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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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「いやまぁしかしなんだ、千里いい眺めだな」
「まぁ・・・ね」
皿を磨きながらさっきから同じことを言っている満に相槌を打つ、まぁでも言わんとしないことはわからないでもない眺めがキッチンにいる僕らからは見えている
「それでこうスカートの端を持って『いってらっしゃいませ御主人様』ってやるんですよ」
「え、えっとこう・・・ですか?」
俺達の今いる喫茶店“リチェルカーレ”のメイドさん、音瀬五葉さんの指示に合わせてぎこちなく綾音先輩がスカートの端を持ち上げている。流石綾音先輩だ、メイド服もばっちり着こなしている
俺こと聖千里と幼馴染の工藤満、そして綾音先輩で構成される城山学園“喫茶同好会”は今ひょんなことからこの喫茶店“リチェルカーレ”で『喫茶店での仕事』について研修を受けさせて貰っている
というのも諸事情で入学が遅れた僕の作った“喫茶同好会”は設立にも色々と難儀したがまだ部室も確保できていない状況だ、そこで幼馴染である片桐美夏と浅葱良を当てにして演劇部の部室を一部借りようと思っていたんだがここで一つ問題が起きた
城山学園謎の生徒会が僕達のこの穏便に済むはずの交渉に無理矢理割り込んできたのだ
・・・ちなみにどこが謎といわれているのかは俺自身よくわかってはいない
「えーそんなの穏便な展開受理できないー♪演劇部に喫茶同好会が模擬店勝負で勝ったら部室を奪える!ってことにしたほうが面白いでしょー♪ってことでイベントよー♪」
てな感じに生徒会長である咲山瑠久の鶴の一声で強制的に演劇部との模擬店対決となってしまい、模擬店なんてやったことなかった僕達は憧れの人でもある春美ねぇに相談したところ
「だったら喫茶店の仕事を学ぶにはいいところがあるから紹介してあげる」
とまぁ・・・それでこの喫茶店“リチェルカーレ”を紹介されたんだけど
まさか巷で言うところのメイド喫茶ってやつだとは全く思っていなかった
春美ねぇの言うには『とても落ち着いた雰囲気のいい店』ってことだったんだけどこの店一面に広がるピンク色の壁紙はどうにも落ち着いた雰囲気とは言えない気がする
でも春美ねぇの言うことに間違いはないはずだから、頑張らねば
「うーむ、どうせならカメラとか持って来るべきだったかな」
そんな決意とは裏腹に満がそう唸る。まぁその気持ちはわからないでもないけど・・・
「メイド服姿の綾音先輩もいいけど五葉さんも綺麗だよな、他にも今いないけど四葉さんってメイドさんも可愛いし折角だから少しはお近づきになりたいところだなぁ」
「そ、そうだね。ところでミツ、お喋りはその辺にしておかないとなんていうか」
適当に相槌を打っておいて皿を磨きに力を入れる。
満は気が付いてないけどさっきから満の背後にはリチェルカーレのキッチンを任されている
神楽坂恭治さんがコップエプロンを着けながら怖い笑みを浮かべてるんだよね
「千里だったら誰を選・・・あだだだだっ」
「はいはい満君、手が動いてないぞ~仕事ちゃんとしようか」
「あだだだっ、ギブギブです神楽坂さん!」
まぁ流石にこの展開は予想できたけど、うんちゃんとやろうなミツ
「っ~~~~!!痛いですよぉ神楽坂さん」
アイアンクローされた頭を押さえながら満は蹲る、それを見ながら神楽坂さんは溜息混じりに軽く一息ついた
「こんなの天城さんのに比べたら大したことないって。だいたい店が始まったら見てる暇なんてないからな、そのなんだ演劇部との模擬店勝負に勝たないといけないんだろ・・・よくわからないけど」
「すいません神楽坂さん、ミツには俺からきつく言っておきますので」
「いやもう充分きついの貰ったからいいって。けど本当に昼間からそんなにお客来るんですか?」
「まぁ百聞は一見にしかずだ。それじゃ五葉そろそろ開店しようか」
満の問いに神楽坂さんは短い髪をかき上げるとホールにいる音瀬さんに声を掛ける
「はい神楽坂さん分かりました♪綾音ちゃん、行きますよぉ」
「あ、はい!」
音瀬さんと綾音先輩が看板を持って入り口のほうへと向っていく、その背中を神楽坂さんは見つめながら小さく呟いた
「戦が始まる・・・!」
その言葉の意味を僕等「喫茶同好会」のメンバーはすぐに理解することになった
「『リチェルカーレ』へお帰りなさいませ御主人様♪」
「い、いらっしゃま・・・ってきゃぁああああ!」
「綾音先輩!?」
音瀬さんの挨拶とともに入り口が開いた瞬間、あっという間に綾音先輩の周りには黒山の人だかりができあがっていた
「新人さんキター!」
「ちょ・・・新人さん滅茶苦茶可愛いんですけど!!嫁変えます!!」
「カメラ目線お願いしマース」
「御主人様って呼んでくれー!!」
「あの、えっと・・・私、どうしたらいいんでしょう?」
あちこちから声にキョロキョロと視線を泳がすしかない綾音先輩に音瀬さんが割って入る
「御主人様方、新人さんが混乱しますのでちゃんと順番に並んでくださいっ!御主人様は四葉さんにお嫁さん変えるって言っておきますよ!そこの御主人様、カメラ撮影は別途料金が必要になりますので勝手に撮影は禁止ですっ!」
客をきちんと並ばせ音瀬さんが慣れた感じで客を次々と捌いていく、ぱっと見た感じのほほんとしか感じの音瀬さんだけど流石というべきか仕事となると動きが全く違う
そして一つ気がついたことがある、キビキビとした動きでも音瀬さんは本当に丁寧な接客をしていること、そしてどんなときにも笑顔だってことだ
「オーダー入ります!天使の涙を二つ、天高く昇る剣士の夢を一つ、黒き魔女の呪いを三つです!あとは生命の泉を六つです」
「了解!千里、満気合い入れろよ!お前達はとりあえず生命の泉を用意してくれ」
「わかりましたぁ!任せておいてください神楽坂さん!」
グッと親指を突き立てると勢い良く満は辺りをキョロキョロと見渡して
「ところで千里、生命の泉ってなんだっけ?」
「言うと思ったよミツ、生命の泉は“水”のことだよ。ちゃんとさっきのうちにメニューに目を通しておかないと・・・」
「まぁそこは優秀な千里がサポートでしてくれるからな、これで俺は安心して背中を任せられるってもんだぜ!」
はいはい・・・と俺は溜息をつきながらグラスに水を注いでいく、なんでもいいから口だけじゃなくて身体を動かしてくれ満
そんなわけで満の良くわからない理由と共に僕達の『リチェルカーレ』の研修は本格的に始まったのだった

