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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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「ちょこれぃとくろすえっじ」

「あなた、遺伝子異常を起こしていないカカオの種子のありそうな所知らない?」
赤茶けた砂漠の廃墟に一人蹲る老人に私は問いかける
やせ細り皺だらけ老人は光を失ったその目でじっとこちらを見つめるとしばらくして首を横に振った
「そう、ありがとう」
私は礼を言うと肩からかけている雑嚢から数種類のカプセルを取り出すと老人の前に置く、食料が食べられなくなったこの世界では人間が生きていくためにはサプリメントで栄養を補充するしかなくなっていた
人間以外の全ての動物、植物が突如遺伝子異常を起こすという現象が起きてから約二千年の歳月が過ぎた。一説には当時の大陸を支配していた国の軍事兵器の影響だとか自然を破壊しつくした人間への罪だとか色々言われてきたが今となっては定かではない
ただ、間違いなくこの世界において人間が生きることはとても難しくなったのは間違いない
「ちょっと、ちょっと待って!」
老人の下を立ち去ろうとした私に背後から若い男の声がする。振り返ると小汚い布切れを纏い無精髭を生やした男が大きく手を振りながらこちらへと走って来ているのが目に入った
「カカオの種子のあるところ、知っているの?」
「いや、それは知らない。そもそもカカオってなに?」
「なら用はない」
私は軽く嘆息すると踵を返し歩き出す、こんなところで油を売っていられるほど私は暇ではないのだ
「待って、待ってって!君のその胸の紋章、『管理局』の人だよね!」
男の言葉を無視し駆け足気味に歩を進める。こうゆう人間を相手にしてしまっては面倒だ、こいつらの次に言うであろうまず言葉は決まっている
「管理局は遺伝子異常を起こしていない生き物を集めているんだよね?だったら───」
「食べ物ならない、管理局から配られているサプリメント以外はな」
「それでもいい!この辺の地域の管理局の奴らサプリメントを俺達に配らずに自分達だけで独り占めしているんだ!」
男の言葉に私の足を止めた。管理局にそういうことをする人間がいるという報告は聞いていたがそれよりも気になったのが
「私がその管理局の奴等だったら、お前死んでるぞ」
管理局の配るサプリメントなくてはもはや人間は生きていくことはできない、管理局に逆らうことはこの世界での死を意味する
「あんたの紋章、奴等のとは違うもっとお偉いさんがつけているものだ、わかるんだ」
確かに私の紺色のコートに刺繍された紋章はこの地域のものとは色が違う、ここのような僻地にいる管理局は管理局の中でも一番低い位を示す茶色であるが私は管理局本部の人間でありその中でも特殊な遺伝子管理者と呼ばれる立場であるため紫色をしている、それを知っている人間は少ないはずなのだが
「詳しいな、だが管理局の悪口をあまり言わないほうが長生きできるぞ」
私は振り返りそう言うと雑嚢からサプリメントのビンを取り出すと男に向って放り投げる
「さっすがお偉いさんは話が分かる!あ、俺がそうゆうことに詳しいのは情報屋やってるからで名をドニチエコ、ドニーって呼んでくだせぇ」
「呼ぶつもりはない」
再び踵を返し私は歩き出す、先ほども言ったが私には時間があまりないのだ
「いやちょっと待ってよぉ!名前、君の名前教えてよ!」
「翠歌だ、満足か」
「翠歌ちゃん!いい名前だ!!でも情報屋としてはまだ気になることあるんだよ、そのなんだっけ君が探しているなんとかの種子っての」
「カカオの種子だ」
「そうそれ!それって美味いの?」
パッと顔を輝かせながら矢継ぎ早に質問してくるドニーに対して私の歩く速度はどんどん早くなる
「味は───知らない、管理局のデータベースだと『ちょこれぃと』と呼ばれるものの材料になるらしい。それは甘くて少し苦いと聞いた」
「苦いのかぁ、それはあんまり食べたくないなぁ」
「・・・・・・っ!」
残念そうに項垂れるドニーを他所に私は何かを違和感を覚えその足を止めた
この人を惹き付ける様な甘い香り、だがそれが食べ物に飢えた人間をおびき寄せる奴等の手口だというのは認識している
