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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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「番号札E128番でお待ちのお客様、お待たせいたしましたカウンター1番へどうぞ」
「ふぅ、やっと呼ばれたか」
美人の店員さんの声が響く。いやはやこのお姉さんの声がまさに救いの天使に聞こえるぜ
まさかここまで五葉がミラージュ田中について熱く語るとは思っても見なかったからな
しかしオレもよく天城さんの武勇伝を五葉に熱く語っている手前なんともいえない
「呼ばれたし早く行こうぜ」
「あ、はい!いよいよミラージュ田中モデルが手に入るんだぁ・・・」
「ほいほい、止まってないで歩く」
幸せそうにぼけっとしている五葉の背中をぐいぐいと押してカウンター前の椅子に座らせるとオレもすぐ隣の席へと腰掛ける
ほどなくして髪が長く首元に鮮やかなオレンジ色のスカーフを巻いた店員さんがやってきた
「いらっしゃいませ、本日担当させていただきます円月凛(まどかづき りん)と言います。本日ご用件はどうなされましたか」
「えっと新規契約でお願いします!!」
「新規契約ですね、機種のほうは・・・」
「ミラージュ田中モデルでお願いします!!」
息巻いて答える五葉を他所にオレは淡々とカタログのページをめくる、円月さんは「少々お待ちください」と軽くお辞儀をしてその場を離れた後すぐにその手に小さな白い箱をもって
オレ達の前に戻ってきた
「こちらが984TGミラージュ田中モデルですね、プランのほうはいかがなさいますか?」
「ぷ、プラン?ええっとその・・・」
しかしながら全くここいらの文明の発展ってのは凄いものがあるな、オレが持っていた頃じゃ考えられないワンセグやらタッチパネルだとかが当たり前のように搭載されているんだものな
「神楽坂さん!」
「え、あ・・・なんだよ?」
オレの腕の袖をギュッと掴む五葉に思わずちょっと惚けていた意識が戻される
「私機種しか考えてなかったんですけどプランってどうしたらいいんですか?」
「プランっていや、まぁ五葉がどれくらい使う予定とかさそこから加味して受付の人が一番良い奴を薦めてくれると思うけど」
「そうなんですか?・・・うーん」
オレの答えが明確でなかったせいか少し困った風に首を捻る五葉。しかしオレに携帯電話のプランのことを聞かれてもそこまで詳しくもないしな、オレなんかよりも受付のお姉さんに聞いてもらった方が───
「でしたらカップル割なんていかがでしょう?こちらなら今ですと基本使用料が半額になりますしお互いのメールは24時間無料となってましてとてもお得になっていますよ」
「それいいですね、それじゃそれでお願いしようかな」
「いやいやちょっと待て五葉!意味わかっているのか?」
のほほんとしている五葉に思わず前のめりになってツッコミを入れる。いやだってあれだろ
カップル割ってのは文字通りカップルが入るもんであってだな
「意味って私でも基本使用料くらいはわかりますよぉ」
「ツッコムとこそこじゃねぇ・・・ええい、店員さん悪いがオレは携帯持ってないからそのカップル割ってのは」
完全に的の外れたこと言っている五葉は置いておいて円月さんに携帯電話を持っていないことを告げる
・・・が、円月さんの回答は思っていたものとは違った。
円月さんはオレの言葉に少し演技が入った感じに考えこんだ後グッと親指を突き立てる
「大丈夫ですよ、今ならキャンペーン中で新規にカップル割に入られると一台分の機種代が無料になるんです!!」
そしてそれに何故か通販番組のエキストラの如く神速な反応を見せる五葉
「えええっ!それって凄いですね!神楽坂さん、これを機に買っちゃいましょう」
「いやいやちょっと待てって」
そんなオレの意見を無視しまるでどこかで打ち合わせをしたかと思うが如く円月さんと五葉はノリノリな感じで・・・
「それじゃ早速こちらにご記入くださいませ」
「わかりましたぁ♪神楽坂さんの分も私が書いちゃいますね、字を書くの得意なんですよ」
「・・・いやだから待てって」
字書くのが得意とかどうでもいんだって言うオレの抵抗の声は結局フロアに響くだけで・・・・

