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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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「ええっと『都会の生活は慣れたか?またこっちに戻ってくることがあったら連絡くれよ』っと」
一年と半年ほど前、オレは桜陵大学の学食で同じように携帯電話でメールを打っていた
今のとは違う青い携帯電話だ、大学に入る際買ったためまだ真新しく光沢がある
「送信・・・と」
送信ボタンを押すと周り学生が賑やかそうにしている中オレは一人学食のカレーライスを頬張る
メールを送った相手は高校までよく遊んでいた友達へだ、今は就職して東京のほうで一人暮らしをしている
「なんだかんだでオレ一人か」
入学して早二ヶ月ことこの大学でオレは孤独だった、高校まで仲良かった友達はみんな就職やら自分の夢を追っかけるとかで桜花町を出て行った
そんな中オレは結局なにがやりたいかを見つけることもできずに親の言う「せめて大学くらい出なさい」って言葉に流されて今ここにいる
「んまぁ、そのうちできるだろ友達なんて」
別に今までだって自分から友達作ろうとかそんな風に考えたことはない。そんなものいつのまにか自然とできてくるもんだとカレーライスの残りを一気にかきこむとグラスの水を飲み干し立ち上がろうとした、その時だった
「あ、ごめん・・・この席いいかな?」
目の前に現れたのはそれはもう辞書にある「好青年」という文字をまんま人間に当てはめたような男だった
「別にオレは食べ終わったし構わないよ」
「えっ、食べ終わったのかしまったな・・・」
オレの言葉に見るからに悔しそうにガックリと項垂れる男、オレにはその意味がわからなかった、普通席が開いてラッキーなんじゃないのか?
「オレにはそこでガックリする理由がわからないんだけど」
「いや俺、大学で友達いないから声かけようとしたんだよね。話し合わすそのためにわざわざ君と同じカレーライスまで頼んだのに!あの購買のオバちゃん本当作るの遅いからなぁ」
確かに男の手元にはオレと同じカレーライスが乗ったトレイが握られている。そのちょっと滑稽な男に思わずオレは噴出しそうになった
「それなら普通に声かければいいじゃないか、というかなんでオレ?」
「うーん、君が一人だったってのとまぁインスピレーション?あ、そうそう自己紹介忘れてたね俺は国枝実って言うんだ、よろしく」
爽やかに髪をかき上げると国枝は手を差し伸べる
「オレは神楽坂恭治だ、一応郷土研究学科に所属してる」
オレは軽くお辞儀をして国枝の手を握り返す、正直こんな風に自己紹介されたのは初めてでどうしていいのかよくわからなかった
「そうか郷土研究学科か、それは面白そうな学科だなぁ。して俺の学科はなんだったかな」
「おいおい自分の学科もわからないってどうなんだ?」
「それがまぁ色々あってね、ここに来るのは二回目なんだ」
「二回目!?」
国枝のその言葉に思わず聞き返してしまった。なんていうか今思うに軽く彼の持つ魅力に飲まれて来ていたのだろう、会話を続けるためにオレは自然とそこで食器を置いて席に腰掛けてしまっていた
「二回目ってあれか?病気かなんかで入院してたとか?」
「いやいや体調管理はしっかりしてるつもりだよ。なんていうかまぁ言ってもいいかなぁ」
国枝は自分のカレーライスを右手に持ったスプーンでグチャグチャ混ぜながら左手で自分の顎を押さえなにやら考える仕草を見せる、そして
「一応俺役者の卵でさ、色々とレッスンとかでなかなか大学にこれなかったんだよ」
ルーとライスがグチャグチャに混ざった物を口にしながらサラリと言い放った
「大学の外じゃ友達はいるんだけどね、やっぱり大学の中で友達作りたいじゃないか」
「そ、そうなんだ。でもすごいな役者の卵なんて」
そんなオレの言葉に「そんな有名じゃないし大したことないよ」と謙遜しながら国枝はスプーンを口にする
「それでどうかな?友達になってくれるかな?」
「ああ、こちらこそよろしく」
もう一度差し伸べられた国枝の手を断る理由なんてなかった、いやむしろオレにとっても願っても見ないことだったからな

 

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「番号札E128番でお待ちのお客様、お待たせいたしましたカウンター1番へどうぞ」
