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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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「神楽坂殿は硬派の中の硬派な男ですぞ!」
小太りというかほぼメタボな体系に真っ赤なセーター、そして黒縁眼鏡が光る男と
「だ、ダメですよ御主人様お隣にご迷惑です!」
必死に男を止めようと腕にしがみついているショートに切りそろえた緑髪が鮮やかなメイドさんだった。このメタボな男にオレは見覚えがある、『リチェルカーレ』常連の一人である陸奥だ。
「誰かと思ったら陸奥じゃないか」
「奇遇ですなぁ、こんなところで神楽坂殿と出会うとは」
陸奥はそう言うと大きな口で笑う。この陸奥って奴は『リチェルカーレ』の常連客の中でも
珍しくオレのことを悪く思っていない、いやむしろ天城さんから聞いたんだがオレが硬派を
目指すことに一種の憧れを抱いているらしい・・・喜んでいいのかは正直微妙だ。
「すいません御主人様、四葉さん!!すぐに戻りますので!!」
「あらミントちゃん、いいじゃない知り合い同士みたいなんだし一緒に飲みましょう」
陸奥の腕にしがみつきながらパニックになっている緑髪のメイド、ミントを四葉が諭す。
「で、でもいいんですか?」
「いいわよね御主人様?」
「オレは全然構わないよ」
ウーロンハイを一口口にして答える。これはこれは、願ったり叶ったりな展開じゃないか?
思えば常連客が『リチェルカーレ』に来てないってことはここ『カンツォーナ』来てるというのは自ずとわかることだったな、ここは陸奥がどんなサービスを受けるかを見させてもらおう。なんたって陸奥はあれで相当な金持ちだ、『リチェルカーレ』でも来るたびに諭吉を何枚と消費してくれる上客だからその点は期待できる。

「それじゃ改めて乾杯ですぞ!」
『かんぱーい!』
陸奥の音頭とともにこの飲み会?は再開された。繋げたソファにオレの右隣に四葉が左隣にミントが座り更にその横に陸奥が座る、これはもうキャバクラとしかいいようがないな。
「さぁさぁドンドン飲むんですぞ!ここの支払いは硬派な陸奥にお任せあれ」
『ありがとうございます御主人様っ♪』
そう言うとビールジョッキを一気飲みする陸奥。それを盛り上げるように四葉とミントが拍手するが・・・一つ言わせてもらうとそいつは硬派でもなんでもない気がするぞ陸奥。
「けど今時硬派なんて流行んないわよ」
一息ついて、四葉がグラスを傾けながら言う。
「流行るとか流行らないとかは関係ないって、男たるもの硬派でなくちゃダメなんだよ」
「硬派ってなんか恰好良いですよね、言葉の響きが」
「そうそう・・・って言葉の響きだけかよ!」
ミントの的外れたボケに楽しくノリツッコミをするオレがいる。いかん酒の力のせいか本来この女の子に囲まれて酒を飲むという硬派と真逆の状況を楽しんでしまっているな。
「そういえばこの前港ポート劇場にマジックショーを見に行ったんですけどそうしたら近くのサーカスからライオンが逃げ出して凄かったんですよぉ」
「ミントちゃん安心するですぞ!百獣の王ライオンはこの陸奥がやっつけてやるですぞ!」
なんかのアニメにありそうな構えを取る陸奥。それを尻目にオレは一旦冷静になりメニューを手に取る。
オレはこの『カンツォーナ』に偵察に来ているんだ、それを忘れてしまっては元の木阿弥だ。
さっきまで四葉がなかば勝手に注文してたんで初めてメニューに目を通すが『リチェルカーレ』よりも少し値段が高いこととアルコール類がある以外は『カンツォーナ』のオーダーにはあまり違いはなさそうに見える。いや、あるとすればメニュー名が普通にコーヒーとか紅茶ってちゃんと書いてあるな・・・。『リチェルカーレ』なんてただの水でさえ何故か『ウンディーネの涙』とかついてるから五葉から注文受けるときいまだ「これってなんだっけ?」と聞かないといけないときがあるからな。
値段が高いのは客一人一人に四葉やミントのようなメイドさんが常時付いてくると考えると多少高くてもお釣りが来るといってもいい値段設定だろう、こればっかりはメイドが五葉一人しかいない『リチェルカーレ』にはできない『カンツォーナ』の強みだな。
「よぉーし、そろそろミントちゃん超必殺メニューをお願いするですぞ!」
「は、はぁーい御主人様ぁ!」
陸奥が勢いよくその馬鹿でかい図体をソファに乗り上げ天を指差すとミントはまるで合わせたかのようにクルっと回りながら立ち上がり
「それでは御主人様、ミントの超必殺メニューお持ちしますので少々お待ちくださいませ」
と可愛らしくスカートの摘み軽くお辞儀をしてどこかへ行ってしまった。
「なんだよ陸奥、その超必殺メニューってのは?」
手元にあるメニューを見てもどこにもそれらしきものは書いていない。
