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「ラブ@ポーション」
私は人間が嫌いだ。
だから街から離れ一人森の中に小屋を建てて住んでいる。
私自身も人間だ、だから嫌いな人間から脱却するためにここでずっと魔術書を漁り人間じゃなくなる方法を探している。
そんなことをしている内に気が付いたら街の人間から「魔術師」呼ばわりされる始末
人間じゃなくなる方法を探している過程で確かに色々なモノを生み出したけど魔術師呼ばわりされるつもりはない
けど私の作った物を求めてときおり人間がやってくる、自分の都合のために・・・
これだから人間は嫌いだ
「すいませーん!魔術師様いらっしゃいますか!」
昼過ぎまで続くはずの私の有意義な睡眠時間が若い男の声と小屋の扉を激しくノックする音でぶち壊される
「いらっしゃいませんか!」
「・・・・・・なに、うざったい」
私は気だるくベットから身体を起す。夜遅くまで研究してて眠たいのと嫌いな人間の声に起されたことで私の機嫌は最悪だった。
「魔術師様!」
「五月蝿い!」
私は近くにあった失敗作NO.1414921256の三角フラスコを壁に投げつける。フラスコは扉に当たり辺りにガラス片が散らばる、がそれでも小屋の扉を叩く音は鳴り止まない・・・寧ろ自分がいるってことを知らせてしまい逆効果だった
「いらっしゃるのですね!私はキュアノスの貴族シンクと言います!、魔術師様にお願いがあってやってきました!」
「・・・・・・わかったからその扉を叩くのやめてもらえない?壊れてもらっても困るのよこの小屋」
本来なら嫌いな人間の相手なんてしたくない、けど“シンク”ってその名前に聞き覚えがあったから少しだけ相手をしてあげることにする。
ベットから降りてボロボロの小屋の扉を開けるといかにもな貴族の格好をした金髪の青年が立っていた。その幼く見えながらも精悍な顔立ち・・・間違いない、私がまだ街に住んでいたときによく目にしていた彼だ
「魔術師様!」
「その魔術師様ってのやめてもらえない?街の人間が何を思ってそう呼んでるのかはしらないけど私にはちゃんとセルリアンって名前があるんだから」
「も、もうしわけございませんセルリアン様」
私の不機嫌な態度に恐縮した様子で頭を下げるシンク。流石に私のことなんて覚えてないか、わかってはいたけどなんか少しイラっとした。
「お茶なんか出すつもりは無いけどとりあえず中に入れば?用事があるんでしょう」
「は、はい!失礼します」
辺りを挙動不審に見渡しながらシンクは小屋に入る。
「警戒しなくても取って食ったりはしないわよ」
「あ、いえ・・・そうゆうつもりは・・・すいませんセルリアン様」
馬鹿正直な男・・・昔から変わっていない。いちいち構ってやるのも面倒になったので無視してゴミの山から椅子を引っ張り出し軽く埃を払う。
「それで私になにか用?」
椅子を指差し「座れば」と合図して自分ももう一つの椅子に座る。
「そのことなんですがセルリアン様に作って欲しい薬がありまして・・・」
「なにかしら?毒薬とかならその辺に転がってるから適当に持って行っていいけど」
「いえ、毒薬ではないんです・・・私が欲しいのは───」
椅子に腰掛けるとシンクは一呼吸深呼吸をする、その顔は傍から見てもすぐわかるくらいに顔が赤くなっていた
「───惚れ薬を作ってもらいたいんです!」
「は・・・?今なんて言ったの?」
思わずシンクの言葉に私は呆気に取られ聞き返す。
「だからセルリアン様に惚れ薬を作ってもらいたいんです・・・」
よっぽど恥ずかしいのだろう言葉の最後が小さくて聞き取れないくらいだ
けどなんで?だって
「惚れ薬って、貴方の存在自体がまさにそれのようなものじゃない」
シンクは誰が見たって人が惚れる人間だ。見た目だけじゃない、私の知ってる限り性格やら家柄・・・ありとあらゆる部分で羨まれる人間だ。彼が声を掛ければ大抵の女性が簡単に靡くんじゃないかと、私は思う。
「あ、もしかしてあなたホモだとか?」
「ち、違います!茶化さないでください!」
シンクは真っ赤な顔を更に赤くして否定する。
「別に茶化したわけじゃないわ可能性の一つを提示しただけ、だって私が見るに貴方には惚れ薬なんて必要だとは思えないんだもの」
少し興味がわいた、この男がどんな理由で惚れ薬を欲するかというところに
「どうして必要なのか言いなさい、その理由を聞かせてくれれば貴方の求める惚れ薬用意しないこともないわ」
「わかりました・・・ですが今から私が言うことは他言無用でお願いできますか?」
「言わないわよ、言う相手もいないしね」
私は小さく頷くとシンクは神妙な面持ちで静かに語り始めた。
「私には心の底から愛する恋人がいます、その彼女に惚れ薬を使いたいのです」
「はい?言ってる意味が全然わからないわ、もう既に恋人なら必要ないじゃない惚れ薬なんて」
私の言葉にシンクはただ首を横に振った
「彼女は今彼女の父親が勝手に決めた許婚と結婚させられそうなのです、そして彼女はそれを無理矢理受け入れようとしている!」
「だから惚れ薬で彼女の気持ちを変えようと?」
「彼女はとても父親想いです、どんなに説得しても『父が望んだことだから』の一点張りで・・・ですがこのまま結婚を許してしまえば彼女は絶対に不幸になる!」
シンクの言葉に力が篭る、こんなにも真剣な表情を見るのはいつ以来だろうか?
