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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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「ちょこれーとくろすえっじ・あなざー」



今から二千年前、大きな戦争がありそこで使われた化学兵器により遺伝子異常が発生・・・・多くの文明が失われるとともに
人間以外の生物が遺伝子異常を起こしこの世から食べ物が失われた。
人類の98%が死滅した世界において人間が生きていくためには『遺伝子管理局』の提供するサプリメントを摂る以外に
方法はなくなった・・・・。



───というのは、嘘だ。



遺伝子管理局本部の上層、天に聳え立つ『塔』には管理局の限られた人間だけが住むことができる移住区がある。
「いやぁー今日も疲れたぜ」
二千年前と変わらぬスーツ姿で俺は額に流れる汗を拭いながら綺羅びやかな街並みにを歩く。
「まぁここでいいか」
そして入る一軒の店、『龍眼亭』、この辺ではどこにでもある居酒屋だ。
「いらっしゃいませー」
中は結構盛況のようで大勢の人間が各々の席で“食事”を楽しんでいる。
「ご注文はいかがしましょう?」
「それじゃとりあえずビールで」
ウェイトレスに注文を頼むと目の前にあるモニターを注視する。モニターにはすぐさま“ビール中”と書かれた文字とともに
ダウンロード表示がされパーセンテージの数字が進んでいく。
『ダウンロード完了いたしました。ごゆっくりどうぞ』
機械音とともに俺は首からケーブルを取り出すとテーブルにあるジャックに差し込む。しばらくすると口の中にビールの“味”が広がっていく。
この世の中からは確かに食べ物はなくなった。遺伝子異常をした生物を食べれば人間はカテゴリーエラーという異形に変化してしまう。だが選ばれた人間は管理局が保存した正常な遺伝子を持った生物から得られた遺伝子データを取り込むことで“食事”をすることができる。データからは人間が生きていくために必要な栄養だけではなく、食感、匂い、喉越しまでも再現される。無論そのためには人間側にも“それなりの改造”が必要ではあるが、そんなことは些細なことだろう。俺達の遥か下の世界で
這いつくばっている奴等は味もろくにしないサプリメントで生活しているんだからな。
「でもあいつら知らねーんだろうなぁ、サプリメントの材料のこと。おっと焼き鳥も頼んじゃうか」
俺は目の前のモニターを操作し、焼き鳥モモタレを頼もうとしたその時だった。
「うがあああああああああああ!!!」
店内に響き渡る叫び声、振り返ると一人の男性が苦しそうに首を押さえ地面に倒れ込む。
「おぇぇ・・・・おぇぇぇええええええ!!」
倒れこんだ男性が口から人とは思えない青緑の液体を吐き出し、それっきり動かなくなってしまった。
「な、なんだよ!・・・・うぐっ!」
叫び声を上げて俺は立ち上がるもすぐさまに喉元にやってきた気持ち悪さに膝から崩れ落ちる。
「がはっ、なん・・・・だよ、これ」
力が入らない、口からは先に倒れた男と同じ青緑の液体を吐き出し地面に水溜りを作る。それは俺だけではない、この店の中にいる客の全てが同じ様な症状を引き起こし苦しんでいる。
「これは・・・・ウィルス、か」
この症状、間違いない。この店のデータにウィルスが仕掛けられているのは間違いない、間違いなのだが・・・・
「俺は・・・・もう、ダメ・・・・だ」
ウィルスに抵抗する力などなかった。俺は助けを求めるように天に手を伸ばし、息絶えた。










私は、「塔」の中でも一番高いビルの屋上で佇んでいた。
「・・・・えてる?聞こえてますか翠歌さん!」
先程からオペレーターの由梨佳が悲痛な声で叫んでいる。私はその叫びに静かに耳元のスイッチを入れる。
「そんなに騒がなくても聞こえている由梨佳」
「翠歌さん!今街が大変なことになっているんです!」
「それについては確認している」
「だったらすぐに管理局に戻ってください!今、ウィルス対策本部で管理局員が集まっているんです!」
「その必要はない」
私はそれだけ言って耳元のスイッチを切るとイヤホンを外し放り投げる。強い風が吹き、私の銀色の髪をたなびかせた。
「・・・・決着が来たのね」
小さく呟くと両目の真っ赤な瞳で街を見つめる。綺羅びやかで夜のない光に彩られた世界、そこは地上にはない楽園だった。
「遺伝子管理員“翠歌”、独自任務を開始する」
私は、彼との決着をつけに形だけの平和な世界に飛び込んだ───