「ふぅ、やっと呼ばれたか」
美人の店員さんの声が響く。いやはやこのお姉さんの声がまさに救いの天使に聞こえるぜ
まさかここまで五葉がミラージュ田中について熱く語るとは思っても見なかったからな
しかしオレもよく天城さんの武勇伝を五葉に熱く語っている手前なんともいえない
「呼ばれたし早く行こうぜ」
「あ、はい!いよいよミラージュ田中モデルが手に入るんだぁ・・・」
「ほいほい、止まってないで歩く」
幸せそうにぼけっとしている五葉の背中をぐいぐいと押してカウンター前の椅子に座らせるとオレもすぐ隣の席へと腰掛ける
ほどなくして髪が長く首元に鮮やかなオレンジ色のスカーフを巻いた店員さんがやってきた
「いらっしゃいませ、本日担当させていただきます円月凛(まどかづき りん)と言います。本日ご用件はどうなされましたか」
「えっと新規契約でお願いします!!」
「新規契約ですね、機種のほうは・・・」
「ミラージュ田中モデルでお願いします!!」
息巻いて答える五葉を他所にオレは淡々とカタログのページをめくる、円月さんは「少々お待ちください」と軽くお辞儀をしてその場を離れた後すぐにその手に小さな白い箱をもって
オレ達の前に戻ってきた
「こちらが984TGミラージュ田中モデルですね、プランのほうはいかがなさいますか?」
「ぷ、プラン?ええっとその・・・」
しかしながら全くここいらの文明の発展ってのは凄いものがあるな、オレが持っていた頃じゃ考えられないワンセグやらタッチパネルだとかが当たり前のように搭載されているんだものな
「神楽坂さん!」
「え、あ・・・なんだよ?」
オレの腕の袖をギュッと掴む五葉に思わずちょっと惚けていた意識が戻される
「私機種しか考えてなかったんですけどプランってどうしたらいいんですか?」
「プランっていや、まぁ五葉がどれくらい使う予定とかさそこから加味して受付の人が一番良い奴を薦めてくれると思うけど」
「そうなんですか?・・・うーん」
オレの答えが明確でなかったせいか少し困った風に首を捻る五葉。しかしオレに携帯電話のプランのことを聞かれてもそこまで詳しくもないしな、オレなんかよりも受付のお姉さんに聞いてもらった方が───
「でしたらカップル割なんていかがでしょう?こちらなら今ですと基本使用料が半額になりますしお互いのメールは24時間無料となってましてとてもお得になっていますよ」
「それいいですね、それじゃそれでお願いしようかな」
「いやいやちょっと待て五葉!意味わかっているのか?」
のほほんとしている五葉に思わず前のめりになってツッコミを入れる。いやだってあれだろ
カップル割ってのは文字通りカップルが入るもんであってだな
「意味って私でも基本使用料くらいはわかりますよぉ」
「ツッコムとこそこじゃねぇ・・・ええい、店員さん悪いがオレは携帯持ってないからそのカップル割ってのは」
完全に的の外れたこと言っている五葉は置いておいて円月さんに携帯電話を持っていないことを告げる
・・・が、円月さんの回答は思っていたものとは違った。
円月さんはオレの言葉に少し演技が入った感じに考えこんだ後グッと親指を突き立てる
「大丈夫ですよ、今ならキャンペーン中で新規にカップル割に入られると一台分の機種代が無料になるんです!!」
そしてそれに何故か通販番組のエキストラの如く神速な反応を見せる五葉
「えええっ!それって凄いですね!神楽坂さん、これを機に買っちゃいましょう」
「いやいやちょっと待てって」
そんなオレの意見を無視しまるでどこかで打ち合わせをしたかと思うが如く円月さんと五葉はノリノリな感じで・・・
「それじゃ早速こちらにご記入くださいませ」
「わかりましたぁ♪神楽坂さんの分も私が書いちゃいますね、字を書くの得意なんですよ」
「・・・いやだから待てって」
字書くのが得意とかどうでもいんだって言うオレの抵抗の声は結局フロアに響くだけで・・・・

「ありがとうございました、またのご利用おまちしております」
「・・・はぁ」
円月さんの声を背中に聞きながらオレ達は店の外に出た。
溜息をつくオレの手にはちゃっかりと真新しいメタリックブラックの携帯電話を握られている
うん、結局断るとかいう隙を与えては貰えなかった。
「えへへ、お揃いですね神楽坂さん」
