが頭上に流れる。校内放送の始まるときに流れるメロディでマイクの入ると音がすると聞き慣れた同じクラスの生徒会長、東條綾音さんの透明感のある声が聞こえてきた。
『あっ、えっとはい皆さん城川高校の文化祭楽しんでいらっしゃられるでしょうか生徒会長の東條彩音です』
校内放送のためか文化祭というイベントのせいかはたまたいつも通りなのか少し緊張した面持ちで喋る東條さんの声に僕は暫し耳を傾ける。
『えっとその、これを読めばいいんですか?ああ、はいわかりました。えっとさて文化祭をお楽しみの皆さんにお知らせです、今より体育館が戦場になるそうなので巻き込まれたくなければ早いところ逃げた方がいいのだ!・・・・のだ?えっとそうゆうことらしいです!』
「・・・・は?体育館が戦場?」
意味不明な東條さんの放送、今いる体育館が戦場?その言葉の意味を考える時間もなくそれがなにを意味するのか、すぐに実体験としてわかることになった。
「西口封鎖!完了!」
「おなじく東口封鎖完了!!」
突如として迷彩服を身にまとったが男性が数十名、各々銃を構え東西の入り口の前に待機する。
「なになに?なんのイベント?」
「イベントなわけがあるかぁ!のだのだ言う奴なんてもう一人しかいないだろ!」
呑気に静電気で船動かしている政子に僕は叫び声を上げる。もはやこんなにしつこく僕達を狙ってくるのはあいつらしかいないのはわかってるだろうに。
そしてその幼女と猿とぽっちゃりは僕の焦る気持ちを嘲笑うよな笑い声を上げながら体育館南口に姿を現す。
「にゃはは~今度こそ追い詰めたのだ頼友に北条政子!」
「ウキッ!」
「さっきまでゲンコツに泣いてたのに素晴らしい変わり身の早さですぅ」
「こらぁ!家康ぅ!そのことは言っちゃダメなのだ!」
今日会ったばかりだってのにもはやお約束のように感じる会話をしている信長と家康。しかしなんだってんだこの迷彩服を来た男性達は、こいつらさえいなければ僕の作戦は上手くいくはずだったのに。
「しかしよくやったのだ三奈本、後で褒美にねぎまのネギだけあげるのだ」
「それはどうも、まぁ頼友の行動なんてお見通しですよ」
「え、三奈本!?」
ただでさえ頭がこんがらがりそうだってのに信長の言葉に背後からのっそりと迷彩服に身を包んだ僕の悪友三奈本が姿を見せてさらに頭が混乱する。
「な、なにやってるんだよ三奈本!」
「それはこっちの台詞だっての、まったく俺に内緒で女の子とイチャイチャしやがって。なので彼女いない歴=年齢なミリタリー同好会がお前に罰を与えるぜ!」
三奈本がビシッとこちらに指を突きつけるとまるで蜂の巣をつついたかのようにゾロゾロとそのミリタリー同好会の皆さんが現れ信長達の前に陣を取る。酷い、彼女いない歴=年齢なら僕だって同士のはずなのにやっぱり僕はリア充認定されているのか!
