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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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「クククッ、そう邪険にするなよ天城。お前は『リチェルカーレ』、そして俺は『カンツォーナ』同じメイド喫茶の店長・・・同業者じゃあないか」
雛形は含みがあるように笑うと乱暴に椅子を引っ張り出し腰を掛ける
「で、どうだよ売り上げのほうはよリチェルカーレの店長さんよ」
「お生憎様でカンツォーナさんがオープンしてから売り上げは0だ、まさかあんたに経営の才能があるとは思わなかったぜ」
言葉自体は落ち着いているが天城さんと雛形は睨み合っている。そもそも雛形って二、三日前に五葉に熱く語ったあの天城さんの武勇伝にでてきた不良だろ・・・なんでこんな奴が『カンツォーナ』の店長なんだ?
「そりゃまぁてめぇがこの桜花町でメイド喫茶をやりはじめた頃から目をつけてぶっ潰す準備をしてたんだからなぁ!!そしてぇ、俺の復讐劇はこれからなんだぜ!」
声を荒げ雛形はポケットから黒い折りたたみの携帯電話を取り出すとなにか操作をしだす。
「復讐だと?あんた十年以上も昔の話引きずっているのか」
「そうだよ天城仁・・・ッ!てめぇにとってはただの昔話に過ぎないだろうが、てめぇのせいであの日以来俺の人生は舐められっぱなしになっちまったんだよ!!俺はそれを断ち切るためにてめぇに復讐することに決めたんだよぉ!」
天城さんを見ることなく雛形は叫びながら操作を続ける、その指に掛かる力は異常なまでに強く憎しみが込められている。
「天城仁、てめぇの強さは充分わかっている。だったら・・・強い奴相手にするなら周りからってな、ほらよライブ映像だ!」
そう言うと雛形は天城さんに携帯電話を放り投げる。オレは天城さんに駆け寄りその画面を覗き込んで驚愕した
「・・・・っ!」
「こ、これは!」
小さな携帯の画面の中にいたのは見慣れた『リチェルカーレ』のメイド服の女性
椅子に縛られぐったりと力なく頭をたれているその女性は間違いなく音瀬五葉だった。
やはりオレの嫌な予感は当たっていた
「クククッ、なかなか一人で出歩かないからよ苦労したぜ。」
「くっ、ふざけるなよ!!」
頭に血が上る、っていうのはこうゆう時を言うんだろう
気が付いたらオレは雛形に詰め寄りその首根っこを掴み上げていた
「よくも五葉をッ!」
拳を振り上げる、だがその拳が振り下ろされるよりも先に天城さんが咄嗟にオレの腕を掴んでいた
「止めろ、恭治」
「で・・・でも」
「いいから止めろ恭治、止めないと俺がお前を殴るぞ」
骨が軋むんじゃないかってくらいの天城さんの握力にオレは仕方なく掴んでいた首根っこを離す。だがそれを雛形は面白そうに不気味笑顔を浮かべ挑発する。
「おおっと、殴ってもいいんだぜ?まぁ殴った瞬間この店を囲っている奴等から連絡がいってその携帯電話の画面でアダルトなショーが始まるんだがそれでいいのならな」
「くっ・・・!」
辺りを見渡すと窓の外には確かに数人柄の悪そうな奴等がこちらを見ている。
くそっ、こいつらどこまで用意周到なんだ
「クククッ!あいつからの預かりもんだもんなぁ、傷物にはできなよな天城仁」
「ふん・・・どこまで知っているのかは知らないが、あんたがここまで執念深いとは恐れいったぜ。それで要件はなんだ?俺を半殺しにでもしたいのか?」
天城さんの言葉に雛形はおどけてみせ、そして親指を地面に向って突き立てると
「おいおい、物騒なことを言うなよ。俺が欲しいのはこの店メイド喫茶『リチェルカーレ』だよ、この店を俺のものにしてお前を奴隷のように扱ってやるのさ。半殺しにするとかよりももっと恐ろしいものをみせてやるぜぇ」
大声で勝利の雄叫びともいえる笑い声をあげる。
『リチェルカーレ』は天城さんにとってもオレ、神楽坂恭治にとっても思い出深い場所だ
それをこんなやつに明け渡せと言うのか?
「だがまぁ、てめぇにとっても大事な店なわけだからなぁ・・・考える時間を与えてやるか。一時間猶予をやるよ、店の権利書共々を俺の店『カンツォーナ』に持ってこい、それと預かっているメイドを交換だ」
余裕の現われなのか雛形は椅子に乗ったまま右へ左へ体を大きく傾け
「ただし、持ってくるのは天城仁・・・お前じゃなくてそこの雑魚、お前だ」
ビシッとオレを指差した
「な、誰が雑魚だ!」
反射的に思わずオレは叫ぶ。そりゃまぁ天城さんに比べればそうかもしれないけど男として黙ってはいられない。
だが雛形はオレなんか相手にしないようで無視してそのまま話を続ける
「天城、お前はこの店から一歩もでるなよ・・・無論警察に連絡なんかしやがったらあの女はどうなるかはわからないからな」
「恭治に店の権利書を持たせて『カンツォーナ』に行かせればいいんだな」
天城さんはただ静かにそう答えた、その表情からはなにを考えているかわからない
「まぁ嫌なら持ってこなくてもいいぜ?メイド一人の人生で店乗っ取られるかどうかなんだからなぁ・・・クククッ。」
そう嫌味っぽく笑うと雛形は椅子から立ち上がる。
「俺からは以上だぜぇ。石渡、帰るぞ」
「・・・・・・押忍」
雛形と石渡、二人が店からでていくのをオレはただ黙って見送るしかなかった。
天城さんは雛形が座った椅子を片付けるとそのままカウンター席に腰掛け煙草に火をつける
「どうするんですか天城さん!まさか本当に『リチェルカーレ』を明け渡すつもりなのですか!」
「それしか方法はないだろう、悪いが恭治頼まれてくれるか?」
「構いませんけど、こんなのどうみたって罠ですよ」
オレの言葉に天城さんは背中を向けたままただ頷く
「いいか恭治、男には罠だと知っていても行かなければならないときがあるんだ。」
煙草を一吹かしして天城さんは振り返る
「恭治、お前だけが五葉を救えるってことを忘れるな」
「五葉を救えるのはオレだけ・・・」
そうだ、天城さんが動けない今五葉を助けることができるのはオレだけなんだ
握り締める拳に力が入る。覚悟を決めるしかない、罠なのをわかっていてそこに行くってことに不安がないわけじゃない、ただ硬派な男として『カンツォーナ』へ乗り込み五葉を救うそれだけだ
「わかりました天城さん、オレが五葉を救ってきます!」
 