でもまぁ嬉しそうにオレと同じ色のメタリックブラックの携帯電話を握り締めている五葉の姿を見るとどうも許してしまうオレがいるんだな。まぁお揃いと言ってもオレのは五葉と同じ984TGでもミラージュ田中モデルではないから正確には違うんだが、これもまぁどうでもいいだろう硬派な男はそんなことを一々気にはしないもののはず
「まぁ買出しのときに急に必要なものあったりすると連絡取れて楽だしいいか」
とりあえずの納得、正直使い道がこのあたりしか思いつかなかったのは内緒だ
「あ・・・これからどうします神楽坂さん?今日は私に付き合って頂いたのでどこかへ行かれるのならお供しますよ♪」
「そんな大したことしてないけど、そうだなぁ」
御機嫌な様子で五葉が見上げるのをなんとなく顔を背け考える。
しかしまぁ・・・いや、思ったほど考えるまでもなかったな、そもそも今日行くって自分でも言ってたじゃないか
「大学・・・桜陵大学で復学届けの申請に行こうと思うんだが行くか?」
「大学ですか、はい!お供いたします」
わかってはいたんだがなんだか五葉が付いてきてくれるって事が妙に気持ちを落ち着かせてくれた。一人であの場所へ行くのを避けていた自分が居たことをまじまじとここで思い知った気がする
「それじゃ行こうか」
「はいっ!」
そう語りながらオレ達は桜花駅へ向って歩きだす、といっても駅はこの店からほぼ目と鼻の先ほどの距離しかない、ほどなくして古臭い感じの切符販売機にたどり着く
「まぁあんまり楽しいところじゃないぜ」
硬貨を投入し、ボタンを押しながら思わずそんな風に呟いていた
「そんなことないですよ私大学行っていないので一度大学のキャンパスライフってのを見てみたかったんです、えっと桜陵大学って三駅隣りですよね楽しみです」
だが意に介さず五葉はオレの横に並び販売機のボタンを押すと微笑みを見せる。ああ、キャンパスライフか・・・そうだな五葉ならその想像するキャンパスライフを楽しめるに違いないな
オレはあえて五葉の言葉に返事をせずに切符を改札に通すと直ぐ目の前の広がるホールの一角にあるベンチにどっしりと腰掛ける
「ふぅ、しかし本当久しぶりにだな大学に行くのは」
そう少し溜息交じりに呟いたのとほぼ同じくらいで手に持っていた携帯電話がプリセットされた機械音と共に震えだした
「まだ誰にも番号教えてないのに鳴るって、ああ───」
考え付くのは一つしかない、理解して顔を上げて振り返ると口元を指で押さえる五葉の姿が目に入った。五葉はオレが気が付いたのを確認すると自分の携帯電話を指でチョンチョンと指差す
なるほど携帯を見ろってことか
オレは納得し携帯電話を開くとそこには「新着メールが一件あります」の文字が躍っていた
言われるがままに携帯電話を操作するとメールの本文が画面に表示される
『件名:五葉です、送信テストと恭治さんに質問です♪』
『恭治さんは大学ではなんの学科を選考されてたんですか?』
オレがその文を読み終わるくらいには五葉はオレの隣にちょこんと座っていた
口で説明すればすぐ終わる話なんだろうがわざわざメールで送ってきたんだ、メールで返してやるのが道理ってもんだろう。オレは使い慣れない携帯電話の画面と睨めっこしながら返信のメールを作るとそれを送信する
ほどなくして隣に座る五葉の携帯がオレのとは違う機械音と共に鳴り出した、当然っちゃ当然だ・・・そしてオレが送ったメールは
『件名:RE:五葉です、送信テストと恭治さんに質問です♪』
『ちゃんと届いてるぜ。俺の所属は郷土研究学科だよ』
とまぁ、当たり障りのない文章だ。だがそれでも五葉は嬉しそうな表情を浮かべるとまた自分の携帯電話のボタンを操作しだす
『件名:RE:RE:五葉です、送信テストと恭治さんに質問です♪』
そんな感じでオレと五葉、二人しかいないホームに鳴り響く機械音、それは少し楽しいようで少し寂しくそれでいてどこか懐かしく・・・そして思い出したくない“思い出”を呼び起こしていくのだった


只今の時刻午後三時二十分───
オレは『リチェルカーレ』の勝手口でジーンズにブラウンのパーカーといつもの格好で一人佇んでいた。落ち着いた風に見せているが内心はかなり緊張している。
一旦冷静になって考えてみたんだが普通に女性と買い物に行くだけじゃないか、そもそもオレは普段五葉と同じ部屋で過ごしているんだこの程度でなにを慌てふためいているのだとデートに行くこと自体関してはなんとか落ち着かせたんだが
「四葉さんと天城さん、あの二人に見つかったら絶対にただじゃすまないよな」