「妾が人に銃を向けるとみなみに怒られるのだ、ならば他の者が人に銃を向ければよかろうなのだ~」
「全然良くないだろいい加減に・・・・ってうわぁ!」
言葉を言い切る前に耳元を銃弾が掠め、思わずしゃがみこむ。実弾じゃないプラスチックとはいえミリタリー同好会が持っているのは安いエアコキではなく電動ガンやガスガンだ、当たれば相当痛そうだ。
「にゃはは、一斉掃射なのだ~!」
信長の掛け声と共に一斉に銃口からプラスチック弾が無数に飛んでくる。それなりに遮蔽物があるとはいえいくつかの弾丸がしゃがんでいても体に当たる。
「痛ぁい!んもぅなんなのよ~なんなのよったらなんなのよぉ~」
「くっそやたらめったら撃ってきやがるな、まったく人に向けて撃つなって取説にも書いてあるでしょうがぁ!」
僕は叫ぶがそんなことおかまいなしに弾丸は飛んでくる
「もぉ~なんとかしてよ頼友~!」
「なんとかしてって言われてもな、とりあえずそこの仕切りを動かして奥に逃げるぞ」
僕と政子は後ろにあるプラスチック製の白い仕切りをずらすと這いずるようにして奥へと逃げ込む。
「逃げても無駄なのだ~。妾に毎日焼き鳥を奢ると約束するまで攻撃あるのみなのだ!」
なにが悲しくて全財産五十六円の僕がこれ以上奢らないといけないんだ、そもそも完全に目的変わってるじゃないか。
しかし一体どうすればいいんだ?このままじゃ僕の学生生活は貧困と共にむなしいものとなってしまう。
そう頭を抱えたその瞬間僕の目の前、視界にすっとスラッとした美足が飛び込んでくる。
「ここで何をしているんですか?」
「あっ、いやえっと」
抑揚のない言葉に思わず顔を上げるとその美脚を持つに相応しいえらい美人がそこにいた。肩ほどまで伸びた黒髪にそれでちゃんと見えているの?と問いかけたくなるほど小さな丸眼鏡を掛けている。少しつり上がった目尻となにか不満がこぼれそうなへの字に結ばれた口をもってしても彼女は美人の枠に文句なく居れるだろう。
なにより・・・・いや、これを言うと政子辺りが「そうゆうところばかり見ているから童貞なのよ!」とか言われそうだがなんていうか僕の目の前にいる彼女、小柄な体格に似合わず胸がかなり大きい!!それはなんだあれ、メロンかなにか胸に詰めているんじゃないかって大きくふくらんだそれに思わず視線がそこに行ってしまう、もうこれは健全な男子高校生の僕には致し方ない、全くもって致し方ない。
その無駄に大きな胸元の名札には「東雲」と書かれている。名前の横にあるラインが僕のとは違うから下級生だろう小脇にノートパソコンを抱え怪訝そうにこちらを見ている彼女に僕は慌てて声をかける。
「えっとひがしぐもさん?これには深い事情があるんだ」
「深い、事情?」
「そう深い事情!なんていうかどっから話せばいいのか織田信長に攻められて籠城している、いやなんか違うなええっとなんと言うか・・・・」
「閃いたぁ!!」
僕が説明に困っていると突如としてさっきから存在が空気になりかけていた政子が声をあげる。
「なんだよ政子、急に大声だして」
「織田信長を倒す手立てを閃いたの!これよこれっ!」
そう言って政子が指差したのは商品搬入なんかに使う小さな台車だった。
「それとこれ!」
そして次に政子はここら少し離れたところにある歴史研究会の札がつけられた西洋の騎士の鎧に駆け寄るとそこからバカデカイ鉄製の盾を引っ張ってくる。
「私がこの盾をもつでしょ、それでこの台車に乗って突撃するの、んでんで近づいたところでぴょ~んと飛び出して『傀儡政権』しちゃうのよ」
身ぶり手振りで作戦を口走る政子、確かにその盾と台車があれば信長に無傷で近づけるだろう、うんそうだろう。だけど・・・・
「その台車誰が押すのさ」
「え、そんなの頼友しかいないでしょ」
「それじゃ僕が集中砲火を受ける気がするんだが」
「あーそれならあの鎧着たら?」
政子はそう言うと西洋の騎士の鎧を指差すがあんなもの着れるわけないだろうに、もし着れたとしても重さで動けやしないよ。
「あんなの絶対に着れるかよ」
「ん~まぁ、頼友のことはおいおい考えるとして~いい作戦だと思わない?大体織田信長に対抗するなら武田信玄の騎馬部隊って相場が決まってるのよ、長篠の戦いよ~」