「うめぇぇえええええ!!!!ヤハリデータの食事!ヨリモ!ナマニクうめぇぇぇっ!!!」
「きゃぁああああああ!!!」
街は完全に混乱していた。逃げ惑う人とウィルスによって苦しむ人、そしてウィルスによってカテゴリーエラーと化したヒト。
平和ボケした人間は逃げ惑うしかなくカテゴリーエラー化したヒトによって捕食されていく。
「お、お父さん・・・・な、なんでお母さん食べて・・・・るの?」
「ウメェーーーーカラダヨォォォォォォ!!!!」
平和な街に血しぶきが飛び交い私の管理局の服を汚していく、私は静かに外装布から剣を取り出すと構える。
───これが、お前の望んだことか?
「オマオマオマオマ!カンリ局のスイスイスイスイス歌じゃじゃじゃじゃねねねねねかかかか」
カテゴリーエラーの一体がフラフラとした足取りでこちらに近づいてくる。髪は抜け落ち身体は肥大化し誰かはわからないが
肩に引っかかった管理局の制服から管理局の人間だったということはわかる。
「ウィゥィゥルスだ、クルシイ・・・・助けてくれスイスシイ歌ァア・・・・助けてクレ!!!!」
「残念だけどそれは無理、貴方はカテゴリーエラーに適合しなかった。死ぬより他、道はない」
私は二本の剣を一気にカテゴリーエラーに投げつける、が───
「イヤダシニタクナイ!!!シニタクナイダァァァァァァ!!!」
カテゴリーエラーが腕を駄々っ子のように振り回し剣を弾き飛ばすと一気に距離を詰めこちらに腕を振り上げる。
「たす助けて助けてクレエエエエエエエエエ!!!」
「無理だと言った。絶対必中武装“ソードビッカー”!!」
カテゴリーエラーを自らの赤い双眸で捉えると弾き飛ばされた剣が宙で向きを変えカテゴリーエラーの身体を貫く。
「ガハァアアアアアア!!!タスケ、タスケテ!!」
「悪いが話している暇はない、さようならだ依古」
かつての同僚の名を呟くと私は走りだす。答えは返ってこなかった、宙を舞う剣がカテゴリーエラーの腕を吹き飛ばし、足を吹き飛ばし首を吹き飛ばしていたからだ。