「あれ?どうしたの翠歌ちゃん?」
「五月蝿い、黙れ、私に近づくな!!!」
叫びと共に私は後ろにいるドニーを蹴り飛ばす。それは苛立ってのことではない、私の足元乾いた砂漠の砂が異常な盛り上がりをみせたからだ
「っってぇ!!!いきなりなにするんだよ翠歌ちゃ・・・えええっ!!!」
地面を勢いよく転がりながらも顔を上げたドニーが思わずその盛り上がった砂山、そしてそのなかに見える異形の生物に叫び声を上げる
「カテゴリーエラー!」
盛り上がる砂山から飛び降りながら私は叫ぶ。
「クケクケクケクケクェェェェヤァァァラァッァァ!!!!」
奇怪な声と共に異形の生物の姿が露になる。身の丈人間である私の六倍あろかという胴体に六つの顔、六つの右手、六つの左手、六つの右足、六つの左足が合わさった異様な姿におもわず嫌悪感を覚える
「な、なんだこの化け物は!?」
「情報屋という割には知らないのね。こいつはカテゴリーエラー、管理局の警告を無視して遺伝子異常生物を食べた人間の末路よ」
「これ人間かよ!」
「クックックッ!ニンゲン、ニンゲンニンゲン!!」
ほとんどの顔がだらしなく涎をたらしどこを見ているのか分からない中、一つの顔がじっと私達を見つめ声を上げた
「カンリキョクは、管理局は───遺伝子異常生物を食べるなと警告しているが俺は思う。もっともっともっともっともっと食べるべきだと!!そうすればほらこんなにニンゲンは強くなれる!!ヒヒッ、ヒヒヒッ!!」
カテゴリーエラーが両腕を振り上げ巨体に似合わず俊敏な動きで砂を巻き上げ飛び上がる
「う、うわぁぁぁ!」
「ちっ、叫んでいる暇があれば逃げろ!」
腰を抜かしているドニーに向って私は叫びながらカテゴリーエラーから距離をとり雑嚢から剣装布を取り出す
「人間のカテゴリーから外れた者っ!」
「外れた?ちっがぁぁぁぁぁぁぅっ!越えたんだよ俺はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
地響きのようなカテゴリーエラーの怒号と共に跳躍ひとつで私の前に着地すると力任せに両腕を振り下ろす
「腕が六本で六倍パンチ!!両腕あわせて十二倍のイリョクダァァァァ!」
「翠歌ちゃん危ない!」
振り下ろされた腕が地面を殴り砂漠の砂がカテゴリーエラーの身の丈ほどまで舞い上がる。確かに当たればただでは済みそうにはないな、当たればだが
後方へ跳躍すると剣装布から両刃の投剣を数本取り出しカテゴリーエラーへと投げつける。投剣は神速をもってして空を切りカテゴリーエラーの肉体を貫かんと飛ぶ、が───
「ろぉぉぉぉぉく倍の防御力!!きくかぁぁぁぁぁっ!!」
カテゴリーエラーは両腕を振り回しいともたやすく投剣を弾き飛ばす
「クックックッ!管理局とはいっても所詮、しょせぇぇぇぇん小娘だな!!ここんところ遺伝異常生物しか食べてなかったから美味しくいただいてやるぜぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「管理局をなめないほうがいい」
長い銀髪が風に靡き真紅の双眸がカテゴリーエラーをじっと睨みつける
「───絶対必中武装“ソードビッカー”」
「はぁぁぁぁぁ?何をいってやがっ───」
次の瞬間、声を上げていたカテゴリーエラーの首が飛んだ
「すげぇ!弾かれた剣が戻ってきた!」
「あばぶるびゃぁぁぁぁぁっ」
残りの頭達が涎を垂れ流し身体を大きく揺らしながらこちらに向ってくるがもはや勝負は決していた
「あぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
弾かれた投剣は空中で向きを変え、再び神速をもって次々とカテゴリーエラーの身体を刺し貫いていく
何本目かの腕が、頭が飛び宙に血しぶきを巻き上げたところでカテゴリーエラーは身体機能を停止───死んだ
「管理局すげぇ!!なになに翠歌ちゃんその武器なに!?」
先程まで腰を抜かしていたドニーが打って変わって嬉しそうにこちらに駆け寄ってくる
「くっ、邪魔だ!全く時間が無いというのに」
そう言ってドニーを振り払うと私はどこまでも続く砂漠を見つめ深く息を吐く
「えーなに?翠歌ちゃん、なにをそんなに急いでるんだい?俺に協力できることだったら言ってよ」
「今日はバレンタインだ───」
私は消え入るような声で呟いた