「ありがとうございました、またのご利用おまちしております」
「・・・はぁ」
円月さんの声を背中に聞きながらオレ達は店の外に出た。
溜息をつくオレの手にはちゃっかりと真新しいメタリックブラックの携帯電話を握られている
うん、結局断るとかいう隙を与えては貰えなかった。
「えへへ、お揃いですね神楽坂さん」
でもまぁ嬉しそうにオレと同じ色のメタリックブラックの携帯電話を握り締めている五葉の姿を見るとどうも許してしまうオレがいるんだな。まぁお揃いと言ってもオレのは五葉と同じ984TGでもミラージュ田中モデルではないから正確には違うんだが、これもまぁどうでもいいだろう硬派な男はそんなことを一々気にはしないもののはず
「まぁ買出しのときに急に必要なものあったりすると連絡取れて楽だしいいか」
とりあえずの納得、正直使い道がこのあたりしか思いつかなかったのは内緒だ
「あ・・・これからどうします神楽坂さん?今日は私に付き合って頂いたのでどこかへ行かれるのならお供しますよ♪」
「そんな大したことしてないけど、そうだなぁ」
御機嫌な様子で五葉が見上げるのをなんとなく顔を背け考える。
しかしまぁ・・・いや、思ったほど考えるまでもなかったな、そもそも今日行くって自分でも言ってたじゃないか
「大学・・・桜陵大学で復学届けの申請に行こうと思うんだが行くか?」
「大学ですか、はい!お供いたします」
わかってはいたんだがなんだか五葉が付いてきてくれるって事が妙に気持ちを落ち着かせてくれた。一人であの場所へ行くのを避けていた自分が居たことをまじまじとここで思い知った気がする
「それじゃ行こうか」
「はいっ!」
そう語りながらオレ達は桜花駅へ向って歩きだす、といっても駅はこの店からほぼ目と鼻の先ほどの距離しかない、ほどなくして古臭い感じの切符販売機にたどり着く
「まぁあんまり楽しいところじゃないぜ」
硬貨を投入し、ボタンを押しながら思わずそんな風に呟いていた
「そんなことないですよ私大学行っていないので一度大学のキャンパスライフってのを見てみたかったんです、えっと桜陵大学って三駅隣りですよね楽しみです」
だが意に介さず五葉はオレの横に並び販売機のボタンを押すと微笑みを見せる。ああ、キャンパスライフか・・・そうだな五葉ならその想像するキャンパスライフを楽しめるに違いないな
オレはあえて五葉の言葉に返事をせずに切符を改札に通すと直ぐ目の前の広がるホールの一角にあるベンチにどっしりと腰掛ける
「ふぅ、しかし本当久しぶりにだな大学に行くのは」
そう少し溜息交じりに呟いたのとほぼ同じくらいで手に持っていた携帯電話がプリセットされた機械音と共に震えだした
「まだ誰にも番号教えてないのに鳴るって、ああ───」
考え付くのは一つしかない、理解して顔を上げて振り返ると口元を指で押さえる五葉の姿が目に入った。五葉はオレが気が付いたのを確認すると自分の携帯電話を指でチョンチョンと指差す
なるほど携帯を見ろってことか
オレは納得し携帯電話を開くとそこには「新着メールが一件あります」の文字が躍っていた
言われるがままに携帯電話を操作するとメールの本文が画面に表示される
『件名:五葉です、送信テストと恭治さんに質問です♪』
『恭治さんは大学ではなんの学科を選考されてたんですか?』
オレがその文を読み終わるくらいには五葉はオレの隣にちょこんと座っていた
口で説明すればすぐ終わる話なんだろうがわざわざメールで送ってきたんだ、メールで返してやるのが道理ってもんだろう。オレは使い慣れない携帯電話の画面と睨めっこしながら返信のメールを作るとそれを送信する
ほどなくして隣に座る五葉の携帯がオレのとは違う機械音と共に鳴り出した、当然っちゃ当然だ・・・そしてオレが送ったメールは
『件名:RE:五葉です、送信テストと恭治さんに質問です♪』
『ちゃんと届いてるぜ。俺の所属は郷土研究学科だよ』
とまぁ、当たり障りのない文章だ。だがそれでも五葉は嬉しそうな表情を浮かべるとまた自分の携帯電話のボタンを操作しだす
『件名:RE:RE:五葉です、送信テストと恭治さんに質問です♪』
そんな感じでオレと五葉、二人しかいないホームに鳴り響く機械音、それは少し楽しいようで少し寂しくそれでいてどこか懐かしく・・・そして思い出したくない“思い出”を呼び起こしていくのだった



次回予告!!



じゃーじゃーじゃじゃー♪
じゃーじゃーじゃー♪



五葉「楽しいはずなのにどこかいつもと違う神楽坂さん、神楽坂さんの過去になにが?そんな感じで次回メイド服とおまじない第二十話 黎明編その4 『闇の思い出』にクオーキクオーキキワレケチですよ、御主人様♪」


あーあーあーとりあえず黎明編の書きたいことその1「携帯メールだけの会話」が書けたわ、満足だわな私です

ここで注目はメールだといつも「神楽坂さん」な五葉が「恭治さん」ってなってるのと恭治がいつもの「オレ」じゃなくて「俺」になってるとこ・・・うん、演出ってだけで本編には関係ないけどね

しかし本当は電車内でこれをやる予定だったんだけど流石にね誰もいないからって電車の中で携帯電話はなんかまずいでしょうとへっぴり腰でやめてしまいました、てへ
演出よりも常識です

さてここから恭治の過去編に入るので暗いですー落ち込みますー、ついでにようやくお待たせなデトノベからの死者(誤字にあらず)国枝実が登場する、予定です・・・予定は未定よ!!


そうそう店員の円月凛ちゃんはそのうちデトノベで出そうと息巻いてたけどなんかそのまんまなキャラです
「円月輪って呼ぶな!」
じゃセルリアンとキャラ被るんじゃよ、全く思い切ったキャラ性の変更が必要ですな!
詳しくは妄想全開すーぱーゆうがばとるを見ればわかります、でもその通りにするかどうかは今はわかりません
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無題
恭治と五葉
ラブラブだなww
会話からわざとメールへって流れが、青春すぎる。
桜井 2010/07/22(Thu)20:39:57 編集
無題
私の青春時代には携帯電話などなかったのだ
ただ女の子から家に電話が掛かってきて母君と妹君に
ニヤニヤされたのだけは良く覚えている

そんなことはいい、そりゃもうラブラブですよ・・・恭治と五葉♪
このシーンが書きたくてしょうがなかったんです私、大好きなシーンです
ひおうゆうが 2010/07/22(Thu)22:13:47 編集
無題
> 私の青春時代には携帯電話などなかったのだ
いやいや、同い年だし!w分かるよ!
僕が携帯買ったの成人式直前だ。
しかし、女から自宅に電話が掛って来た事など一度も無し。南無。
桜井 2010/07/23(Fri)20:42:57 編集
無題
成人式前って結構遅いなぁ、私は高校入ったくらいには持ってたよ

子機を持って押し入れでよく電話してたわー昼の放送作るのじゃまされたり・・・そうそう掛けてきたのリコーダー部の人さ(何故かバラす
ゆうが 2010/07/23(Fri)21:14:11 編集
プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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