血塗られた街を抜け、私が辿り着いたのは一つの研究所だった。管理局が遺伝子研究のために使っていた研究所の一つであるが今は研究機材を別の場所に移動し廃墟と化している。
本来なら人一人近づくことない場所であるが私には彼がここにいるという確信があった。
「ここに残っている端末からウィルスをこの『塔』に放った、そうだろうドニー・・・・いえ、ドニチエコ!」
研究所の奥まった部屋、今は何もないはずのその場所に向かって私は叫ぶ。
「そのとおり、やはり君が一番乗りだね翠歌ちゃん」
私の叫びに落ち着いた声が返ってくる。それとともに部屋の明かりが一斉につきそこにいた声の主を照らしだす
かつての小汚い布切れを纏い無精髭を生やした男ではなく白い戦闘服に髪をオールバックにしたドニチエコは手元のPCを操作しながら私を見つめる。
「他の管理局の人間はどうしたんだい?」
「まだウィルスの発生源の特定に時間をかけている所。話しならできるわ」
「話だって?もう僕達は言葉で話しても無駄だと、地上で別れた時に言ったはずだけどね」
「そうだったな、ならば私は遺伝子管理官として遺伝子情報を汚すお前を打ち倒すだけだ!」
外装布から剣を取り出し構える。かつての仲間とはいえもうそこに迷いはなかった。
「翠歌ちゃんなら・・・・地上で苦しんでいる人達を見てきた君ならわかってくれると思ってたよ。でも君があくまで管理局に味方するなら僕はカテゴリークイーンを救い出しこの世界の人間全てをカテゴリーエラー化させる!」
「ふざけるな・・・・!そんなことをすれば人は人でなくなってしまう!」
「なぜわからない、なぜ認めない?カテゴリーエラー化こそ人間の正当な進化、そしてその最初のカテゴリーエラーとなったカテゴリークイーンはカテゴリーエラーの希望となる存在なんだ」
「黙れ!!!」
私は叫び剣を投げる。神速で投げられた剣は防御姿勢をとる前のドニチエコの両肩を貫き体ごと壁に叩きつけた。
「いくらそれが正当な進化だとしても、選ばれた人間のみ生き残れるそんな世界間違っている!!お前はこの街の状況を知っているのか!?」
「がはっ、知っているよもちろんね。けど君も知っているだろう?地上の人間がその姿を保つために摂取しているサプリメントの材料は同じ人間だ!同族を食らわなければ生きながらえない、そんなことを背負わせてきたここにいる人間は業を背負わなければならない!!」
「それで無関係の人間まで巻き込むのか!」
「そうだよ、その先に未来があるのなら!機械化された人間なんて間違った進化、僕は許さない!!」
ドニチエコは両肩に刺さった剣を腕をクロスさせ引き抜くとゆっくりとこちらに近づいてくる。普通の人間ならさっきの一撃でほぼ身体を動かすことなんてできないはずなのに。
「まさか、ドニチエコ・・・・お前は!!」
ドニチエコはその言葉に静かに言葉を返す。
「そうだ僕はもうカテゴリーエラーだ!」
「くっ・・・・!」
両腕を振り上げ斬りかかるドニチエコの攻撃をかわし眼の力を解放する。
「絶対必中武装“ソードビッカー”!!」
だが・・・・ドニチエコの持つ剣は反応こそすれど動く様子はない。
「な・・・・にぃ」
「無駄だよ、カテゴリーエラーになった僕の腕力からは逃れられない。今度はこちらから行くよ!」
そう言った瞬間ドニチエコの姿が目の前から消える。超高速での移動に目が追い付けない、ソードビッカーを押さえ込む力といい今まで戦ってきたカテゴリーエラーとは比べ物にならないほど強い!
「もらった!」
左後方にドニチエコが突如として現れると剣を降り下ろす。私はそれに合わせるように体を回転させると外装布ごと剣で受け止め ・・・・
「遅い!」
受け止めたと思った次の瞬間、右前方からのドニチエコの蹴りが私の腹を抉り吹き飛ばす。
「がはっ!」
コンクリートの壁に叩きつけられ口から血が吹き出す。どうやら肋骨の数本と内蔵がやられたようだ、ほとんど全身に力が入らなかった。
「終わりだよ翠歌ちゃん」
ドニチエコが剣を振り上げる。今の彼ならば迷いなく私に止めをさせるだろう。本当なら受け入れても良かった受け入れてあげたかった・・・・でも、それは叶わぬ願い。
「・・・・管理局の人間を甘く見るなって言ったでしょ」
顔を上げ赤い双眸でドニチエコの姿を捉える。これが最後だ、忘れないように目に焼き付けるように力を込め私は叫ぶ!
「絶対必中武装・・・・“ソードビッカー・バースト”!!!」
「なにっ!?」
ドニチエコの持つ剣の紅の宝玉が私の叫びと共に割れ、それと同時に大きな爆発が巻き起こる。
「くっ、ソードビッカー!」
私は残りの剣を掴み引きずられるようにして爆発から逃れ立ち上がる。
「あはは、やっぱりすごいな翠歌ちゃんはソードビッカーを思念の力で爆発させるなんて」
爆発の煙の向こう側でドニチエコは笑っていた。だが剣を握っていた左腕は肘から先が吹き飛びなくなっている、ダメージがないわけではない。
「くっ、これは奥の手だ・・・・だがあと五本ある、五本あればお前を倒すことくらいはできる!」
今にも倒れそうになる体を必死に堪えて剣を展開させる。
「だけどこっちにはまだ右手が残っている」
ドニチエコは右腕の剣を平に構える。一瞬の静寂ののち、二人の声は重なった!
「終わりだ、ドニチエコ!!!」
「うおおおおおおおおおっ!!!!!」
ありったけの思念を込めたソードビッカーが飛び、駆けるドニチエコの体とぶつかる。研究所の中に激しい爆音が響き渡った。