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『14症候群』


ああ───なんて蒼い空なんだ。
最後の日、校舎の屋上でソラを見上げる。こんなに蒼いソラはあの戦いの日以来か
いや、その話は止めよう・・・話が長くなる。
「しかしこんな暑い日に外で運動とは大変なもんだな」
金網のフェンスから見える運動場では俺のクラスのやつらが走り回っていた
なんで俺は校舎の屋上でサボタージュってるかって?
そいつは俺こと北川真樹、真の名でいうと“影咲狼牙”に運動など必要ないからだ
別に体育が嫌いだとかそんなんじゃない、決してない
まぁこれはクラスの奴等には秘密だが俺がこの学校に来たのには目的がある・・・
「いつ見ても美しい」
クラスの凡人達の中に一目を惹く美しい女性が居る。背ほどある長く美しい髪に整った顔立ち、彼女の名前は東藤沙紀、俺が今守るべき者・・・組織では光の巫女と呼ばれている
本来なら組織が保護するべきなんだろうがあいにくと彼女はまだ力に目覚めてはいない、いきなり彼女を組織で保護したところ状況が飲み込めないだろうということでその力が目覚めるまで俺が監視することになったのだ
無論俺が組織の人間だっていうのは彼女には秘密だ、あまり近づくのもあれなんで一度たりとも喋ったりしていないが俺は常に彼女のことを気にしながら行動しているんだ
「やれやれ面倒な任務だぜ」
金網に凭れ掛かり天を仰いだ。
その時だった、普段開かない屋上への扉ががちゃりと重々しい音とともに開いた
普段開かないのは本来屋上への扉は鍵がかかっているからだ。俺?俺はそこの扉の鍵を用務員のおっさんのところからしばらく拝借しているから入れるんだ
「北川君!授業はどうしたの!?それに屋上へは立ち入り禁止だって言ったでしょう?」
妙に甲高い声で叫んだのはショートボブにやたらと胸元が開いた白いスーツ姿の女性、西田麻依・・・うちの担当でもあり───
「西田先生、いや・・・ノスフェル=ドクトル上層幹部、なんですかこんなところまで」
真の名で呼び合う、組織の人間の一人でもある。一応学校の中にはこうゆう風に協力者がいたりもする
その言葉にノスフェルはハッと気が付いたように
「学び舎でその名を呼ぶのは止めなさいといったはずです北川君」
「それでなにか御用ですか先生?」
「授業をサボって・・・いえ、そんなことはいいのです。組織に反乱分子がいることは以前にもお話しましたね?
彼ら───私達は彼らをアヴェンジャー呼称してますが彼らの行動が活発になってきています」
「知らねぇよ、そんないざこざは上層部のあんたらの仕事じゃないか。大体そんな奴等上層部なら他愛もないことだろうに」
ぶっきら棒に言葉を吐き捨てる、これ以上面倒事に巻き込まないでくれ
だがノスフェルは冷静に言葉を続ける
「その反乱分子アヴェンジャーの中にはSクラスの能力者がいます、と言ってもですか?」
「なっ、Sクラスだと・・・・っ!」
Sクラスというのは組織の中でも数人しかいない強力な力を持つ能力者のことだ、そんな中に裏切り者がいるっていうのか?
「Sクラスの能力者を止めることができるのは特Sクラスである貴方の力が必要なのです」
「おいおい・・・なんの冗談だ、俺はBクラスだぜ?」
「調べはついていますよ北川君、貴方はわざと自分の能力をBクラスに落して申告してますね。」
───やれやれ、気が付いてやがったか
俺は後ろ首を掻きながらノスフェルに背を向けグラウンドを見つめる。光の巫女は100m走のタイムキーパーをやっているようだ、やはり美しい
「で、どうするんだよ光の巫女は放っておくのかよ」
「それが厄介なことに彼等の目的はその光の巫女のようです、雑魚ならばAクラスの私でも対処できますが・・・・・聞いてますか?」
「聞いてるよノスフェル、Sクラスの能力者がでたら俺が対処するってことか。けど一体Sクラスの裏切り者は誰だ?」
Sクラスといったらあの戦いで前線に出てきた奴等だ、戦うとなったらこっちも本気を出さなくちゃならねぇ
「それを知る必要はありません、現れ次第速やかに排除お願いします。それでは私は職員会議がありますので」
そう言って戻っていくノスフェ・・・西田先生の方を振り向くことなく俺は深く溜息をついた
それとほぼ同じタイミングで授業の終わりを告げるチャイムが辺りに鳴り響いていた