「メニューには載ってないですぞ神楽坂殿!これは担当のメイドさんそれぞれが持つ特別なメニューなのでミントちゃん自身が作りに行ったんですぞ!」
「へぇ、なるほどね」
腰に手を当て自信満々で言う陸奥にそう答えてチラリと横目でオレの担当でもある四葉を見ると
「な、なんで私があんたにゃ・・・なんかのために超必殺メニューださないといけないのよっ!」
「そんなとこで噛むなよ・・・」
また下手糞な演技で“ツンデレ”って奴を演じていた。そういえばツンデレって結局なんなのか聞いてないからよくわからないままだが、まぁいいか。
しかしこのメイドさんがそれぞれ違うメニューを持っているってのは結構凄い、全員ってのは無理だけどミントだけじゃなくて四葉のも見せてもらうのは良いかもしれないな
「それじゃオレもその超必殺メニューをお願いしようかな」
「・・・わかったわよ、あんたが可哀想だから作ってあげるわよ!ちょっと待ってなさい!」
さっき噛んだのが恥ずかしかったのか顔を真っ赤にして口早に言うとそそくさと四葉はキッチンへ行ってしまった。
「大変だな、ここのメイドさんも色々と」
陸奥と二人っきりになってオレは思わず溜息をついた。
「そうですなーしかし神楽坂も大変だとこの陸奥、思いますぞ」
「なにがだよ」
「リチェルカーレのためとはいえ硬派な神楽坂殿がカンツォーナに潜入とは大変なことですぞ」
手にフライドポテトをがっしりと握りながらさらりと陸奥は言ってのける、思わずオレは飲んでたウーロンハイを噴出しそうになった
「し、知ってたのか?」
「神楽坂殿が来るような場所ではありませんから予想だったんですが、しかしその反応を見るに私の予想は正しかったみたいですなぁ」
「正しいのは結構なことだが、あのな・・・オレが大変なのは元を辿ればお前らが全然店に来ないからなんだからな。そこんところを理解して明日からはリチェルカーレにも来るようにお前からも周りの奴らに言っておいてくれよ」
そもそも『カンツォーナ』がオープンしようがこいつらが普通に『リチェルカーレ』に来てればオレがこんなところに来る必要もなかったんだからな
「まぁ言うのは簡単ですぞ、ただカンツォーナのサービスは魅力的ですからなぁ、私もなかなか抜け出せるかどうか」
「お待たせしました、御主人様♪」
陸奥の煮え切らない返答とほぼ同じくらいのタイミングでミントが帰ってきた。その手には
ミントの緑色の髪と同じ色をしたカクテルらしきものが見える。
「ミントの特製カクテル『りゅーいーそー』でございます。それじゃ御主人様、掛声いきますよぉ」
「待ってましたですぞぉ!!」
ミントと陸奥は招き猫のようなポーズをとる。それを見てああ、なんかまた始まるんだろうなと、そしてオレも四葉に頼んじゃったんだよなぁという不安感に駆られる。
ミントは陸奥の向かいに立つと「せぇのぉ!」と掛け声をかけて
『ねこねこにゃんにゃん♪ねこにゃんにゃん♪萌え萌えにゃんにゃん♪萌えにゃんにゃん♪』
と踊って見せた。
これはまずい、可愛いのは認めるがこれを陸奥の奴もやっているのを見てしまい物凄く引いてしまった。最近は五葉でメイド服には慣れてきたつもりだが少し動揺するとはまだまだ修行が足らないな
「萌え死ぬー!萌え死ぬー!!ミントちゃん萌え死ぬよーっ!!」
「ふん、それじゃ一回死んできたらどうかしら御主人様」
ソファでジタバタしている陸奥にオレの気持ちを代弁しながら四葉が戻ってきた。その手にもつトレイにはミントとは違いカクテルではなくオムライスが乗っていた。
「これが私の超必殺メニュー『四葉風オムライス』よ。今からケチャップでハートマークを書くからしっかりと目に焼き付けなさい!」
四葉はオレの前にオムライスを置くと膝立ちでケチャップを掴む。四葉風と言っているが見るからに普通のオムライスだ、中身が変わっているんだろう気になるところだ。
「べ、別に好きで書いているんじゃないんだからね!!」
時折そんなことを言いながら四葉は慣れた手つきでケチャップでハートを書いていく。
「以外と上手なんだな」
「以外ってのは余計よ、ほら」
四葉は綺麗なハートマークを書き上げるとスプーンで一口分を取り分けオレの口元に差し出す。
「はい、あーんして」
「ちょ、ちょちょちょちょっと待った!それは無理!硬派なオレにそれは無理!」
気が付いたら思いっきり動揺して後ずさっていた。まぁ後ろはソファの背もたれなんで実際には下がれていないんだが、それを見た四葉はなにを勘違いしたのか
「なによもう、私の気持ちも知らないでバカッ!」
と顔を赤らめていた、何故だ?これもツンデレって奴なんだろうか正直パニックになりそうだった。
「・・・神楽坂殿、デレましたですぞ!」
「デレましたねぇ」
そう語りながら陸奥とミントが微笑ましそうにこちらを見ているのがなにか無性に腹が立つ
。デレましたってなんのことだよ・・・陸奥の奴め、今度『リチェルカーレ』に来たらオレの超必殺メニューを食らわしてやるからな!