そう二人とも問答無用だからな、言い訳なんかできるはずもない・・・今のオレの緊張の種はむしろこっちだ
「四葉さんは店にいるからまだしも天城さんは朝から姿が見えないしな、鉢合わせにでもなったら・・・」
「店長だったら魔法少女エリスのおしとやかでエリートな魔法使いのお嬢様オンリーイベントに参加してますよ」
「うおわぁ!」
背後からの突然の声に素っ頓狂な声を上げて振り返る。
そして振り返ってしまってからこれ昼間の四葉との流れと一緒じゃないかと、またオレ思いっきり動揺しているじゃないかと嘆息し項垂れる
「あれ・・・どうかしましたか神楽坂さん?」
声の主である五葉が心配そうに俯くオレの顔を覗き込む
「もしかして音瀬家では背後から忍び寄るのが日課かなにかなのか」
「えっと質問の意味がよくわかないんですけど多分違うと思います、なにかあったんですか?」
「いや、なんでもないこっちの話だ」
オレの意味不明な質問に当然小首を傾げる五葉、まぁあの状況を知らない五葉にわかるわけないよな
「いやでも結構早かったな五葉」
気を取り直して腕時計を見るとまだ三時二十五分、女性の身支度は結構掛かるとよく聞くがそれを考えると早い気がする
「私そんなにお洋服持っていませんし、お化粧もしませんから」
そう言われて初めて顔を起こしちゃんと五葉の服を見た。黒のタートルネックに同色のチェックのスカート、少し年頃の女の子にしては地味なようにも見えるが
───ああ、髪下ろしているんだ
メイド服のときはお下げにしている髪をストレートにしているのに気が付くとその格好が地味というよりも大人っぽくシックという感じに置き換わる、なにより五葉のメイド服姿以外ってのが新鮮だった
なんせ休みの日や寝るときでもメイド服着てたりするからな五葉は
「それじゃ行こうか、ってオレはどこに行くか知らないけど」
「あ、駅前に新しくお店ができたんでそこに行きます」
あえてどんな店かというのは言わずに歩き出す五葉、それに合わせるようにオレは横に並び歩く
まぁどこか知らなくても五葉のことだあまり変なところではないだろう、なんせ駅前だしな
こんな田舎町に新しく何ができたのか少し期待しつつオレ達は町へと繰り出したのだった

───五分後
平日の昼間ということもあってか、いや元々か・・・駅前は相変わらずの閑散とした様子であったのだが
「ここです、私が行きたかった場所は!」
「こ、ここは・・・!!!」
嬉々と店のシンボルマークである黒い犬の看板を指差す五葉にオレも思わず息を呑んだ。
まさか、このド田舎桜花町についに文明の利器である携帯電話を扱う店ができようとは思いもしなかった
「五葉、携帯電話が欲しかったのか?」
「はい!ずっと欲しかったんですけど中々買う機会がなくて、だから昨日桜花町にできたのを聞いてこれを機に買おうと思ったんです」
なるほど・・・五葉だって今時の若者だ、今時携帯電話の一つくらいを持ってないってことのほうが珍しいものだ、というオレも持ってはいないんだが

持っていない、いや───それには“今は”をつけるべきだなオレの場合

「早く行きましょう神楽坂さん!」
「おいおいそんなに手を引っ張らなくても大丈夫だって」
五葉に服を引っ張られるまま店内へと入る。真っ白な部屋にいくつものカラフルな携帯電話が並ぶ、接客するカウンターは二つ・・・綺麗な制服に身を包んだお姉さん方がいたがあいにくと今は他の客で埋まっていた
「いらっしゃいませ、番号券を御取りになって暫くお待ちください」
丁寧な口調で言う店員の指示に従いオレは店の中央に陣取る発券機から番号券を取る
「だってさ、結構他にもいるみたいだし少し座って待つか」
「そうですね」
店内にはオレ達のほかにも結構な数がいる、番号券の番号E128が呼ばれるのには少し時間が掛かりそうだ。オレは五葉に番号券を渡すと近くにあったカタログを手に取り席に座る
「そういえば五葉はなんの機種を買う予定なんだ?」
「えっとですね、984TGミラージュ田中モデルってのです!」
思わずパラパラと捲っていた指が止まる。なんだミラージュ田中モデルって
「ちょっといいですか・・・あったこれです!」
五葉はオレの隣に座るとカタログの中からそのミラージュ田中モデルってのを探し出し指差す
そこに載っていたのはいかにもなマジシャンの格好をしたお兄さんが微妙な格好でポーズしている姿がラメっぽく入った携帯電話だった、うんなんだ・・・このセンスは