反乱分子アヴェンジャーの動きがあったのは昼休みだった
各々がグループを組んで昼飯を楽しんでいる、そんな中俺は一人購買のパンを片手に教室からエスケープしようとしていた・・・・・・・・説明するまでもないが俺は別に一緒に食べる相手がいないというわけではない、元々一般人のクラスメイトと話があうわけがないのだ。もし話が合うとすれば光の巫女、東藤沙紀だけだ
が今彼女と接触するのはまずい
「えっ!なにこれぇ!!」
話がずれた、ようは突然変な声をあげた奴がいるんだよ。声を上げたのは東藤沙紀の友人のようだ、なにやらその手には便箋のようなものが握られている
「ねぇねぇこれ沙紀宛へのラブレターじゃないの?」
「ちょっと・・・声大きいって」
『ラブレター』・・・その言葉に俺の心臓が大きく波打った。いや、別にラブレターってところに反応したわけじゃなくて、なにか呪術式トラップじゃないと読んだからだ・・・・まさか奴等の仕業か!?
「これ読んじゃってもいいよね?沙紀」
「え、ダメだよ。送ってくれた人教室にいるかもしれないし」
「えー大丈夫だよ、あけちゃおー♪」
「あっ、ちょっとぉ!」
そういって東藤沙紀の友人はラブレターを開封しだす。くっ、本来ならば能力を使ってラブレターなんぞ破棄してやるんだがここは教室、皆に俺の能力を晒すわけにはいかない。俺に今できるのは教室の出入り口のところでヤキモキすることだけっ!!
「えーなになに『愛しの東藤沙紀さんへ』だってぇ、マジウケルんですけど」
「もうちょっと止めなって、書いた人が可哀想だって」
ちょっと笑いながらラブレターを読む友人を止めに入る光の巫女、しかし本当に止めて欲しいのか光の巫女
全然止める気ない感じじゃないか
「んーじゃまぁ最後だけ『どうか僕と付き合ってください、今日の夕方・・・』えーと場所が書いてあるね。やるねぇ沙紀ちゃん、でも名前書いてないねぇ」
「きっと恥ずかしいんだよ」
呪術式のトラップではなかったか。しかし俺が安堵の溜息をつこうとした矢先また沙紀の友人がとんでもないことを言い出した
「これを書いたの誰よー♪告るんならはっきり名前名乗りなさいよー♪」
その言葉にただでさえ煩いクラスが一層煩くなる。誰が書いたとかそんな低レベルなことで騒ぎ出すとはね
───やれやれ、暇なやつらだ
そりゃ光の巫女は美人だ、モテルだろう・・・少し気になるがラブレターを出した奴は哀れなものだ
彼女は光の巫女、一般人とは釣り合うわけがないのだ
相手にされない、相手にされない、相手にされない・・・・よし心の中で三回言ったんだ相手にされない、はずだ
「けど一体誰がラブレターなんて入れたんだろう?体育の前には入ってなかったのに」
不思議そうに首を傾げる沙紀にクラスメイトの一人が言う
「あれじゃね?体育の時間、北川がさぼってたじゃんよ、あいつが書いたんじゃね?」
「・・・・あ?」
クラス中の視線が俺に集中する───
「そういやラブレターが見つかったとき、真っ先に教室からでようとしてたもんな」
クラスメイトの一人がそんなことまで言い出してますます教室は盛り上がりを見せる。