「ほらほら硬派なんだから食べなさいよ」
「とりあえず硬派って言えば良いみたいに言うなっての、そもそも硬派なオレがその・・・女の子に食べさせて貰うとかするわけないだろう」
「なぁにメイド喫茶に来て言ってるのよ、郷に入っては郷に従えでしょ?硬派な男の子だったら覚悟を決めなさい!ね、ミントちゃん」
「そうですよぉ御主人様頑張ってください!」
頑張れって言われてもなぁ・・・。しかし四葉の言うことはもっともだここで愚図ってるほうが全然硬派じゃない気もする。
こんな状況前にもあった気がするがやはり覚悟を決めるしかないか。
「一口だけだからな!勘違いするんじゃないぞ、やりたくてやってるんじゃないんだからな!」
「はいはい、なんで御主人様までツンデレになってるのかしらないけど」
四葉はぐぐぃっとスプーンを差出し、オレは黙ってそれを口にした。
「ねぇ美味しい御主人様?」
「美味い、美味いっちゃ美味いんだけど・・・」
「なによ?」
オレの顔を覗き込む四葉から目を逸らしながらオレは思う。
───またオレの硬派のレベルががくっと下がったな、と

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「本当にこんなところにメイド喫茶があるのかよ」
ツインテールのメイドさんが進んでいったのは桜花町の本通から裏通りに入ったいかにも古臭い雑居ビルであった。
「そんなところでなにしてるの?早くしなさいよ」
メイドさんがエレベーターを止めながら催促するが、正直これに乗って行ったらヤクザの事務所なんかに行き着きそうで不安だ。
「はいはい行くよ、行きますよ」
渋々とメイドさんの後を追いエレベーターに乗り込む。見れば看板もなにも立ってはいないし怪しさ満点な雑居ビルだか行くほかあるまい。
「しかし大丈夫なのか?」
「なにがよ、安心しなさいちゃんとメイド喫茶だから」
「そういうことじゃなくてだな」
エレベーターの中、いやもっと前からだがさっきから言うべきか言わざるべきかこのメイドさんを見ていて思っていたことがある。
このメイドさん中学生じゃないか?あまりの背丈の低さに思わずそう思ってしまう。いや最近の小学生だってもっと大人びてるだろう
・・・でもなんかこれを言うと物凄く怒りそうな気がするので黙っておいたほうが良い気がする。
そんなことを考えているうちにエレベーターは5階で停止し、静かにその鉄の扉を開ける。
「これがメイド喫茶『カンツォーナ』!?」
エレベーターの扉が開き目の前の光景を見たオレは呆気ににとられてしまった
異常に暗い照明に蛍灯りのように照らすシャングリラ、そして流れるムードのある音楽
少なくともこれはメイド喫茶というものではない気がする。
「あ、石渡。同伴出勤だからよろしくね♪」
エレベーターの中で呆気にとられているオレを尻目にメイドさんはレジ前にどっしりとスーツ姿で座る大男に声を掛けている。
その大男がこれまたやたら小さいメイドさんと比べて身長2mはあるんじゃないかってくらいに大きくガタイがしっかりしている。
「仕方ない、ここは覚悟を決めるか」
再び閉まろうとするエレベーターの扉を手で止めると店内に入る。
「・・・・・・。」
無言でどっしりとレジに座る石渡を横目にメイドさんの後追い店内を奥へと進んでいく
店内は真っ赤なソファにガラス張りのテーブルがあちこちにあるがそれにはそれぞれが個室になるようにピンク色のカーテンが設置されている。
・・・まずいだろこれは、まるで風俗店じゃないか
思わず生唾を飲み込み邪推してしまった。
いくつかの席はカーテンが閉められている、その中でなにが行われているのか気になるところだ。
・・・もちろん仕事としてだ、個人的な感情ではないぞ!!
