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───それから三時間後、流石硬派のカリスマというべきか天城さんの勘は当たっていた。
「しっかしまさか誰もこないとはな」
「そうですね、こんなにゆっくり賄いが食べれるとは思っても見なかったです」
客のいない店内でオレと五葉は二人カウンターに並んで、天城さんのつくった賄いであるハムカツサンドを食していた。
ちなみに天城さんの作るハムカツサンドは本当賄いとは思えないほど美味い、リチェルカーレのメニューにないのが不思議なくらいだ。
「今日は大体こんな感じだとは俺も思っていたが、ここまでとは対策を考えないといけないな」
オレたちと反対側、キッチン側でコーヒーを啜る天城さんが呟く。しかし一人も来ないという状況は天城さんも予想外だったらしい。そりゃ普段なら開店と同時に常連客がやってきてやれあのゲームはどうだとかあのアニメはどうだとか大体この賄いの時間までやっているんだからな。
「けどなんで今日はお客さんがこないってわかったんですか店長?」
「それなんだが二人ともこれを見てくれ、今日の新聞に折り込まれていたチラシだ」
五葉の問いに天城さんは一枚の妙にカラフルな色合いのチラシを差し出す。
「こ、これは・・・」
チラシを見て思わず自分の目を疑った。なんなんだこれは、なんで?ここで?
思わず驚愕したそれはパステルカラーな色合いで大きく書かれていた
───桜花町に新しくメイド喫茶『カンツォーナ』オープン!!
「新しいメイド喫茶ですか?」
「ああ、うちに来る客ってのはある種で流行に流されやすい。先週まで『魔法少女エリスは神アニメ!!』って言ってのが後期に入ってはすっかり忘れられて見向きもされていない、そのことからもわかるだろう?」
驚いた様子で尋ねる五葉に天城さんは解説を入れる。・・・だが例えが特殊すぎてオレには全くわからない、五葉は「なるほど、そうゆうわけですね!」と納得していたがな。
というかなんで桜花町なんだ?桜花町といえば中途半端な田舎町だ、その辺歩いていたら
畑仕事中の御婆ちゃんが「これお食べ」って干し柿くれるような長閑な田舎町。
都会ならいざ知らずスーパーだって町に一店舗しかないってのにメイド喫茶が二店舗もあるこの状況おかしすぎるだろ?
「しかし初日とはいえこうも影響力があるとは見過ごせないな、ここは一つ」
そう言って天城さんはオレの顔をじっと見る。あれ?これ嫌な予感ってやつじゃ・・・
「よし恭治!次の定休日『カンツォーナ』に行ってどんなサービスしているか見てこい!」
「えっ、あ・・・はい!」
思わず条件反射で答えていた。
流石にそう何度も動じていられない、とは言っても内心面倒なことになったとは思った。
硬派を目指すオレにメイド喫茶に行って来いっていうんだからな。
これはもう修行と考えるしかない、とりあえずそう考えておけばオレの中でとりあえず収まりはつくんだから
「しかしどこにあるんだ?メイド喫茶『カンツォーレ』ってのは」
天城さんの言うとおりオレはリチェルカーレの定休日である水曜日に桜花町駅前までやってきていた。平日の昼間ともあって人通りは大していない、そんななかオレはジャケットにジーンズという出で立ちで手に『カンツォーナ』のチラシ、もう片方の手には天城さんより託された諭吉様をもって右往左往していた。今回のオレへの指令は喫茶店『カンツォーナ』へ行って諭吉様を使い果たすほどのサービスを受けて来い、ということだ。ちなみに五葉と天城さんはリチェルカーレで新しいメニュー作りに勤しんでいる。
なにせメイド喫茶『カンツォーナ』がオープンしてから今日まで三日あったが、その間リチェルカーレにやってきた客はまさかの0人、オレが偵察してくるだけでは見過ごせない状況になっていたからだ。
「普通に考えたら桜花町にメイド喫茶なんてあればすぐわかるとおもうんだけどな」