「私、ミラージュ田中さんの手品を見てお店で手品やろうって思ったんですよ」
「へぇ・・・」
確かに五葉はちょくちょく『リチェルカーレ』の客の前で手品をしている、しっかりとメニューにもあるくらいだ。案外五葉は手先が器用で手品を得意としているのは知っていたがこのミラージュ田中とかいう奴に影響されていたとはいうのは知らなかった
「この前港ポート劇場でサーカスのライオンが逃げ出す事件があったんですけどそのときミラージュ田中さんが颯爽とライオンの前に立って手品をしたらライオンが大人しくなったんですって!ライオンを大人しくさせる手品とか凄いですよね!」
「ああ、それは確かに凄いな」
そういえばカンツォーナでミントさんもライオンが逃げ出した話してたな、しかしライオンに手品なんかわかるのか?どうも五葉の話はどこかで誇張表現されたのを聞いてきた感じだがまぁ妙に熱くなっている五葉に水を差すのも悪いと思いそのままにしておく
ちなみにそのミラージュ田中モデルとやらの見出しには

『984TGミラージュ田中モデルだけで見ることができるミラージュ田中の特別マジック動画が入っています!』

『通話ボタンを押してミラージュ田中の本名を叫ぶとあの“本名はご遠慮ください!”の着ボイスが流れる特殊機能付き!!』

なんて謳い文句が書いてあるが、どれもオレにはピンとこない物ばかりだ
「それでミラージュ田中さんには他にもまだまだ逸話がありまして───」
しかしそれから結局番号が呼ばれるまでの間、オレは五葉にミラージュ田中の魅力について長々と聞かされ続けるのであった


「・・・どう考えてもこいつ倒せないだろ、なんだこのゲーム」
何度目かという魔王っぽい奴の前でバッタリと倒れる勇者の画面が流れる
平日の昼下がり、オレこと神楽坂恭治はセイバークエストをやりながら愚痴っていた
というのも三日前カンツォーナの一件での傷が完全に癒えていなく自宅療養をしているのだがこれといって特にやることもなかったので五葉のやっているセイバークエストのレベル上げを買って出たのだけど
「キョウコ姫いつになったら助けられるんだよ」
セイバークエスト自体オレが小学校時代に嵌っていたゲームだ、だから結構自信はあったんだけどこれがなにか知らないが最近のセイバークエストはやたらと難しい仕様になっているようだ、レベル上げついでにラスボス倒せるんじゃないかと挑んでみたらこれだよ
そもそもこのやたらと強い魔王、隠しボスとかそうゆうのならいざ知らず普通にラスボスに君臨してるから困る
・・・エンディングいつになったら見れるんだか
五葉の言う話によるとレベルカンストでも運次第ということらしい、ようはまだレベル上げが足りないっていうのか
「って、いつまでもこんなとばかりやっているのもな。そもそもオレは学生なんだからそろそろ大学に復学届けを出していそいそ勉学に勤しむのが硬派な男ってもんだよな」
「なに一人でぶつくさ言ってるのよ?」
「うぉっ!」
突然後ろから声を掛けられて思わず変な声を上げて振り返る、扉口に立っていたのは
「なによ変な声出して、店長に言われせたら『この程度で動じるようでは硬派とは言えんな』って感じよ」
軽く硬派のカリスマ天城仁さんの真似をしながら金髪のツインテールを揺らす音瀬四葉だった
「そりゃ誰だって後ろからいきなり声かけられたらびっくりするでしょう四葉さん」
どっからどうみても小学生にしか見えないけどオレよりも年上なので一応“さん”づけ。四葉さんは元々『カンツォーナ』のメイドだが三日前の事件以後宣言どおり我らが『リチェルカーレ』で働くことになった。突然のことだったが四葉さんが五葉の姉ということもあり天城さんは快くそれを承諾、メイド服こそ『カンツォーナ』のときのオレンジのミニスカートタイプと微妙に浮いているが『リチェルカーレ』に新しいメイドさんが増えたということで客足は回復一時の売り上げ0という危機的状況からはなんとか脱出することができた
ちなみに『カンツォーナ』は天城さんが買収し今は夜だけ営業をしているみたいだ
「まぁ今日のところはそうゆうことにしておいてあげる、それはいいとして賄い持ってきてあげたわよもちろん食べるわよね?」
「お、ちょうど腹が減っていたところなんだありがたくいただきますよ」
「うむ、素直でよろしい」
満足そうに四葉さんは頷くとトレイを持ったまま俺の横にちょこんと座り、自信満々な様子でトレイを差し出した