「じゃとりあえずここに座って」
「ああ」
メイドさんが指示するままにソファに腰掛ける。オレが座ったのを確認するとメイドさんはスカートのポケットからハート型の名札を取り出しメイド服胸元に着けると
「私、“四葉”と言います。お隣失礼しますね御主人様」
メイドさん、もとい四葉は先ほどまでとは違う妙に可愛らしい声でそう告げてオレの隣にちょこんと腰掛けた。
そしてメニューを取ると「なににしようかなー♪」と鼻歌交じりに足をバタバタさせている
傍から見ればファミレスでメニューを決めるお子様のようだ。
「わたりん♪注文よろしく~♪」
俺にメニューを見せることなく呼び出しのベルを鳴らす四葉、いやちょっと待ておかしいだろうこれは、なんで給仕する側のメイドが勝手に注文してるんだよ!
「・・・・・・お呼び、ですか」
そんなことを思ってると先程レジにいた石渡が大きな体を揺らし天井にぶら下るシャングリアを掻き分け注文をとりに来た。
「私は梅酒のロックで、ええっと御主人様は何になさいますか?」
「ちょっと待て、注文してるけどもしかしてあんたの分も支払うのかこれ?」
「そうですけど硬派な御主人様はそんな小さなことは気にしませんよね」
そう言ってにっこりと笑う四葉。
『硬派』、その言葉を言われるとオレが退くには退けないことをこの四葉はいつのまにか熟知してやがる。
「わ、わかったとりあえずオレは烏龍茶を・・・」
「わたりん、御主人様はウーロンハイを御所望よ!あとポテトフライ大盛りもね」
「・・・・・・押忍。」
石渡は大きな手に持った小さな注文表に注文を書き込むとぎこちなく会釈をして下がって行った。
「なに勝手に注文変えてるんだよ」
「あら?女の子が飲むのだから当然でしょ?」
「飲むのは、まぁいいけど。君は飲んでもいい年齢なのか?」
あまりの傍若無人さに思わず本音がでてしまう
「当たり前でしょ!あーもしかして私の見た目から小学生だとか貧乳だとか思ったんでしょ!!」
そうやって膨れっ面を見せる四葉はまさに小学生にしか見えないんだが。
「私はこれでも22歳なんだから、今度そうゆう発言したら制裁が入るわよ」
「はいはい、すいませんでした」
22歳って・・・オレよりも一つ年上なのかよ、どうゆう物食べればこんな小さく育つんだかしらないがまぁ黙っておこう。
「・・・・・・お待たせしました。」
石渡がその低い声とともに戻ってくるとテーブルに飲み物とポテトフライを並べる。ちなみにオレの頼んだ烏龍茶はきっちりとウーロンハイに変わっていた。
「ありがと、わたりん♪」
「・・・・・・押忍。」
四葉に声をかけられると一瞬笑みを見せた石渡だったがすぐにまた無表情に戻って下がっていく。しかし酒かそういえば飲むのは実家のお隣さん鈴木京子さんと飲んだとき以来か。あのときは酷かったな・・・酒を飲んだら暴君へと豹変する鈴木さんを見てからあの人の家には近づかないと誓ったんだよな。
「ほら御主人様、乾杯しますわよ」
「ああ、すまん」
「べ、別にあんたと乾杯したいんじゃないんだからね!!」
「よくわからないけどまぁ乾杯」
何故か恥ずかしそうにグラスを出す四葉とグラスを合わせる。辺りに心地良いグラスの音がし、オレは渋々グラスに注がれたウーロンハイを口にする。そんなにアルコール度数は高くないがやっぱり喉を通る感覚は酒を飲んでいる感覚だ、しかし平日の昼間から酒とはオレも良い身分だな。
「あー美味しい。あ、別にあんたと飲むから美味しいわけじゃないんだから勘違いしないでよね!」
四葉はグラスを一口するとまた意味不明なことを言う。急に恥ずかしがったりどうみても演技なのはわかるんだけどなにがしたいのかオレにはさっぱりだ。
「あのさ四葉さん、一つ質問してもよろしいかな?」
「な、なによ・・・慣れなれしく話しかけないでよね!」
四葉は膨れっ面で顔を背ける、またその演技が下手糞でどうすればいいんだか対応に困る。
はっきりとさせてしまったほうがいいだろう、無論下手糞ってことは言わないで。
「そのさっきからやってる“演技”って言えばいいのかな、それなに?」
オレの言葉に四葉は驚きの声をあげる。
「え、ツンデレ知らないの?オタクの癖に」
ツン・・・デレ?全く聞き覚えのない言葉だ、いやその前に!