確かにいい作戦だとは思うよ、僕の事を全く考えていないところ以外は。でも他になにも浮かばないしなによりもうすでに政子が台車の上にちょこんと座ってる時点でこの作戦でいくしかないよなぁ。
「あの、一つよろしいですか?」
どうやって僕の被害を減らそうと考えているところに東雲さんが声をかけてくる。そういえば彼女に状況を説明しようとしてたところで政子が割り込んできたんだっけ。
「ああ、ゴメン『ひがしぐも』さん。状況の説明の途中だったね」
「いえお二人の会話から状況は把握しました、しかしその作戦には致命的なミスがあります」
冷静な口調でそう告げる東雲さんからそこはかとなく漂う『解説キャラ』の雰囲気、やっぱり欠点と言えばこの僕の守りが脆弱とかそうゆうことなんだろうなぁ、そこで東雲さんが「こんなこともあろうかと」って秘密道具だしてくれるんだろうなぁ、なんて意味不明な妄想していると
「長篠の戦いは武田信玄ではなくて武田勝頼です、それに武田の騎馬部隊は織田、徳川連合軍の鉄砲隊に惨敗しています」
実に冷静沈着に政子の間違いをしてきたのだ。そういえばそんな話歴史の授業で聞いたことあるけど僕も東雲さんの
指摘があるまで全然気がついてなかったな。
「そう言われると凄く不安になるな」
なんてったって相手は織田信長と徳川家康、あああと豊臣秀吉もいるけど連合軍だししかもミリタリー研究会の鉄砲隊まで揃っている。それに対する僕たちが台車と言う名の騎馬隊で挑もうとしているんだからな史実通りならば負けるのは僕達だろう。
「んもぉ~細かいところは気にしないの、長篠リベンジってことでほら頼友早く!」
「はいはい、わかったよ」
しかしもう政子の頭の中には作戦変更なんて文字はないようで台車から降りる様子はない。それを見た東雲さんも言ったところで無駄と察したのかそれ以上口を挟むことはなかった。
「とりあえず頭下げて全速力で走る、顔を上げてたら危ないからな」
「頼むわよ私の征夷大将軍様!」
僕は台車の持ち手を掴むと一度大きく深呼吸をすると東雲さんの方を振り向く。
「『ひがしぐも』さん、それじゃ行ってくる。君は危ないから隠れておいた方がいいよ」
「わかりました、そうさせてもらいます」
東雲さんはそう言うと踵を返し仕切りの角に体育座りをするとノートパソコンを広げる。この状況でノートパソコンを広げる意味はよくわからないけどそこなら大丈夫だろう。
「よ、よし行くぞ!」
「何時行くの?・・・・今でしょ~!」
「いっけぇええええええええええええ!」
意味不明な政子の掛け声と共に僕は仕切りの影から飛び出し信長達の姿を一瞬確認、体育館の床を蹴ると一気に台車を押し進める。
「出てきたのだ!撃って撃って撃ちまくるのだ~!」
信長の号令と共にミリタリー同好会が銃を乱射する。ほとんどが台車に乗った政子の盾によって防げているがそれでも下げている頭や台車を持つ手にプラスチック弾が当たると痛みが走る。
「くっそ、痛てぇ・・・・」
思わず痛みの言葉が口からこぼれ落ちる。良い子は絶対に真似してはいけません、良い子じゃないからあいつらは彼女いない歴=年齢なんだよ!
飛び出したときに見た信長の位置からすればあと数十メートル、ここまでくればもう痛かろうがなんだっていい。台車に政子と色んな恨みを乗せて僕は更に速度をあげる。
「うううっ、突っ込んでくるのだ!三奈本なんとかするのだ!」
「わっかりましたぁ!」
慌てる信長に対して三奈本がなにか楽しそうに返事をする。こいつ絶対にこの状況楽しんでるだろ。
「ふふふ、頼友残念だったな!家康さん、あれを使いますよ!」
「はいですぅ~ジャンジャンバリバリ~ジャンジャンバリバリ~」
家康の謎の言葉と共にジャラジャラとなにかを地面にばら蒔く。
「頼友、なにか鉄の球が転がってきてる!」
「くっ、よくわからんがこれくらいのことで止まれないっての!」
鉄の球ってなんだ?関係ない!なんて思ってた時点で僕はすでに術中はまっていた。
「くっそ、痛ぇぇ!」
力強く踏み込んだ足が鉄球を踏み足つぼを押されたかのようにじんわりと痛む、これは内蔵器官が弱ってますね~なんて先生の言葉まで聞こえてくるくらいに。