 

───五時間後

「だぁーーーーーっ、喫茶店で働くって滅茶苦茶疲れるんだな」
カウンターに突っ伏し満が大きく息を吐く。『リチェルカーレ』での研修は瞬く間に過ぎてちょうど客入りも落ち着いた頃、僕達は休憩時間を貰える事になった
「ミツは無駄な動きが多すぎるからそこまで疲れるんだよ」
満と綾音先輩と三人、カウンターに座って僕は冷静にツッコミを入れながら隣で賄であるハムカツサンドを頬張る。
「いやー俺は結構頑張ったらな!」
よく言うよ、ミツは結局やたらテンションだけ高くてあまり役にはたっていなかった。むしろフォローさせられるこっちのほうが疲れたというか、なんというか
「私、こうゆう仕事初めてでしたけど結構楽しいですね」
「いやでも綾音先輩、結構さまになってましたよ。なぁ千里」
「そうだね本当初めてとは思えないほど上手でしたよ」
接客業をやったことないということで少し不安だったがそれは杞憂であった
可愛らしい笑顔に丁寧な接客、今日だけの研修なのにファンが結構な数ついたほどだ
「まぁもうそろそろ第二波がくるころだから、頑張ってくれよ三人とも」
「まっかせておいてくださいよ神楽坂さん!」
そんな風にカウンターの向こう側でグラスを磨きながら言う神楽坂さんに満がまたもや条件反射のように親指を突き立ててそんなときだった、僕のポケットの中の携帯電話が震えだした
「ああ、ごめんちょっと電話だ。神楽坂さんちょっと話してきていいですか?」
「構わないけど手短にな、もうすぐ休憩時間終わるから」
「了解です」
流石に休憩中とはいえお客さんもいる店内で電話するのはまずい、とりあえずカウンターの更に奥、勝手口の前まで移動してから俺は携帯電話を開いた
「どうせ掛けてくるのなんて美夏くらいしかいな・・・あれ?良か、珍しいな」
着信は幼馴染の一人でもある浅葱良からだった、良から俺に電話がかかってくるなんて本当に珍しいことだ
「もしもし良、どうかした?」
『研修中のところ済まない、今良かったのだろうか?』
電話口での良はいつもの丁寧な口調で言葉を発する
「休憩中だから大丈夫だよ、といっても手短にとは言われたけど。それでどうしたの良から掛けてくるなんて珍しいじゃん」
『うむ、いや僕は代理のようなものでな。千里達の研修がちゃんとできてるか心配だとさっきから上の空の者がおっての、電話してみればよかろうと言ったら代わりに掛けてくれと言われてな』
少し笑いを堪えるように言う良に、少し離れたところから「別に心配してないわよ!」と叫ぶ声が混じる。その声はどう聞いても美夏の声だった
『美夏、まったく自分で話せばよかろうに』
「いいさ、美夏にはちゃんとやってるから心配するなって伝えてくれ」
『うむ、わかった。美夏、千里がちゃんとやってるから心配するなと言っておるぞ』
良がそう電話の向こう側で美夏に声を掛けるが返ってきたのは「だから別に心配してないわよ!」という回答であった、全く折角の出番だってのに
「まぁいいか、とりあえずそろそろ休憩時間も終わるからこれくらいで・・・」
『そうだな。ああそうだ・・・千里、これを言い忘れるところだった』
「ん?なんだ」
『そろそろそっちに生徒会長殿がお見えになる頃だと、一応伝えておいたほうが良いと思ってな』
「えっ・・・ちょっと本当かよ」
思わず良の言葉に聞き返してしまった、あの生徒会長がここに来るって?
『うむ、千里達が研修に行っていると言ったら『是非見学したいから場所を教えて』と言うのでな、時間的にはもう着いていてもいい頃だよ』
「いやまだ来ていないよ、来ていたら多分こんな風に喋ってはいられないよ」
『だろうね、まぁそうゆうわけだから頑張ってくれたまえ』
正直混乱する俺を他所に良はさらっとその一言を最後に通話を切る、残ったのは妙な焦燥感だけ