「いやオレはオタクじゃないって!硬派な男なんだって」
「あ、硬派なオタクってことか」
「オタクってところから離れろって!」
そんなやり取りをしているその時だった。
「神楽坂殿はオタクではありませんですぞ!!」
ちょうどオレ達の後ろピンク色のカーテン仕切られた向こう側の席から大きな声がし、カーテンが開かれる。
『えっ?』
思わずオレと四葉は振り返る、そこにいたのは───


───それから三時間後、流石硬派のカリスマというべきか天城さんの勘は当たっていた。
「しっかしまさか誰もこないとはな」
「そうですね、こんなにゆっくり賄いが食べれるとは思っても見なかったです」
客のいない店内でオレと五葉は二人カウンターに並んで、天城さんのつくった賄いであるハムカツサンドを食していた。
ちなみに天城さんの作るハムカツサンドは本当賄いとは思えないほど美味い、リチェルカーレのメニューにないのが不思議なくらいだ。
「今日は大体こんな感じだとは俺も思っていたが、ここまでとは対策を考えないといけないな」
オレたちと反対側、キッチン側でコーヒーを啜る天城さんが呟く。しかし一人も来ないという状況は天城さんも予想外だったらしい。そりゃ普段なら開店と同時に常連客がやってきてやれあのゲームはどうだとかあのアニメはどうだとか大体この賄いの時間までやっているんだからな。
「けどなんで今日はお客さんがこないってわかったんですか店長?」
「それなんだが二人ともこれを見てくれ、今日の新聞に折り込まれていたチラシだ」
五葉の問いに天城さんは一枚の妙にカラフルな色合いのチラシを差し出す。
「こ、これは・・・」
チラシを見て思わず自分の目を疑った。なんなんだこれは、なんで?ここで?
思わず驚愕したそれはパステルカラーな色合いで大きく書かれていた

───桜花町に新しくメイド喫茶『カンツォーナ』オープン!!

「新しいメイド喫茶ですか?」
「ああ、うちに来る客ってのはある種で流行に流されやすい。先週まで『魔法少女エリスは神アニメ!!』って言ってのが後期に入ってはすっかり忘れられて見向きもされていない、そのことからもわかるだろう?」
驚いた様子で尋ねる五葉に天城さんは解説を入れる。・・・だが例えが特殊すぎてオレには全くわからない、五葉は「なるほど、そうゆうわけですね!」と納得していたがな。
というかなんで桜花町なんだ?桜花町といえば中途半端な田舎町だ、その辺歩いていたら
畑仕事中の御婆ちゃんが「これお食べ」って干し柿くれるような長閑な田舎町。
都会ならいざ知らずスーパーだって町に一店舗しかないってのにメイド喫茶が二店舗もあるこの状況おかしすぎるだろ?
「しかし初日とはいえこうも影響力があるとは見過ごせないな、ここは一つ」
そう言って天城さんはオレの顔をじっと見る。あれ?これ嫌な予感ってやつじゃ・・・
「よし恭治!次の定休日『カンツォーナ』に行ってどんなサービスしているか見てこい!」
「えっ、あ・・・はい!」
思わず条件反射で答えていた。
流石にそう何度も動じていられない、とは言っても内心面倒なことになったとは思った。
硬派を目指すオレにメイド喫茶に行って来いっていうんだからな。
これはもう修行と考えるしかない、とりあえずそう考えておけばオレの中でとりあえず収まりはつくんだから

 


「しかしどこにあるんだ?メイド喫茶『カンツォーレ』ってのは」
天城さんの言うとおりオレはリチェルカーレの定休日である水曜日に桜花町駅前までやってきていた。平日の昼間ともあって人通りは大していない、そんななかオレはジャケットにジーンズという出で立ちで手に『カンツォーナ』のチラシ、もう片方の手には天城さんより託された諭吉様をもって右往左往していた。今回のオレへの指令は喫茶店『カンツォーナ』へ行って諭吉様を使い果たすほどのサービスを受けて来い、ということだ。ちなみに五葉と天城さんはリチェルカーレで新しいメニュー作りに勤しんでいる。
なにせメイド喫茶『カンツォーナ』がオープンしてから今日まで三日あったが、その間リチェルカーレにやってきた客はまさかの0人、オレが偵察してくるだけでは見過ごせない状況になっていたからだ。
