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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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『硬派』

なんて素晴らしい言葉だろう、オレはこの言葉を作った人にノーベル賞を与えたい。
正直何賞になるのかはわからないが
「次の停車駅は終点、桜花町、桜花町」
場内アナウンスが流れ電車が揺れる。電車から見る景色は一年前オレこと神楽坂恭治が
修行の旅に出たときと変わりない、一面に田んぼが広がり実に田舎な風景だ。
「・・・けど嫌いじゃないねオレは」
斜に構えて景色を眺める、この一年間の修行で『硬派な男』に生まれ変わったオレには人目に殺風景な景色にも情景を見出せる。
やるなオレ、流石大学に休学届けを出してまで修行に行っただけはある。
そんなことを考えているうちに窓の外の景色は緑色鮮やかな田んぼからゆっくりと灰色で人工的な駅のホームへと移り変わっていき、場内アナウンスが流れる。
「本日は桜花線をご利用いただきありがとうございます。終点桜花町、桜花町でございます。お忘れ物のないよう・・・」
桜花町、オレの生まれ故郷。先程から言うように田舎町だ、ただまぁ都市部と桜花町を繋ぐ桜花線・・・これができてからは駅前はそれなりに都会っぽくはなってきている。
しかし結局のところ駅前からちょっと行けば森や山しかなくはっきり言えば都会ぶった田舎町だ。

「それでも自動改札機なだけちょっとは都会になっているか」
切符を改札に通し漠然とそんなことを考える。田舎といえば下手すりゃ無人な駅だってあるくらいだそれに比べれば都会、実に都会だ。
うむ、我ながら実に寛容な精神を身につけたもんだ。
「とりあえずまずは師匠に挨拶、だな」
師匠というのは俺の大先輩であり、憧れであり、人は硬派のカリスマ天城仁と呼ぶ御方だ。
なにせこの町唯一の高校、桜花高校で一年生にして総番を任され二年で県内、三年で全国制覇を成し遂げた伝説の持ち主だ。
そして伝説を成し遂げた後、今はこの町で喫茶店「リチェルカーレ」を開いている。
これがまた物凄く雰囲気の良い店で渋い大人の喫茶店 という言葉がよく似合う店だ
オレはこの歩く伝説天城仁さんに憧れ「リチェルカーレ」に半年通いつめようやく弟子入りすることができたのだ。
「まぁ行ってすぐに一年も旅に出ることになるとは思わなかったな」
駅前を歩きながら思い返す。
この一年間の修行の旅は元々天城さんに言われて始めたものだ

『俺のようになりたければ一年間旅して男を磨いて来い!』

一年前のオレは正直その言葉に軽い反感を抱いていた、そりゃ弟子にしてもらえたと思った矢先に
師匠から離れて修行しろなんて言われたあの頃のオレは天城さんの真意もわからずに不満一杯だったのだ、今思えば恐ろしく恥ずかしいことだが
が、一年間旅をしてやはり天城さんの言っていたことは正しいと理解できた
硬派というものは言葉で理解するものではない、心で理解するものだということに!!
細い路地を抜け少し駆け足気味に歩調を早める。
やっぱり天城さんの考えは素晴らしかった、それを伝えたい
そしてこの一年間で成長したオレ神楽坂恭治を見てもらいたい
喫茶店「リチェルカーレ」が見えてくる、一年前通いつめたときのコーヒーの芳香が鼻を擽る。
「つ、着いた・・・。」
出発したときと全く変わらない喫茶店「リチェルカーレ」、徹底的にガーデニングされた庭に蔓の巻きついたアーチ上の門構え、いつみてもセンスがある。
「よし、とりあえず深呼吸だ!」
とりあえずキリがよく三回深呼吸をしたのちドアの取っ手を握る
開けたらまず男らしく硬派に帰還の一声だ!これは帰りの電車で考えに考え抜いていた

行けっ!!

自分に号令を掛けオレは扉を開いた。
カランと心地よいカウベルが鳴り外からでも十分過ぎるほど良い香りをしていたコーヒーの芳香は更に濃厚になり気持ちを高ぶらせる。
「男、神楽坂恭治!ただいま戻りまし・・・」
そこまで声を上げて叫んだが目に映った状況に言葉は自然とトーンダウンしてしまった。
よく漫画や映画で圧倒的なものを目にして言葉が出なくなる、そんな状況あるだろう
まさに今の状況はそれだ
なにがどうなってこうなっているのかがオレは全く理解できなかった。
おさらいしよう、喫茶店「リチェルカーレ」はオレの憧れ硬派のカリスマ天城仁さんの店で
あり大人の雰囲気という言葉がぴったりのシックで落ち着いた店だったはずだ

じゃなんだ?目の前に広がるピンクの壁紙は?しかもパステルピンクどう考えても大人の雰囲気とは言い難い、これじゃ遊園地かなにかだ
そしてさっきから見ないようにしているんだが目に入ってくる見ちゃいけない女性が一人目の前に立っている。
黒のワンピース型のドレスに純白のエプロンドレス、頭には特徴的なヒラヒラのついたカチューシャ・・・

「『リチェルカーレ』へお帰りなさいませ御主人様♪」

目が合った瞬間そのなんだメイド服を着た女性は長くて綺麗な髪を揺らして軽く頭を下げた
ああ、あれかこっちが「ただいま」って言ったから「おかえり」って言ったんだ、うんそうだそうに決まっている。

なんか「リチェルカーレ」って店の名前まで一緒だし、はははまいったなこれは
もはや思考の止まったオレはこの現実から逃れようと無駄な足掻きをするしかなかった、
本当に無駄な足掻きでしかなかったが・・・。
 

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プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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