 

                                                  つづかない



どうだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
久しぶりにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!
一日で書いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!


高橋邦子先生をリスペクトするつもりが結果としていつの間にかリスペクトしてたのはブラムでした\(^o^)/
だがそんなこと知るかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!

この物語は管理局の遺伝子管理者である翠歌ちゃんが「遺伝子汚染されてないカカオの種子知らない?」って
「ネット端末しらない?」みたいな感じに聞きまくって絶対必中武装ソードビッカーで珪素生物みたいなカテゴリーエラーをぶっ刺していくそんな話
ドニーはあれ、ブラム1巻後半にでてた建設者が止まったぞー→吹っ飛ばされる人のイメージ
てかもろパクリやーん!
翠歌ちゃんはもっと無口キャラでいきたかったんだけど地の文が一人称であるがせいで結構喋ってるな
そして質問にちゃんと答える翠歌ちゃん偉い!

ドニーの元、ドニチエコキップなんだけどこれ書くまでドニエチゴキップだと思ってた。
ドニエチゴってどうゆう意味?って思ってた、反省!!
あと絶対必中武装ソードビッカーは東映版スパイダーマンにでてくるロボット、レオパルドンの必殺武器
本当に一撃必殺、一発で最終回の敵ロボですら葬る恐怖の投剣、それが元ネタ


構想20分、仕事中にラジオでバレンタイン、バレンタイン五月蝿いからかっとなって
書いた反省している
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ソードビッカーはカテエラの肉を12352394823812g削ぎとった!
ドニーは、間違いなくクモイだと思ったよ。
カテエラが襲って来た時、ドニー瞬殺されそう……と思ったけど大丈夫だった。良かった。良かった。
てか敵の名前がカテエラって!w
これ応募したら編集に向かって問題提起してる作品みたいになるな。メタ的に。

明らかにブラムっぽいんだけど、ブラム自体も別のSFからネタを引っ張ってきてるはず。
だから、単純にSFっぽいと思ったよ。ブラムっぽいの前に。
管理局と「遺伝子異常の物を食べてはいけない」ってルールに左右される一般人が居ると、未来の生活感が出る。
これはアリだなあ、というかサイコスペースにはそれが欠けていたw(お前の話かよ)

あと、バレンタインデーが、現代からこの時代への変化の大きさを象徴してるのが良い。
ブラム学園の奈良でサイバーな鹿に襲われる話も、現代にあるものをアレンジした話だし、
未来だからこそ、現代にある物をテーマにした方がいいと思った。

カテエラのキャラは面白いし…………これが邦子成分なのか?
「腕6本で6倍ガード」とかすごい頭悪そうだけど、それも遺伝子異常のせいかと思えばSFの範疇かな?と納得しちゃったよ、俺。
これはこれで王道バトルSFなんじゃない?
と書こうと思ったら、「生命活動を停止──死んだ」が出てきてアウトw
知らない人が読んだら何の問題もないのに、知ってる人にとってはブラムパクリより深刻だ……
桜井 2011/02/14(Mon)21:50:10 編集
悪魔は皆そう言うのだ!!
あーフユちゃんまじカワイイ・・・

あ、そそクモイだ、クモイ!
ドニーはその通り元々カテエラに殺される予定だったんだけど最後に翠歌にバレンタインのこと言わすのに必要だったから結果生き延びました
非戦闘員にバトルの合間に叫ばせることでなんとか存在感をだしたことがちょっと進歩

敵の名前がカテエラってのはカテゴリーエラーって言葉を知ってからずっと使おうと思ってた
ベルクソンの話ででてくるカテゴリーってのの異常形態、カテゴリーエラーってのを出そうと考えたのです、ちょっと変わったけど
バレンタインはあれ、オチとして「こんなにクールぶってたのにバレンタインチョコのために頑張ってたのかよ!!」ってやろうとした結果ですね
初めは翠歌とナビゲーターの二人でカテエラを倒した後カカオの種子を見つけてクールだった翠歌が急に「やったぁこれでバレンタインチョコつくれる♪」「総統に告白頑張って!」って台無しにする予定だった

カテエラが邦子成分・・・・


そうに決まってるだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
無駄に伸ばすのでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!
邦子成分を出したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

うんでも、難しいね♪

六本腕ガードで防御力6倍は逝っちゃったバカを演出したかった


>「生命活動を停止──死んだ」が出てきてアウトw

バレタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
意外とスルーされるかと不安だったけど
バレタァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!

でも、まっいっか♪
スルーされるよりもましだもんね♪
氷桜夕雅 2011/02/14(Mon)23:46:10 編集
プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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