だが、少なくとも書いたのは俺ではないのだ・・・そんなことをする勇気があるならとっくにやって、違う!
俺の存在を彼女には隠しておかなければならないからそんなことをするはずがないのだ
まして恋仲などありえません!!
「くっ、まさかアヴェンジャーの奴等・・・俺がみんなの前で能力を使えない事をいいことに攻撃を仕掛けてきたか。こうやって周りを洗脳し、俺に精神的攻撃を仕掛けてくるとはやるな」
誰にも聞こえないほどの小声で呟く、だが能力の使えないこの状況どう打開する?
「あー北川君かぁ、私はパスだなぁなんか変わってるし・・・沙紀はどうなのよ」
「え、そうだなぁでも私、北川君のこと全然知らないのよね」
『・・・だからこそ付き合ってみたいのよね』
そう俺には聞こえた、いや間違いなく聞こえた、聞こえてなかったとしても心の中でそうおもってたはずだ
だが許してくれ光の巫女よ、今は任務の身・・・その気持ちに答えれるのは───
「で、どうなんだよ北川!!」
クラスの不良のバカでかい声で意識が引き戻される、まったくいい迷惑だ
「どうもこうもない、僕は無関係だ」
「それはどうかな影咲狼牙」
「なにっ・・・?」
俺の言葉に反応するように教室の後ろのほうから声がする。
「君と光の巫女が無関係とは思えないね」
「南風章・・・っ!そのことは言っていけないはずだ!」
俺は叫ぶ。詰襟をきっちりしめた制服の男、南風章、真の名ガルファードは俺と同じ組織の一員だったはずだ・・・しかしなぜ光の巫女のことを言い出す?
「えっ?なに光の巫女って?」
「ククク、『なぜ光の巫女のことを本人に言う?』って顔だな」
困惑顔の沙紀に笑うのを堪えるかのように南風は続ける
「影咲狼牙は光の巫女の監視役としてこの学校に来ているんだよ、光の巫女の能力が目覚めるまで!」
「まさか南風、お前・・・!」
握った拳に力が入る。信じたくはないがここまで秘密にしたことをばらすってことは
「ガルファード、お前がアヴェンジャーになったSクラスの能力者なんだな」
「そうだ、狼牙・・・しかしいくら特Sクラスの貴様でもここで能力を使うわけにはいくまい!」
まさかガルファードが相手とはな、ガルファードはあの時の戦いのとき同じチームを組んで戦った仲間だ
強敵には間違いない、これはこっちも本気を出さなければやられるッ!
「そういえば沙紀、次の時間移動教室じゃなかった?」
「うん、音楽の時間だね。そろそろ行こう」
「あー次、音楽かー宿題あるんだよなぁ」
ガルファードとのにらみ合いが続く中クラスメイト達は口々に教室を出て行く、これから特SクラスとSクラスの戦いが始まるんだ教室から出るのは当然だ
それを見て俺はニヤリとほくそ笑んだ
「フッ、どうやら勝利の女神はこっちにあるようだぜガルファード」
「このガルファード、初めからこうなることは予測済みだ。アヴェンジャーの指示とはいえクラスメイトを人質に取るなどという卑怯なやり方は俺の流儀に反するのでな」
「あのときの戦いから変わってないな、ガルファード!」
「お前は変わりすぎたんだ狼牙、いくぞッ!!」
・・・二人の戦いは始まったばかりだ!!