「はは、やっぱ・・・・強いや」
煙が晴れ最後に立っていたのは私だった。ドニチエコは体のほとんどが原型をとどめることなく半分無くなった顔でそう言うと前のめりに倒れる。
「勝った・・・・勝ったけど、まさか自分の剣に止めを刺されるなんてね」
私の腹にはソードビッカーがドニチエコの右腕ごと突き刺さっていた。結局二人とも信念を曲げることはなかった、けどそれで私が最後立っていたからといって、そこに何が残っていたのだろう。
「虚しい・・・・だけだな」
ずるりと体から力が抜け倒れこむ。私の目は真っ赤に染まった世界を見つめ、そこから逃れるように瞳をゆっくりと閉じる。
『警報、警報。訓練ではありません!管理局の決定によりウィルスに侵された該当地区を「塔」より切り離し地上へと落下させます。速やかに避難地区へと逃げてください。繰り返します・・・・』
警報音だけがそこにむなしく響き渡った。


なんていうの?劇場版になるとオリジナルストーリーで原作と全然違う展開
になるのみたいな?あれ苦手なんだよねぇ、といいつつやっちゃった(てへ

最近投稿が早いのはなんも文法とか考えてないからでよく読まなくても
変なところ沢山あるよ・・・・勢いだけだよこの小説



まぁそろそろMC書かないとヤバイっぽいので連続更新はここいらで一旦終了なのだー


劇場版設定(原作とは差異あり)

・カテゴリークイーン・・・・人間の姿のままカテゴリーエラーになれた最初の存在
不老であり特別に他のカテゴリーエラーの身体的変異を抑制する力を持つ
現在は管理局に幽閉されている

・サプリメントの材料・・・・だって遺伝子異常起きてないのは人間だけなんだから
人間食べるしかないじゃん?

・依古・・・・原作で絶対氷結武装使うイケメン、というか管理局ででてくる唯一の男
別に名前を出すほどでもなかったどーでもいい存在

・ソードビッカー・バースト・・・・翠歌ちゃんの思念の力を溜め込み爆発させる技
当然剣は壊れるので連発できない

・ドニチエコ・・・・すごくドニエチコと書き間違える、めどい。

・カテゴリーエラー・・・・人間の正当な進化の姿らしい。が70億いた人口が98%
減っている状況(大体一億ちょっと)でクイーンやドニチエコのように人間の姿
のままカテゴリーエラーになれる人間は1%以下
つまりほとんどいないってこと

・翠歌・・・・銀髪ツインテールに赤い瞳の美少女

・遺伝子異常していないカカオの種子・・・・翠歌が探しているもの。そういやそんな設定あったね、忘れてたわ

・塔・・・・棒があってそこに円形の大きさの違うわっかがくっついている感じ、切り離せるバームクーヘン
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外伝って言い切られるとコメントし辛いな……
(僕も外伝っぽいものを書こうかとも思ってたんだがw)

塔の設定は良いと思う
ダウンロードで飯が食えるとか、SFらしいし
そこにウィルス混入できるってもの合理的だ

これは「ドニチェコが敵になる→翠歌共倒れ」の部分以外も本編と違いがあるの?
(あと依古さんも死んでるか)
水曜日 2012/09/14(Fri)13:17:43 編集
んとね
外伝と言うよりかは設定だけ一緒なパラレルワールドなんであんまり気にしなくていいよ(というか外伝書くってこれのことじゃないよね?)


ダウンロードで飯が食べれるのは元々別の話で書こうとおもってたのを流用しました。なんで本来の設定じゃないですけど妙にはまったからこのままでもいいかなー
塔はちょっと二瓶さんの影響かも

本編なんて書くかどうかもあやしいところだけど
とりあえず違うのは依古さんはカテゴリーエラーになっては死なない(別で死ぬ)しドニーもカテゴリーエラーにはならない、そもそもドニチエコと翠歌は敵対しないというか本編だと翠歌が管理局を裏切って人間側について
カテゴリーエラー、人間、管理局の三つ巴になるのでもう細かいこと言い出したらきりがないかも
んでもまぁ大雑把な設定的はそのままです

ようは地上か塔の下層部(カテゴリーエラーが昇ってきてるなんてどうよ)で翠歌ちゃんがソードビッカー投げてれば話にはなると思うんだ、この話って(適当だなおい
つまるところ作者も適当なのです

氷桜夕雅 2012/09/14(Fri)13:49:11 編集
プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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