「普通に考えたら桜花町にメイド喫茶なんてあればすぐわかるとおもうんだけどな」
チラシには『桜花町駅前にオープン』としか書かれていない、こうゆうときにリチェルカーレの常連客の奴らがいればすぐにわかるんだろうがなにせ『カンツォーナ』開店以来来ていない薄情者達なんで役に立ちはしない。さて、どうしたもんか
「ちょっと、そこのあんた!」
途方にくれていた矢先、後ろから声をかけられた。
「・・・と、思ったが気のせいか」
振り向いてみるがそこには誰もいな・・・
「下よ、下っ!!下を見なさい!!」
「あ、人がいた。」
声に従って視線を下げてみるとそこには小さな女の子がいた。
背の高さからいうと中学生、いや小学生くらいか?金髪を頭の上で二つに分けて束ねる、えっとなんだっけそうだツインテールな髪型にオレンジを基調としたミニスカートのメイド服はどこぞのアニメのキャラクターのようだ。
あれ?・・・メイド服ってことは
「もしかして君、『カンツォーナ』のメイドさん?」
「そうよ、休憩中だったから外に出てみたらなんかほらうちのチラシ持って挙動不審な男がいたから声かけてみたわけ」
「いやオレ全然挙動不審じゃないぞ、ただ店がわからなかっただけだよ」
「あら、そうかしら?私には『メイド喫茶に行こうか迷っている』挙動不審なオタクのように見えたけど?」
くすりとからかう様にツインテールなメイドさんは笑う、見た目が子供なわりには仕草は大人っぽく見える。
「そもそもオレはオタクじゃない、どちらかといえば硬派な人間だ」
「ふぅん、でもなんで硬派な人間がメイド喫茶に行こうとしてるの?」
「・・・それには海よりも深い訳があるんだよ、とりあえず店の場所を教えてくれよ」
人通りの少ない桜花町とはいえあんまり外でこんなヒラヒラなメイド服着た女の子と話していたくはない、下手すれば職務質問されても仕方ない状況だぞこれ
「店の場所ね、しょうがないから教えてあげるわよ同伴出勤でね」
そう言ってツインテールなメイドさんは指で「こっちこっち」と道を指し示しながら歩いていく。
「行くか・・・敵地『カンツォーナ』へ」
誰に語るでもなく呟くとオレは一息ついてそのツインテールのメイドさんの後を追った。


別に仲が悪いとかそうゆうのではなく、これが二人のベストな関係なんだと思う。

「あ・・・またやられちゃいました」
しばらくして五葉が言葉を漏らす。画面では今日何度目かという主人公が倒れているシーンが映っていた。
「みたいだな、そろそろ時間だし店のほうへ行くか?」
「はい、そうですね」
オレの問いに五葉は小さく頷くと手に持ったコントローラーを置き、ゲーム機本体の電源を落す。それを見てオレも五輪の書を閉じ立ち上がった
時計の針はなんだかんだで十一時を過ぎていたが開店の準備をするには充分余裕がある。
「にしても昔オレがやったセイバークエストはもうちょっと面白かったんだけどなぁ」
いかんせんゲーム自体小学生の頃以来やっていないから最近のゲームってのが理解できないがなんとなく映像だけ綺麗でなんか魅力を感じない気がする。
「昔ってどれくらい昔ですか?私最近のしか知らなくてお客さんもときどき『昔は良かった』と仰るのでちょっと気になります」
「別にオレはゲームマニアってわけじゃないけど・・・まぁあれだよ復活のおまじないってのがあった頃かな、ノートに汚い字で必死におまじないを写してた、汚い字だったから次の日に読めなくて泣く泣く前のデータから始めたりしてなぁ」
五葉とそんな会話を交わしながら二人で階段を下りていく。
・・・おまじない、おまじないと言えばそういえば一つ報告しなければならないことがあった。
音瀬五葉と出合ったあの日そしてその夜に行ったおまじない、効果なんてないって思った
『すこし幸せになれるおまじない』なんだがあれから実は効果があったのだ。
驚くなかれ、
───それは
「そういえば神楽坂さんそろそろメニューは覚えました?」
「よく出るやつは覚えた、レアなのもまぁそこそこって感じかな」
そう、オレこと神楽坂恭治はこの度喫茶店『リチェルカーレ』のキッチンを任されることになったのだ!!