「自信作の『オムライスサンド』よ。あ、別にあんたのために作ったんじゃないんだからね!材料が余ったから適当に作っただけなんだからね!」
「はいはい、それ自信作なのか適当なのかよくわかりませんよっと」
相変わらず下手なツンデレ演技に軽く返事をしつつトレイに乗った『オムライスサンド』を摘み上げ口にする
「む、意外といける。お米とパンで炭水化物どれだけ取るんだと思ったがそれはそれで無茶苦茶腹持ちがしそうだ」
オムライスをパンで挟んだだけな感じだがこれが結構美味い、半熟の卵がパンと合う
「意外とって失礼ね、自信作なんだから当然でしょ」
「あ、やっぱり自信作なんだ」
「違うわよ!勘違いしないでよね・・・といったところでそろそろ時間だわ、まぁゆっくり食べて」
下手な演技を止めて四葉さんはスッと立ち上がる
「まぁともかく早く復帰しなさいよね、男手が必要なこと結構あるんだから」
「ああ、うん・・・善処いたします」
オレの言葉に納得したように四葉さんは「わかればよろしい」と頷くとオレンジ色のミニスカートを翻し部屋を出て行った
・・・なんだ案外できるんじゃないかツンデレってやつ
「しかし復帰ね、確かに考えないといけないな自分の金で大学行っているわけでもないんだし」
一人呟きオムライスサンドを頬張る、四葉が言ったのはリチェルカーレへの復帰のことなのだとはわかっていたがどうにも今日は大学のことがやたらと脳裏を掠める
「これ食べたら行ってみるか久振りに大学へ」
そんな決意と共にちょうど最後のオムライスサンド頬張ったところで部屋の扉がノックされる
「あ、あの神楽坂さん!今ってお部屋入っても大丈夫ですか?」
ノックと共に聞こえてきたのは少し緊張した様子の五葉の声だった
「ああ五葉か、大丈夫だよ」
「そ、それじゃ失礼します・・・」
いそいそと部屋に入ってきた五葉はどこかいつもと雰囲気が違った。いや見た目こそいつものヴィクトリア調のメイド服に長い黒髪の彼女だが面持ちが違うというかなんというか
「えっとレベル上げ上手くいってますか?」
五葉はベットに腰掛けながら言う
「まぁそこそこって所だよ、でも魔王は当分倒せそうにないけどね」
「そ、そうですか・・・」
それっきり沈黙が流れる。なんだろういつもだ、五葉と話しているとよくこうゆうことになる・・・多分それは五葉も感じているだろう
横目で五葉の様子を窺うとなにやら指をモジモジとさせてなにかを言いたそうにしている
それはさながら小動物のような可愛らしさがあってしばらく見ているのもいいかと思ったが流石に可哀想なのでやめておこう
「五葉、なにか言いたそうだけどどうかした?」
「え!?神楽坂さんどうしてわかったんですか?」
オレの言葉に思いっきり驚いた声を上げる五葉、いや流石にこれがわからないようでは男としてどうかと思う
「いやなんとなくそんな感じがしたからさ」
「そうなんですかぁ・・・えっとそれじゃ、よし!言います!」
深呼吸をしてぎゅっと拳を握り、五葉はなにかを決意した様子
「私今日、三時でお仕事上がれるんですよ」
「そうなの?」
「はい、店長にもそろそろ休むように言われたんです」
「ああ、そうだよな・・・あの事件の後も普通に働いてたもんな五葉は」
思えばカンツォーナでの一件で一番被害を受けたのはオレなんかよりも誘拐された五葉だ、だけども次の日予定していた限定新メニューである『煉獄の炎に抱かれし天使』───まぁ普通のイチゴソースのケーキを一人で作りそのままイベントであるおまじないも完璧にこなしたそうだ
ああ見えて結構根性あるんだな五葉って
「それであの、神楽坂さん。三時から予定ってありますか?」
「いやまぁこれといってないな」
大学へ行くってのもまぁ別に今日でなくても、いやそうゆう考えはいけないが最優先にしなくてもいい話だ。
「そ、それじゃあの付き合って欲しいところがあるんですけど一緒に行ってくれませんか?」
一つづつ言葉を選び顔を赤らめながら五葉が言う
「ああ、それは別にかまわないよ。そろそろ外に出るのもいいと思ったところだ」
「本当ですか!それじゃ三時半に店の勝手口で待っててください!」
五葉の表情がパッと明るくなった。五葉が喜ぶんだったらいくらでも付き合おうじゃないか
だが「それじゃ休憩終わりなんで」とペコリとお辞儀して五葉が部屋から出て行ったあたりでふとオレは気が付いた、これって俗に言うデートのお誘いって奴なんじゃ・・・?