                                                    おわり

氷桜夕雅先生の次回作にご期待ください!!


「反世間運動」


僕はこの図書館の管理者としての能力を与えられている、しかしこの天空にある巨大な図書館に“通常”誰かが来ることはない。
別に僕はどうとも思ってはいない
多分図書館と言う名がいけないんだと僕は思う、明確なことを言えばここは『知識の肥溜め』・・・下の人の記憶
を淡々と溜めておく場所、誰かが来るなんてことはないんだから
「そう寂しがっていると思って来てみた!!」
なにもないところから突如として声がした、別にこれはこの辺じゃ良くあることだから一々驚かないけど時々止めて欲しいとは思ったりもする。
図書館の受付に座る僕の目の前に光り輝く白い女性が現れる、最近よく来る“お客さん”だ
女性と称したのはお客さんだからであって正直なところ見た目は小さな子供に過ぎない
「別に僕は寂しがってなんていませんよ、ここに座って管理するのが僕の存在意義ですから」
「聞いて!聞いて!最近私のことを糞神だとか糞神とか糞神とか糞神とか言う人が一杯いるの!」
「同じこと言われたなら一回で良いですよ、とりあえず糞神って言われたんですね」
「うん!!」
白く輝く少女は大きく頷く
「だから“さようなら”したの!」
「はいはい、それは凄いですね」
何も書かれていない貸出票をペラペラ捲りながら適当に相槌を打っておく、まともに相手するのは面倒だ
「それでね、それでね、なんか最近みんな『えきょろじゅー』ってのにはまってるの」
最近覚えた言葉だな、まだ言葉がしっかりと形成されてないのがその証拠だ
「『エコロジー』ってやつですね、最近文献を読みました。いいんじゃないですか大海に砂糖を撒く行為、嫌いじゃないですよ」
「なんでなんで?欲望に忠実のほうがましだよ、個々の存在が幸福であるのが一番でしょ?自分の居ない未来のためになにかする必要があるの?」
「したいからやってるんでしょう?」
僕の言葉に少女は首を横に振る
「みんなが周りが言ってるからやってるだけ、本当は自己の欲求を満たすだけ『えきょろじゅー』したよ、って言いたいだけ」
「『エコロジー』ですって。けど別にいいじゃないですかやりたいようにやらせれば・・・なにをそこまで固執するんですか?」
「偽善だから、未来のために未来のために言ってるだけで本当は今の自分の保身でしかない」
少女は両手をブンブン振りながら続ける
「『えきょかー』ってなに?そんな車をつくるくらいなら車に乗らなければ良いのに」
「そりゃまぁ移動手段として便利ですからね車って奴は、乗らないってわけにはいかないでしょ」
「『みゃい箸』って一緒に食べる人に『僕はえきょろじゅーだよ』って誇示しているだけ、あんた一人分の割り箸がなくなったところでなんにも世界は変わらないってーの!」
「随分と狭いところを言いますね、でも小さいことからコツコツとが性分な方々ですからいいんじゃないですか」
「今更そんなんじゃ間に合わないっていうの!!!えきょとかそう言えばモテるとでも思ってるんじゃないの?地球のこと考えてる?地球のこと考えてる?募金の何パーセントが本当に寄付されていると思ってる?何パーセント?100パーセントじゃないの?本当に貧しい人は救われてるの?ねぇねぇ?」
「ああ、貴女がそこまで事細かに下の人間のことを考えているとは思いませんでしたよ、そもそも救われているかどうかは貴女が一番知ってることでしょうに」
僕は降参とばかりにオーバーに両手を上げて答える
「でも今更なんなんですか?今に始まったことではないでしょう、その愚行」
「んー私も『えきょろじゅー』しようと思ったから、ちゃんと『えきょろじゅー』してない人を消したら一番の『えきょろじゅー』だよね」
「まぁ確かに」
「『えきょろじゅー』やってる感を出してる人なんかも消したらいいよね、目障りだもんね」
「それは知りませんよ、別に僕は見てませんから」
「見てるとムカムカするよー、後でやっぱり消しとけばよかったーとか思うよ?」
「なんだったら全部“さようなら”しちゃえばいいじゃないですか、貴女なら造作もないことでしょ?」
その言葉にピクリと少女を動きを止める。そして今までとは打って変わった冷たい口調で呟いた
「───そうしたら貴方の仕事がなくなるでしょ?そうしたら貴方も消さなきゃいけなくなる」
「ああ───そりゃそうだな」
僕は納得して頷き、そして溜息混じりに天を仰いだ