今やメイド喫茶となってしまっているがそれでも憧れの天城さんの店で働くことができるようになったのはかなり嬉しい。料理のほうはまぁ昔からやっているのでそこそこできるんだけどもっぱら変なメニューを覚えるのが大変って状況だ
・・・働くことができたのがそれは本当に五葉のおまじないのおかげかって?あんまり深いことは考えるな
そうとでも思ってないとあんなに一生懸命やった五葉に申し訳ないだろう。
一階に降りて事務所の扉をノックし声を掛ける
「おはようございます天城さん!」
「おはようございます店長」
「ああ、二人とも入ってくれ」
渋い天城さんの声を聞いてオレ達は中に入る。店内がピンク一色な分、事務所は相変わらずシックで落ち着いている。そんな中天城さんはいつものスーツ姿でソファに寝転がり経済新聞を広げていた
「よし、まぁ朝礼を始めるか」
天城さんは読んでいた経済新聞を綺麗にたたみソファの上に置くとゆっくり立ち上がるのに
合わせる様にオレと五葉は横一列に整列する、これがいつもの流れだ
「今日はこれといって連絡事項はない・・・恭治、五葉よろしく頼む。」
「はいっ!」
天城さんの言葉に二人揃って返事をする。
実のところ天城さんは今のリチェルカーレでは事務的な仕事が多く、昔───といってもオレが修行に出る前のことだが───のようにカウンターに立ったりはしていない。
メイド喫茶に経営を変更してからというものオレがキッチンに入るまではずっと店のことは
ホールからキッチンまでほとんど五葉がやることになっていた
まぁオレがキッチンに入ることになった今は五葉は接客に集中することができるようになったこともあってリチェルカーレの売り上げも上がってきている。
メイド喫茶になったとはいえリチェルカーレに貢献できるのは正直嬉しいところだ
「それでは店長、お店のほう準備しますね」
「ああ、ちょっと待て。まぁこれは連絡事項ではなくて俺の勘なんだが」
「はい?なんですか」
五葉を呼び止めた天城さんは珍しく言うか言わざるか少し悩んだ様子で
「多分、今日は客の数が少ない・・・客が少ないときこそサービスをしっかり頼む」
とだけ言ってソファに戻っていった。

「どうゆうことなんでしょうかお客さんが今日は少ないって」
事務所を出てリチェルカーレ店内に入ると五葉は不思議そうにオレに尋ねてきた。
「よくわからないな・・・天城さんのことだからなにかしら原因があって客足が少ないって言ってるんだとは思うんだけどな」
そもそもメイド喫茶の客足が少なくなる状況なんてあるのか?と勘ぐってしまう
元より桜花町は中途半端な田舎町だ、そんなところでやっているこのメイド喫茶『リチェルカーレ』が経営できているのは曲りなりとも常連客ってのがいるからだ
「常連客か・・・」
五葉はホールをオレはキッチンへと分かれて開店の準備をする。リチェルカーレの店内は元々普通の喫茶店ということもありキッチンはカウンターを境にホールと繋がっていて店内を見渡せるようになっている
なっているおかげでその“常連客”からはオレの姿が見えるわけで、あんまり良い目で見られてはいない。そりゃそうだ、五葉とはじめて会ったときにやったおまじない・・・後から聞いた話だが五葉がおまじないをやるってのはこの店では超レアなイベントで客からすればなんでいきなりオレが?って状況だったらしい。
更には次の日からキッチンでオレが働くことになったもんだから常連客の冷ややかな目をそこはかとなく受けることになるのは当然のことだった。
まぁ一部例外な常連客がいるがこれはまぁとりあえず置いておこう。
「そうだ、なんか今日ゲームの発売日とかそんなんじゃないのか?」
キッチン周りを濡れ布巾で拭きながらホールで箒掛けしている五葉に尋ねてみる。素人考えだがなんか新作ゲームの発売日になるとその攻略に必死で店には来そうにないんだが
「私の知ってる限り今日はそんな有名タイトルの発売日じゃないはずですよ、そもそももしそんな日だったら店長がこの時間店にいるとは思えないですし」
「そうか、なら本当なんでなんだろうな」
あの硬派のカリスマと言われた天城さんがそんなゲームの発売日までばっちり把握してるなんて想像したくもないが、五葉の言うとおりなんだろうな
しかし天城さんが勘と言ったとはいえ適当なことを言う人ではない、なにかしら理由があってのことなんだろうがオレ達に想像はできないまま喫茶店『リチェルカーレ』はオープンの時間となった。


「ここがこれから俺が通う高校・・・」
少年は静かに出てきた校舎を見上げた。少年の手にはしっかりと学校説明会の封筒が握られている。
・・・それはどこにでもある“中学生が高校の学校説明会に来た”という風景
見た目も制服の詰襟をきっちりして髪を短く切りそろえたどこににでもいそうな中学生、本当にそんな風に周りの人間には映っていた
「さて、行くか」