───いや、流石にあの生徒会長でも学園の外では大人しくしているだろう
俺はそう・・・全くの希望的観測で物を言ってみたもんだ
「・・・まじかよ」
前言撤回、前言撤回も前言撤回!俺がホールに戻ってきたとき喫茶店『リチェルカーレ』の様子はとある女子高生のおかげで一変していた
「はぁーい皆ー!城山学園の生徒会長・・・咲山瑠久にぃぃ?るくぅーーーー?」
『るぅー!!!』
「きゃー瑠久ちゃん可愛いー♪嫁変えるー♪」
「カメラ目線お願いしマース!」
「るっくるくにしてー♪(意味不明)」
ホールの真ん中でビシッとポーズを決めるピンク色の髪が鮮やかな女子高生、彼女が言わずもがな俺達喫茶同好会と演劇部の部室を賭けた模擬店対決を仕組んだ張本人・・・
城山学園の生徒会長咲山瑠久ご本人である
というかていうかこの人、人心掌握早すぎだろ・・・なんでまた店の客と盛り上がってるんだか
「この状況、どうなってるのミツ?」
俺は思わずカウンターで唖然としている満に問いかける
「どうってまぁ・・・ねぇ綾音先輩」
「そうですね、あっという間の出来事でしたからね」
とまぁ煮え切らない態度の二人とは逆に五葉さんは楽しそうな感じだ
「るくぅー?って面白いですね神楽坂さん♪」
「ツッコムとこおかしいだろ五葉、というか千里あの彼女知り合いか?」
「ええ、まぁ知り合いといえば知り合いですけど・・・」
正直神楽坂さんの問いにはそう答えるしかない、そして俺にどうにかしろと言われてもそれはそれで困る
「月夜ちゃん!真昼ちゃんがいないから代わりに花吹雪お願い!」
「やるわけないでしょうに、というか学園の外でまで迷惑かけないでください!」
そんな咲山瑠久の横で冷静にツッコムのが生徒会長の良心、会計の月代さんだ。咲山さん暴走を止めれる人間がいるならこの人しかいない。俺は咲山を中心に盛り上がる客の間を縫うように月代さんに近づく
「君は喫茶同好会の聖千里、また会長が迷惑を掛けて申し訳ない」
月夜さんは俺の姿を見つけるなり深々と頭を下げる
「なんていうかここの店長さん怖い人らしいんで早いところ止めさせたほうがいいですよ」
「それは御尤もなのだけど、あの人一度痛い目見ないとわからない人だから」
少し諦めたように言う月代さんを尻目に咲山瑠久は椅子の上に登って更に調子づく
「みんなー瑠久が今から城山学園の校歌を歌っちゃうぞー♪」
「きゃー瑠久ちゃーん!」
「校歌は国歌!歌ってー♪」
「瑠久ちゃんは俺の嫁ー♪」
「───ほう、それは面白いことをしているじゃないか」
咲山瑠久を取り巻く黄色い歓声の中になにかドスの聞いた声が混じったのを僕は聞き逃さなかった、それと同時に取り巻きの方々も蜘蛛の子を散すように席に戻っていく
「え?あれ?みんなーどうしたの?」
なにが起こったかわからない様子であたりを見渡す咲山瑠久に月代さんが冷静に一言
「因果応報、思ったよりも早く痛い目を見ることになりましたね」
「えー月代ちゃんなにを言ってるのぉ?」
未だに状況を理解していない咲山瑠久に月代さんは溜息を一つついて咲山の背後を指差す
「ほえぇ?後ろがどうした・・・の」
咲山瑠久が振り返った先にいたのは黒いスーツ姿に黒いサングラス、口元には煙草の男性・・・知らない人が見ればどこぞのヤクザにすら見える
「まったく、俺がいないからって随分と騒がしいじゃないか」
僕達は事前に聞いているから───それでも充分に威圧的だったが───大丈夫だったがまだその人がこの店の店長、天城仁さんだとわからない咲山瑠久はその恐持ての風貌の男に完全に固まってしまっていた
「あ、あのえーっとその」
「とりあえず椅子の上に土足であがるな、降りろ」
「は・・・はい、すいません」
いそいそと椅子から降りるとペコリと頭を下げる、こっから見ていてもはっきりとわかる・・・完全に我等が生徒会長は意気消沈していた