いいのかオレ?硬派の道は?やばい、デートだと思ったら急に緊張してきたぞ

私の名前は緑河空、ごくごく普通の女子大生。しいて人と違うところをあげるとすれば
少し人よりインスタントラーメンが好きなことかな
天高く馬肥ゆる秋の空、今私は桜花町の大通りをバイト先に向って歩いていた。
「けど今日は一時間早く来るようにってなにかあったのかな?」
裏通りに入って考える。けど全然何も思い浮かばない、なにせ私のバイト先メイド喫茶
『カンツォーナ』はまだオープンして四日しかたっていない。
「あ、もしかしてバイトしていること大地君にばれちゃったとか?でも出かけるときなにも言ってなかったしそれは違うかな?」
大地君というのは最近同棲を始めた私の彼氏である。
このメイド喫茶『カンツォーナ』はお給料もいいしなによりあのメイド服ってのを一度着てみたいと思っていた所を大学の先輩から「一緒にやらない?」って言われて思わず大地君のことを考えずに飛びついてしまったの
彼、結構独占欲が強いからメイド喫茶でバイトしてるなんて言ったら物凄く怒りそうな気がする・・・だから今のところ内緒にしている。
裏通りを少し進んだ先、かなり年季の入った古い雑居ビルに入る。『カンツォーナ』は急に桜花町にできたのでまだ看板もできていない、しかしながらオープンからお客さんは結構入っている。
「よし、今日も頑張るぞ!目指せ指名NO.1!」
気合いとともに両手でガッツポーズをつくるとエレベーターに乗り込み『カンツォーナ』のある5階のボタンを押す。
『カンツォーナ』はメイドさんを指名して一緒に楽しむスタイルのメイド喫茶なの、だからここで一杯指名をもらうとそれにあわせてお給料もぐぐーんと上がるということ
はぁ・・・NO.1になったら大地君と旅に行きたいな、ご当地インスタントラーメンを食べ歩きする旅に
そんなことを考えているうちにエレベーターは『カンツォーナ』へと到着する。
「おはようございますっ!」
「・・・・・・押忍、おはようございます」
元気よく返事するとレジにいる石渡君がその大柄な体には似合わない小さな箒をもって掃除をしていた。石渡君は『カンツォーナ』のボーイ兼用心棒、『カンツォーナ』はアルコールも提供しているので酔っ払ってメイドさんに襲い掛かるなんて状況も想定してのことなんだ
けど、あれ?
「石渡君、その頭包帯なんて巻いてどうしたの?」
「・・・・・・少し怪我した」
うん、怪我したってのはわかるんでどうしたか聞きたかったんだけどな。そもそも少しってレベルじゃないくらい色んなところから包帯が見えてるんだけど
「・・・・・・緑河、奥でお客様が待っている」
「私にお客様?」
誰だろう?そもそも私がここで働いていることを知っている人なんてそういない
まぁ考えても仕方ないかな、会ってみればわかるでしょ
そのとき私は物凄く軽い気持ちでいた、今から会う人物が私の運命を大きく変えることになる人とは知らずに・・・
「もしかして君が緑河空さん?」
「あ、はい!」
奥の席にはスーツ姿の男性が二人ソファに座っていた。二人のうちの一人、妙に爽やかそうなお兄さんに私は声を掛けられた。
全然知らない人だ、一体誰なんだろう?
「ここのコーヒー不味いな、インスタントか?」
もう一人の細長いサングラスをかけた男の人が呟く、ううっなんか物凄く怖そうな人。
「仁、とりあえず店のことは後にして自己紹介からしておこうよ。多分彼女まだ全然状況が把握できていないよ」
爽やかそうなお兄さんの言葉に私はコクコクと頷く、全く状況が把握できていない。
「えっとはじめまして僕は音瀬一葉、漢数字の一に葉っぱの葉で一葉。今日は一時間早くに出勤してもらってごめんね」
「あ、いえどうもはじめまして・・・えっと音瀬ってもしかして、四葉さんの?」
音瀬って苗字でピンときた。四葉さんは私をこのメイド喫茶『カンツォーナ』に誘ってくれた大学の先輩だ、私の言葉に一葉さんは肯定の頷きを見せる
「そう音瀬四葉は僕の妹、緑河さんはいつも四葉と仲良くしてくれているみたいでありがとうね」
「そんな四葉さんには大学だけじゃなくてここでも私いつもお世話になりっぱなしなんです。昨日だって私のお客さんが四葉さんが相手していたお客様の席に乗り込んじゃったりしたんですけどすぐに対応してくれたりして」
「そうなんだちゃんとやっているみたいでホッとしたよ。とりあえずまぁ緑河さん、座って」
「あ、はい。それじゃ失礼します。」
お言葉に甘えて二人の正面のソファに腰掛ける。
兄弟が多いって言ってたけど四葉さんにこんな格好良いお兄さんがいるとは思わなかった
「あ、それでこっちのちょっと怖そうなお兄さんが僕の親友の天城仁。『リチェルカーレ』の店長といった方が緑河さんにはわかるかな」
一葉さんの言葉に「怖そうとは失礼な」と言うと天城さんは煙草に火をつける
このいかにもメイド喫茶というよりは仁義という言葉が似合いそうな人が『リチェルカーレ』の店長さんだとは
『リチェルカーレ』は『カンツォーナ』ができるよりも前から桜花町にあるメイド喫茶でうちの店長がオープン前からずっと気にしていた店だ
・・・そこまで考えて『カンツォーナ』の店長もこの天城さんと大して変わらない、いやむしろあのモヒカン店長の方が酷いと思うな
なんだろうメイド喫茶の店長ってみんなこんな感じの人ばっかりなのかな?