また下手糞な絵を描いてしまった・・・・・・三葉だけ描くつもりだったんで五葉が適当なのは仕様!
つか全部ダメだけどな、誰か清書してくれ清書って段階じゃないけどな
しかしながら微妙にキャラクターに変更があったのでおしらせ

☆音瀬五葉(おとせ いつは) 

・髪型がポニーテールっぽかったんだけど実際のモデルを見た友達に
「これ後ろ髪お下げにして前に持ってきてるだけじゃね?」的なことを言われて初めてその事実に気が付く
そんなわけでポニーテールっぽかったのはなしだぜ

・あと年齢が19歳になりました、まぁ時間系列的にすぐに20歳になりますので(・ε・)キニシナイ!!

 五葉プロフィール(暫定的なもんで変更の恐れあり

年齢:19歳
誕生日:11月27日
星座:射手座
身長:162cm
3サイズ;85・52・85
趣味:ぬいぐるみ集め(ぺんぎんのみ)
特技:手品

☆音瀬四葉(おとせ よつば)

・平手打ちしたら戦闘力が向上するなんてネタはやめた。始めこそツンデレツンデレなキャラだったけど
例によってツンデレもどきになったわけで見た目以外は結構お姉さんしてる感じ

 四葉プロフィール

年齢:22歳
誕生日:4月10日
星座:牡羊座
身長:142cm
3サイズ:63:50:62
趣味:料理 
特技:利き酒



☆音瀬三葉(おとせ みつは)

・ゴスロリとローブで迷った挙句、過去はゴスロリ着てて今はローブ・・・・そんな良いところ取りのキャラにした
メガネキャラにもしようと当初は思ってたが変わった奴にしたかったので何故かオペラグラスに普通のメガネ
レンズをつけて必要なときだけそれを使う
・看護士って書いたけど実際は元看護士、今ニートみたいな・・・
・おっとり+毒舌は変わりません、五葉はおっとりというより天然だからかぶらないはず・・・わからないけど