チラシには『桜花町駅前にオープン』としか書かれていない、こうゆうときにリチェルカーレの常連客の奴らがいればすぐにわかるんだろうがなにせ『カンツォーナ』開店以来来ていない薄情者達なんで役に立ちはしない。さて、どうしたもんか
「ちょっと、そこのあんた!」
途方にくれていた矢先、後ろから声をかけられた。
「・・・と、思ったが気のせいか」
振り向いてみるがそこには誰もいな・・・
「下よ、下っ!!下を見なさい!!」
「あ、人がいた。」
声に従って視線を下げてみるとそこには小さな女の子がいた。
背の高さからいうと中学生、いや小学生くらいか?金髪を頭の上で二つに分けて束ねる、えっとなんだっけそうだツインテールな髪型にオレンジを基調としたミニスカートのメイド服はどこぞのアニメのキャラクターのようだ。
あれ?・・・メイド服ってことは
「もしかして君、『カンツォーナ』のメイドさん?」
「そうよ、休憩中だったから外に出てみたらなんかほらうちのチラシ持って挙動不審な男がいたから声かけてみたわけ」
「いやオレ全然挙動不審じゃないぞ、ただ店がわからなかっただけだよ」
「あら、そうかしら?私には『メイド喫茶に行こうか迷っている』挙動不審なオタクのように見えたけど?」
くすりとからかう様にツインテールなメイドさんは笑う、見た目が子供なわりには仕草は大人っぽく見える。
「そもそもオレはオタクじゃない、どちらかといえば硬派な人間だ」
「ふぅん、でもなんで硬派な人間がメイド喫茶に行こうとしてるの?」
「・・・それには海よりも深い訳があるんだよ、とりあえず店の場所を教えてくれよ」
人通りの少ない桜花町とはいえあんまり外でこんなヒラヒラなメイド服着た女の子と話していたくはない、下手すれば職務質問されても仕方ない状況だぞこれ
「店の場所ね、しょうがないから教えてあげるわよ同伴出勤でね」
そう言ってツインテールなメイドさんは指で「こっちこっち」と道を指し示しながら歩いていく。
「行くか・・・敵地『カンツォーナ』へ」
誰に語るでもなく呟くとオレは一息ついてそのツインテールのメイドさんの後を追った。
次回予告!!
テーレッテー!!
五葉「ついに現れた第一の刺客『カンツォーナ』!!作者さんが入力しにくいのは置いておいて、いよいよ始まる『リチェルカーレ』対『カンツォーナ』の生死をかけた戦いが・・・今始まる!!戦いの中次々と倒れていく仲間達・・・そのとき恭治さんは!!次回、メイド服とおまじない 第十話 抗争編その4!!『恭治、決死の覚悟・・・そして明かされる天神拳の秘密!!』にクオーキ、クオーキ、キワラケチっ!!」
アニメ化のさいの次回予告は五葉がやることにしよう、うんそうしよう
またなんか刻んでしまった夕雅です、別に毎回気になるところで次回!ってわけじゃないんです
ただただ私のモチベーションの問題だよ、実際はもう少し書いてあるよ、ついでにさっきのは嘘予告だよ
で、この間相方にこのメイド服とおまじないを見せたところ、一杯質問が帰ってきて嬉しかったんだけど
恭治が大学行ってないことの心配と天城さん関係しか質問がほとんど・・・・・
やばい、どうしても五葉ってヒロインとして印象が薄いんだな、元々別の話の脇役だっただけあるわ
でもそのときの五葉は「お姉さん系で裁縫が得意な女の子好きキャラ」だったんだよね
どっちにしてもこの抗争編、五葉の出番が当分ないです
・・・なのでもしかしたら途中で普段の恭治目線からの語りから五葉メインの語りに変わるかも
これはある意味正解のようである意味懸念でもあるところなんだよね・・・
追記
なんかブログの表示がおかしくなってたので直しました、カタカナが半角になったり文字化けしたりなんだったんだろう?
本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!
名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
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