「あのぉ、それでお話ってなんですか?」
リチェルカーレの店長さんが私に話ってなんだろう?引き抜きとかな?
期待と不安が入り混じる、けど天城さんから出た言葉は私の予想とは全く違っていた
「緑河空、お前がこれから『カンツォーナ』の店長だ」
「・・・て、店長?店長ってええええっ?」
もうなんていうか驚きの声を上げるしかない、なんでどうしてまだ入店して4日目・・・そもそもオープンしてからも4日目だってのに私が店長?
「あ、あのモヒカ・・雛形さんはどうなったんですか?」
「奴なら死んだよ、今頃魚の餌にでもなってるだろ」
「し、死んだ!?」
更に大きい声で驚く私に一葉さんが割って入る
「いやいや死んでないよ、仁も適当なことを言わない」
「まぁなに、殺しても良かったんだがな」
「そこは同意するけど、まぁともかく少し僕から話させてくれ」
あの優しそうな一葉さんまでもが同意するなんてあのモヒカン店長なにやったんだろう?
「えっと話が途切れてごめんね、順を追って話するよ」
「は、はいお願いします」
そう言うと一葉さんはカバンからノートとペンを取り出し流暢な文字で綴っていく
「とりあえず昨日僕の会社が『カンツォーナ』を買収させてもらったんだ。そして悪いけど僕の提示する経営方針に従えない雛形君には店長の座を降りてもらった」
「ふむふむ」
「ただまぁ僕も色々仕事をしているからね、経営のほうは他の人間に任せているんだリチェルカーレを仁にまかせているみたいにね。そしてカンツォーナの店長に君が選ばれたと」
「で、でもなんで私が店長なんですか?」
話はまぁなんとなくわかった気もするけどなんで私が店長なの?そもそも経営とか全くやったことがないのに大丈夫なのかな
「緑河さんが選ばれたのは色んな条件を加味した結果だね、そしてこれから話すことが重要なんだけどいいかな?」
よくない・・・とは言わせない雰囲気だった。そしてなんていうか私が店長なのもなにかさらっと流された気がする
「新しいカンツォーナの経営方針なんだけど」
ノートの新しいページに一葉さんは箇条書きで経営方針とやらを書き出していく
「まずは営業時間の変更、新しいカンツォーナは夕方六時から夜の十一時までの営業にする。これはリチェルカーレの営業時間と被らないようにするためと昼と夜で全く色の違った営業にして広くお客さんを入れるための戦略。そして次に営業時間の変更に伴い従業員の大幅な削減を行う。そうだねとりあえずは緑河さんを入れてメイドは五人、あとは石渡君ぐらいで充分やっていける」
「あの営業時間の変更はともかく従業員削減ってまだカンツォーナオープンして4日ですよ、いきなり辞めさせる訳にはいかないんじゃ・・・」
カンツォーナには確か三十人くらいメイドさんがいたはず、まだ私だって全員の顔を覚えていないしもっと言ってしまえばローテーションの関係でまだ店に一度も来たことない子もいる、それをいきなり辞めさせるってのはさすがにダメだと思う
「それについては安心しろ、他のやつらには全国のメイド喫茶に間者として行ってもらうことになる」
「か、間者?」
煙草を吹かしながら答える天城さんに思わず聞き返す
「ようはスパイってことだ、さまざまな情報をリークしいざとなれば内部から動いてもらう」
「まぁその辺のことは僕が全面的にやるから緑河さんは気にせず店長の仕事やってくれればいいよ」
「は、はぁ・・・」
ニッコリ笑う一葉さんにとりあえず頷いておく。この二人がなにか企んでいるのは明らかにわかるんだけどなんだろう、知らないほうがいい気がする
「まぁとりあえず僕からはこれくらいだけど仁からはなにかある?」
一葉さんの問いに天城さんは煙草を灰皿に押し付けるとじっとこちらを見つめる
「そうだな一度リチェルカーレに来い、コーヒーの淹れ方ってのを教えてやる。あと全然関係ないが資料によると緑色の髪のようだがどうゆことなんだ緑河?」
「あ、これウィッグなんです。それとお店では緑河空じゃなくてミントって呼んで下さい」
万が一大地君がカンツォーナに来ちゃったりしてるところで名前を呼ばれたら困る。私は腰まで伸びる長い髪のウィッグを外しショートボブに切りそろえた緑色の髪を見せるとペコリと頭を下げた

けど私に店長なんて務まるのかなぁ?

プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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