 三葉プロフィール

年齢24歳
誕生日:6月17日
星座:双子座
身長:163cm
3サイズ:92:57:87
趣味:なし
特技:なし

恭治や天城さんはまた今度・・・さぁてあさっての面接にそなえて履歴書書くか


「流石にそろそろ限界だ、会計を頼む・・・」
少し朦朧とした意識でそう告げたときにはもう既に入店してから2時間経っていた。
そんなに飲むつもりはなかったんだがそれでも気が付いたら4、5杯は飲んでしまってそろそろ終いにしないと色んなものがリバースしそうだ。
「なぁにぉ言ってるんですか神楽坂殿ぉ!会計は私にお任せあれと言ったですぞぉ!」
「そうらしいですよぉ」
陸奥とミントは楽しそうに体を揺らしている、仲良いなこいつら
「いや流石に自分で飲んだ分は払うさ、頼む四葉」
「わかったわ、ちょっと待って」
そういうと四葉は手に持った梅酒のロックを一気飲みする。
「やっぱり美味しいっ、よし!それじゃ御主人様行きましょうか」
四葉はソファからぴょんと飛び立つと会計の伝票を持って歩き出す
こいつはこいつで一番飲んでいた癖に全くの素面で酔う気配が一切なかったな
「神楽坂殿ぉ~また飲みましょうですぞー♪」
「ばぁいばぁいですぅ」
「あ、ああ・・・お前らも飲みすぎるなよ、今更遅いとは思うが」
手を大振りする陸奥とミントに軽く手を上げて答えるとオレは四葉の後を追う
「ふぅ、やっと開放される」
「あら?後半は随分と楽しんでいるように私には見えましたけど?」
「そ、そうかぁ?」
ぶっちゃけると後半は記憶が曖昧なんだよな、でも確かに楽しかった気はする。
久しぶりにこうやって誰かと一緒に酒を飲んだってことが楽しかったのかそれとも───
「いい友達を持ったわね、大切にしなさいよ御主人様」
長いツインテールを揺らして振り向くと屈託のない笑顔を四葉は見せる、その言葉になにかが一瞬繋がったような気がしたが、すぐにわからなくなった。
友達・・・か、別に陸奥とは友達でもなんでもないんだがな
「どうしたの御主人様?」
「なんでもない、会計をしてくれ」
オレは少しぶっきらぼうに言葉を吐く。自分でもなんでこんな風に言ってしまったのかよくわからなかった。
「はいはい、少々お待ちくださいな御主人様」
四葉はとくに気にする様子もなくレジの前に立つ、来たときにいた石渡はその場にいなかった。
「ええっとぉ、指名料が2000円でしょ、スペシャルメニューが3000円にウーロンハイが4杯でぇ・・・」
結構取るんだなこの店、四葉が伝票を読み上げていく中財布の中身を見ながらしみじみと思う。大体なんだよ指名料って別に指名した覚えはないんだがかなり阿漕な商売しているなカンツォーナは
「お支払いはしめて9800円になりますね、御主人様」
「さようならだな諭吉さん」
天城さんからもらっている1万円を差し出す。
「はい、それじゃ200円のお釣りね。」
「どうも」
「今日は楽しかったわ、御主人様をいじると反応面白いしまた来てよね」
「まぁ、気が向いたらな」
一応返事だけはしておく、ぶっちゃけ二度と来ることはないだろうが社交辞令だな
こうして笑顔で手を振る四葉に見送られてオレはメイド喫茶『カンツォーナ』を後にした。

「もう夕方か・・・」
日も暮れてきた桜花町の通りを歩きながらオレは考える。
高い授業料を払って喫茶店『カンツォーナ』で様々なサービスを受けてきたわけだが『リチェルカーレ』が対抗できる部分ってのがない気がする。
まぁ天城さんのことだそこはなんか策を講じるだろうからオレが気にしなくてもいいかもしれないな
そんな風に考えながらちょうど大通りの交差点にさしかかったときだった。
ぶわっと強い風が吹きオレの目の前で大量の紙が舞う───
「な、なんだ?チラシ・・・か?」
まるで花吹雪の如く舞い落ちる紙の一枚を拾い上げる。
そこには・・・

『メイド喫茶リチェルカーレ 明日よりスペシャルメニュー『煉獄の炎に抱かれし天使』が登場します!!
煉獄のように真っ赤なイチゴソースのケーキです、とっても美味しいですよヽ(´ー`)ノウマーイ
更にこのメニューを注文するとなんと特別にメイドさんがおまじないしてくれますΣr(‘Д‘n)マァ
限定商品になりますので数がなくなり次第終了します(つд∩)ゴメンネ』