いやそれだけならまだ良かった痛みを抑えて台車を押そうとしたその時だ。
「うおっ!」
台車の車輪に鉄の球が挟まったのかガキン!という金属音と共に前輪がロックされ思わず体がつんのめる。
「ちょっと、頼友!なにしてるのっ!?」
「まずい、政子!跳べ!」
「跳べって、え?ちょっとぉ!?」
さっきまでの勢いのまま僕の目の前でそれはもう見事に政子がスカートを抑えながら跳ぶ。しかし最も肝心なところを押さえておらず、えっとなんていうのかな頭のその大事な部分って言えばいいんだろうかカツラと言うかウィッグが宙を舞う。
「と、跳んだのだ!狙うのだぁ~!」
信長の声にミリタリー同好会の銃口が政子を捉える、その瞬間・・・・なんともこれが幸運なのか不運なのか体育館の窓から差し込む西日が政子の頭頂部を照らし、体育館全体に真っ白い光が迸る。
『まぶしぃぃぃ!!』
その場にいる全員がそう叫ぶ中、つんのめった僕はそのまま地面を転がり全身に痛みが走る、だがそんなことはどうでもいいと顔をあげたそこには
「く、傀儡政権の始まりよ!」
ちょっとずれてるけどウィッグを頭に乗せた政子が信長の前に立ちしっかり『傀儡政権』を決めていた。
「うにゃにゃ!この光はなんなのだ」
小さな手で自らの目を押さえる信長。政子の『傀儡政権』を受けると皆こうなる、つまり・・・・
「まぶしいのだ~!」
信長の悲痛な叫び声にミリタリー同好会の面々が政子を取り囲むがもはやここまでくれば僕たちの勝ちは決まっていた。
「私と頼友を攻撃しないように、お願いね」
「ふぇ~!そんなことしたらしののめ~に怒られ・・・・全員攻撃しちゃダメなのだ~撤収なのだ~」
『サーイェッサー!』
悔しそうな声で信長が言うとミリタリー同好会の連中は敬礼をすると隊列を組み体育館から文字通り撤収していく、このはた迷惑な奴等がいなくなったことで本当に僕はこの無駄に長い戦いが終わったことを確信し、安堵の溜め息をついた。
「やったな、政子」
「まっ、私にかかれば・・・・」
「ん?どうした」
なぜか急に言葉が止まった政子に疑問を抱いて立ち上がろうとしたその時だ
「頼友、後ろ!!!」
「え、後ろ?後ろがどうしたって」
珍しく声を荒げる政子に後ろを振り返る、そこにははなぜかノートパソコンを高々とあげた東雲さんがいた。
「あれ?『ひがしぐも』さんじゃないか、あれどうしたのかなノートパソコンなん・・・・がはっ!」
言葉を言い切る前に東雲さんのノートパソコンが僕の頭を直撃、ぐらりと体が揺らぎ全身から力が抜ける、ああこれって気絶するってやつかなんて意外にも冷静に考えながら僕は体育館の冷たい床に倒れ込んだ。「う、うううっ・・・・」
頭が痛い、強制的に意識を遮断されると全身に負荷がかかり覚醒には時間がかかる。ゲームじゃよく敵を気絶させたりしている僕でも自分が気絶することは生まれて初めてだった。
「こ、ここは・・・・?」
「ここは体育館です」
ぼんやりした頭で言葉を吐くとすぐに女性の声が返ってくる。
体育館、そうか体育館で僕は何をしていたんだっけ?
えっと幼女と猿とぽっちゃりと変態と銃を人に向ける悪い子達がやって来て、その中の幼女が実は織田信長でその信長に焼き鳥を奢らされようとして、いや政子を狙ってるんだっけか・・・・
それでそれで信長を政子が『傀儡政権』でなんとかしたんだよなぁ、そこまでは覚えている覚えてるんだけどその次は・・・・
「私にノートパソコンで頭を殴られ気絶していたんですよ
平野頼友さん」
そうそう、まずそこでノートパソコンってそう使うもんじゃないだろって思った。もう一つ言いたいことはなぁんで僕は東雲さんに殴られたってことだ、あれかなやっぱり胸ばっかり見てたのがダメだったかぁ。いやでもね見るよ、健全な男子高校生であれば間違いなく見るよ爆乳戦隊パイレンジャーだよ。
「私の名前は『ひがしくも』ではなく『しののめ』です。東雲千影、それが私の名前」
あっれ~胸の話題はスルーですか、そうですか。しかし『ひがしくも』さんじゃなくて『しののめ』さんだったんだな、あ~名前間違ってたから殴られた・・・・ん?しの、のめ?