                                                   つづく



これが夕雅バージョン、ちなみに書いたのはおそらく去年の八月十五日過ぎ
M氏と違うのはこっちは短編だからって登場人物を極力減らして四葉とか美夏、良の出番をカットしたら
まさかあちらでは全員登場してなおかつエリスちゃんまで出る始末、びっくりだよ

綾音先輩もそんなキャラだとか知らないで書いたからな、だって当時名前しか決まってなかったんだもん!!

あちらでは出てなくてこちらに出てるキャラとして咲山瑠久って生徒会長がいるんだけど

すべてはこの子が原因、そりゃ二人で酒飲んで考えたキャラだからねぇちなみに本編にはちゃんとでてます

元ネタは芸人の山崎、「ザキヤマがー名古屋にーくるぅー♪」ってのがなぜかバカ流行して

「じゃ咲山瑠久ってキャラを生徒会長にしよう!」

とバカなことをやってしまった、反省はしていない

でもあまりにキャラ立ちしすぎていて「もう咲山瑠久の暴走って小説書けよ!」な状況

M氏と酒飲みながら作ったキャラにはシフォン=ロメインってのもいるけどファミレスのメニューから考えたくらいだからな、ちなみに幻想少女(仮題)の八豪傑七番目で勝手に使ってたり

一応最初に二人で決めた展開として「咲山瑠久が調子に乗って天城さんに叱られて(´・ω・`) 」ってのはあるのであちらでもいずれでるでしょう・・・・・・いつになるかは知らないがな!!!!
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氷桜夕雅
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非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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