手のひらサイズのチラシには可愛らしい字でそう書かれていた。
「これ・・・『リチェルカーレ』のチラシか、五葉が作ったのか?」
手書き故、チラシとしてはあれだがそれでも五葉の一生懸命さが物凄く伝わってくる。
「あいつ、なんにもしてないように見えてしっかり店のこと考えているな」
思わず感心してしまう、だがそれと同時に疑問も沸いてくる。
「だけどなんでチラシがこんなところに?」
受け取った奴が捨てたっていうにはあまりにも枚数が多いし、近くにはチラシを入れるためのプラスチック製の小さな手提げカゴも転がっている。
なにか嫌な予感がする、オレの嫌な予感は本当に当たるから困る
大体チラシだけがここにあるってことが物凄く変だ、五葉が一生懸命つくった自分のチラシをこのままにして帰ったりするか?いやしないだろう
「タバコ屋のお婆さんに聞いてみるか」
交差点の角に昔からある対面販売のタバコ屋がある、もしかしたらそこのお婆さんが五葉を見ているかもしれない。
オレは焦る気持ちを抑えてタバコ屋へ向かう
「お婆さん、ちょっといい?」
「はいはい、おや恭治君じゃないかい久しぶりだねぇおつかいかい?」
ガラスの向こう側で赤いちゃんちゃんこを着た皺くちゃ顔のお婆さんが笑う。そう言えば小さい頃よく御使いでここに来てたっけ
「いや御使いじゃなくてちょっと聞きたいことがあるんだ」
「はいはい、セブンスター1カートンね」
「ちょっと待った!頼んでない、頼んでないよお婆さん!」
奥の棚を探しだそうとするお婆さんを呼び止める。思い出した、このお婆さんときどき耳が
遠いんだよ、しかも狙ったかのように肝心なことを聞き間違えたりする。
「買い物じゃないのかい?」
「そう、ちょうどそこの角でメイドさんがチラシ配ってなかったか聞きたいんだ」
「は?冥土にはまだまだ行く気はありませんよ、わしゃ」
「その冥土じゃなくて、あーメイドさんって言ってもわからないか。ええっとじゃ女中さん、なんかヒラヒラしたエプロンをした女の子いなかった?」
オレの言葉のなにかに反応したかのわからないがお婆さんの目がカッと見開く
「おおおっ!あのめんこい女の子ならさっき車が通りかかってそれに乗って行ってたよ」
「なっ・・・!」
オレの不安を煽るかのように更に風が吹く、オレの背後で五葉のチラシが舞い上がる。
「おやおや恭治君どうしたのかのぉ?」
既にお婆さんの言葉は耳に入っていなかった。車に乗っていった?五葉が本当に自
分から乗って行ったっていうんだったら大量のチラシがここに捨てられているのは何故だ?
そんなことテレビの名探偵じゃなくたってすぐわかることだった
「天城さんに知らせないと!!」
チラシを握り締め、なりふり構わずオレは走り出した。
一体なんでどうしてこんなことになってやがる・・・っ!
細い路地を一気に駆け抜けながら考えを巡らすが何一つ思い浮かぶ節がない
いや・・・思い浮かぶも何もオレは音瀬五葉のことを何一つ知りはしないじゃないか
本当に五葉との関係はあれでベストだったのだろうか?
「くそっ、考えても仕方ないっ!」
喫茶店『リチェルカーレ』が見えてくる、不安を振り払うように首を振ると息を切らしながらオレは茨のアーチを潜り店へと入る。
「天城さん、大変です!」
「あ?恭治か、どうした騒々しい」
カウンターの椅子に座っていた天城さんが怪訝そうに振り返る、オレはそんなことも気にせず駆け寄る。
「あ、あの大変なんですよ五葉が・・・っ!!」
「ああ・・・そうらしいな。だがお前はとりあえず落ち着け、後は奴等に聞いてみるさ」
オレの言葉を遮り天城さんはオレの肩にポンと手をやり立ち上がる。
奴等?奴等ってなんだ?
だがすぐその答えはわかった───
「久しぶりじゃないか、天城仁!」
「えっ?」
その言葉に思わず振り返る、いつの間にかそこには二人の男が立っていた。
「あ・・・あいつは確か『カンツォーナ』にいた石渡!」
「・・・・・・。」
一人はオレがさっきまで行ってたメイド喫茶『カンツォーナ』でレジに居た大男、石渡
オレの言葉にも石渡はじっと黙ったまま微動だにしない
そしてもう一人は言葉を発した本人、どこぞの世紀末を思わせるモヒカンな髪型と時代外れといわんばかりの特攻服を着たその男を前に天城さんはグラサンを外し眼光鋭く言い放った
「誰かと思ったら元総番の雛形先輩じゃあないですか、あいにくと今日は定休日でしてね、なんの御用ですかね?」

プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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