「『しののめ』って言えば信長に指示をだしてむにゅ!?」
意識が覚醒し体を起こした瞬間僕の顔が柔らかい感触に包まれる。
「うおっ、なんだこれは何も見えない!」
「人の胸で遊ばないでもらえますか?」
東雲さんに言葉に冷静になってみるとどうやら僕は膝枕された状態から起き上がって東雲さんの下乳に顔を埋めていたみたい、人を気絶させて膝枕を狙うなんてどんだけ肉食系だよ。
「ひぃ、ごめんなさい!わざとじゃないんで殴らないで!」
「殴りませんよ、もう終わってますし」
「え、終わってる?」
終わってるってなにが?と聞き返す前に僕は既に気づいた。政子がいない、いや政子だけじゃなくて辺りには信長も家康も秀吉の姿もない。三奈本の姿は・・・・なんか体育館の隅で踞っているのが見えるけど。
「三奈本先輩にはプラスチック弾の回収をお願いしています。こちらとしてはここまで事を荒げたくはなかったのでその責任をとって体育館を元通りにしするように」
「もしかして東雲さんって三奈本の知り合い?」
僕の疑問に東雲さんは首を横に振る。
「いえ、初対面です。他に人がいなかったのでお願いしましたら心良く引き受けてくれました」
なんだつまりあの地面に這いつくばっている三奈本は巨乳に魂を引かれた者の末路ってところか。
「それで政子達はどこにいったんだ?」
「彼女達なら今屋上にいます。北条政子は平野頼友、貴方を人質にして私たちが捕まえました。そして貴方が目覚めるのを待っていた、というわけです」
東雲さんはゆっくりと立ち上がり僕を一瞥すると言葉を続ける
「貴方が目覚める前に強制送還してもよかったのですが別れの言葉の一つくらい伝えさせても良いのではと思い、配慮しました」
はっきり言おう、東雲さんの言っていることが僕にはさっぱり理解できなかった。強制送還?別れの言葉?配慮?どの言葉も僕の耳にはピンと来ない。ただ今の僕には気になることが一つある。
「東雲さん、君は一体何者なんだ?君の指示で信長達が動いていたところを見ると『イクサカーニバル』になにか関係ありそうなのはわかるけど」
「私の名前を聞いてもまだ気がつきませんか?元イクサカーニバルのトップランカー平野頼友さん」
「名前・・・・東雲、もしかして!?」
僕の頭の中に一人の人物が浮かび上がる。いや直接は会ったことはゲームの中でもない、でも僕はその人のプレイングの上手さや逸話は色んなところで聞いたことがある。確かに僕、今日ブログで会ってみたいとは書いたけどこんな風に出会うなんて思いもしていなかった。
「東雲さんってもしかして『Shinono』さん?」
「そうです」
あっさりした様子で東雲さんが小さく頷く、いやまさか『イクサカーニバル』のトップランカーがこんな近くにいてこんな可愛い子だとは想像もできなかった。
「いやでもなんでトップランカーの東雲さんが政子、北条政子を狙うんだ?」
「私はトップランカーである前に『イクサカーニバル』のゲームマスターの一人でもあるからです」
「ゲームマスターだって!?」
その言葉に思わず声が上ずる。ゲームマスター、よくネットゲームなんかだとGMなんて略されているゲームの運営者のことだ。ゲームマスターは言わばそのゲームの神のような存在でその人達にかかれば不正なツールを使っていたり運営側が禁止しているRMT、現実のお金でゲームのアイテムを買うような行為をする人間を文字通り指先一つでアカウント凍結にしたりする。滅多にプレイヤーの前に現れることはなく存在すら危ぶまれたそのゲームマスターがこんな僕と歳もそう変わらない女の子だったとは。
けど東雲さんの告白に一つ不安が過る。政子のことをゲームマスターが狙っていたってことになるんだからな。
「そろそろ行きましょうか、貴方としてはGMである私に色々聞きたいこともあるでしょうが」
「わかった・・・・」
僕は言葉を返すと先を歩いていく東雲さんの後を追う。
嫌な予感がする、今日何度思っただろうか。もはや僕は予言者かなんかにでもなった方がいいんじゃないかって気分だった。




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氷桜夕雅
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昔は探偵やってました
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メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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