少年は静かに呟くと歩を進める。行き先は部活動があるグラウンドではなく・・・校舎裏
「・・・・いた」
ぐちゃりと湿った落ち葉を踏みしめて少年は言葉を漏らす、活気がある部活動とはかけ離れ
数人が座り込んでとある行為が行われていた
「・・・・ちっ」
本来高校ではあるべきではない臭いが少年を苛立たせる、それに気が付いたようでその数人から一人が不良独特の肩をいならせながら少年に歩み寄り問答無用で胸倉を掴む
「ああ?中坊がなに見てんだよぉ!?」
「お前が雛形か?いや、違うな・・・こうゆう時出てくるのは大抵下っ端だ」
「んだとぉ!?」
不良が腕を振り上げるがそれが少年に振り下ろされることはなかった。不良が気が付いた時には既に彼の体は宙に浮き上がり地面に激しく叩き付けられた後だったからだ
何が起こったか、それがその場にいた人間でわかったのは少年だけだ
「なんだこいつ?」
「やろうっていうのか!?」
あまりに出来事に不良たちは色めき立つが少年は意に介さず近づいていき、一人の男の前で立ち止まった
「あんただな、桜花高校総番雛形康弘」
普通の中学生が不良を軽々と投げ飛ばす、その状況にあってなおただ一人微動だにせず
煙草を吹かしていた男だ。
不良特有の単ラン、髪はどこの世紀末かと言わんばかりのモヒカンな男───雛形は少年を軽く一瞥するとゆっくりと立ち上がり顔をまじまじと睨み付ける
「確かに俺が雛形だがなんだお前は?この辺じゃみねぇ顔だな」
雛形は顔を近づけたまま少年に口に含んだ煙を吹きかける、その様子に周りの不良達は笑い出すも少年は様子を変えずじっと雛形をにらみつけたままその手にあった煙草を奪い取ると
そのまま掌の中で握り締めた
「未成年者喫煙禁止法って知ってるか先輩?あんたのやってることは立派な法律違反だぜ」
少年の握りこんだ拳から微かに煙があがるのがわかる、だがそれに意を解さず雛形は更に顔を近づける
「なんだぁ?わざわざそんなこと言いに来たのかよ!」
「お前みたいなのが総番だから風紀が乱れるんだ、俺が代わってやるよ」
少年の無謀ともいえる発言に雛形のもとより悪い目つきが余計険しくなった
「はっ?お前が?俺は桜花高校に隣町の港高校を纏める総番だぞ、俺に喧嘩を売るってことはグハッ!!」
雛形は言葉を言いきる前に遥か後ろに吹っ飛びフェンスに叩き付けられていた。
後から聞いた話だが少年が使ったのは八極拳の暗勁と呼ばれるものだったらしい。
予備動作が少なく破壊力抜群のその技に周りの不良達はあっけにとられるしかなかった。
「覚悟ならとっくにできてるぜ。そして宣言しておく、俺に総番を任せたら三年以内に全国を制覇してやるってな、まぁ聞こえちゃいないだろうが」
完全に気を失いぐったりしている雛形を一瞥すると少年は踵を返す
「お、おい!お前一体何者なんだ?」
何事もなかったように颯爽立ち去っていく少年に不良の一人が声を掛ける、それに少年は立ち止まり振り返ることなく答えた。
「何者かと問われれば、俺の名は硬派、天城仁!」

 


「な、凄いだろ!?天城さん中学生のときに既に高校生相手に戦ってたんだぜ?」
「んーそれは確かに凄いですね、漫画みたいです」
息巻いて天城さんの武勇伝を語るオレに対して五葉はゲームのコントローラを握ったままこっちを見ることなく答えた
「白川良介さんの最新作は面白くないです、大魔王強すぎですネットゲームじゃあるまいし、これじゃ開店前のレベル上げじゃあと一ヶ月はやらないといけないです」
「じゃあ止めればいいんじゃないのか?」
「そうなんですけどセイバークエスト、一応人気作ですからお店でよく話題になりますし」
・・・なるほど話題作りのためね、あまりに淡白な回答に頷くしかなかった。
ってあれ?天城さんの武勇伝の感想「漫画みたい」で終わり!?
あの五葉とのおまじないから二週間が経った、慣れとは怖いものでオレこと神楽坂恭治の
硬派になるための修行と称した音瀬五葉との同居生活もかなり慣れたもんだった
そりゃまぁ初めの頃こそ興奮して寝れなかった日々が続いたがな
喫茶店「リチェルカーレ」は水曜日休みのお昼十二時オープンの夜六時閉店、五葉は朝起きてメイド服に着替えてからずっとこんな調子だ。まぁ別にもう慣れたけどな
五葉がゲームに夢中の間オレのやることと言えば愛読書の五輪の書を読み返すことくらいだ
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
そうゆうわけで開店までのこの時間、二人の間では結構長い沈黙が多々ある。そりゃまぁさっきのみたいにちょこちょこと会話はするがなんていうかなんだろうなあまり盛り上がったことは・・・ない。

プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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