「まぁ大体わかったわ、でも惚れ薬を使って貴方達が結ばれたとしてその後どうするの?」
「貴族の名を捨て、二人でこの街を出ようと思ってます。彼女には話していませんがわかってくれると思います」
どこまでも真っ直ぐな目でシンクは答える、正直私はそれを直視する気にもならなかった
・・・・・・これが駆け落ちってやつか。
全てを捨ててまで彼をそこまで駆り立てるものがその彼女にはあるんだろう
羨ましくもあり妬ましくもある、私は持っていないのだ少なくともそれを
どんなに望み、嘆願しようとも私の手からすり抜けるように落ちていく星の砂
けどそれを望まなくても自然と持ち合わせる人もいる
「思った以上につまらない話だったわ」
「えっ!?じゃあもしかして惚れ薬は・・・?」
「そんなに慌てなくてもちゃんと出すわよ、別に面白くなかったら出さないとか言ってないしね」
私は椅子から立ち上がると戸棚から小さなガラスの小瓶を取り出す、中には淡い青色をした液体が入っている
「この液体をまず貴方が半分飲んで、すぐに残りを彼女に飲ませなさい。その後しばらく見つめ合ってたら効果は自ずとでるはずよ」
小瓶をシンクの目の前に差し出す、受け取った彼の表情が明るくなる
「ありがとうございますセルリアン様!あの御代は・・・」
「そんなものいらない」
キッパリと断る。
本当話を聞くまではどれだけ吹っかけてやろうかと考えていたけどそんな気分じゃなくなった。
ただ───
「もし思った効果が現れなかったらもう一度私のところに来なさい」
「はい!本当にありがとうございますセルリアン様!」
深々と頭を下げるシンクを私は邪険に扱う
「用が済んだらさっさと出て行って。貴方もこんなところにいるところを誰かに見られたら困るでしょう」
「わかりました、それでは失礼します!本当にありがとうございました!」
シンクはもう一度深く頭を下げると踵を返し小屋を出て行く
「・・・・・・獣のように愛し合えばいいわ、文字通り獣のようにね」
馬に乗り勢いよく駆けていくシンクの後ろ姿を見送りながら私は小さく呟いた。
私は人間が嫌い、でも人間以下になるつもりも毛頭ないわ。
次の日、小屋の前には小さな小さなカスミソウの花が二つ添えられていた
別にそんなつもりじゃなかったのにな、カスミソウの花言葉は確か・・・
職場のある伏見から最近歩いて家まで帰ってるんだけどなんか歩いて帰るのは楽しいはずなのに
考え事ばっかりして家に着くころには
私は深い悲しみに包まれた(´・ω・`)
な状態の夕雅です、そんなわけででとのべです、メイド服とおまじないを書けるテンションじゃないんです
今回はねーツンデレ魔法使いを書くつもりだったんだけどね
気が付いたら全然違う感じに仕上がりました、でもタイトルの割りに暗い話にするはずだったのになんかそこそこまとまってやがる
伊藤潤二先生みたいな投げっぱなしな話のつもりがちゃんとオチ的なものまでつけてやがる
そんなんじゃデトックスできないでしょッ!!!!ヽ(`Д´)ノ
ちなみに説明するまでも無いけど今回の登場人物は色の名前から取りました
シンク=真紅・・・べつにどっかのドールじゃないんだからね!勘違いしないでよね!
セルリアン=セルリアンブルー・・・なんていうかまんま
あと一回しか出てきてないけどルピエロットって街の名前はカクテルパーティに登場する街の名前なんで色関係ないです・・・・・・えーと追記ですがルピエロットやめましたキュアノスって名前にしたよ
あ?今回のテーマ?自分で考えろ!!ついでにカスミソウの花言葉も自分で調べろ!!
良い話ではありません!シンクが惚れ薬を欲しがる理由も正直「おいィ?お前それでいいのか?」って感じ
私からは以上!!
これ面白いよ。多分、今までのデトノベで一番。
全くデトックスでも何でもなくなってると思うけど。
魔術師が魔術師になろうと思って無いのに、そう人々から思われているってのは良いね。
終わり方は何か良く分かんなかったけど、キレイに終わったと思う。
カスミソウの花言葉「清い心」「切なる喜び」「無邪気」「親切」
……何か深い意味あるの?
続きを書きたくなるってことから言っても自分でも面白いんじゃないかなぁ・・・とは思うよ
とにかくセルリアンが大好きでね、あのひねくれ具合がたまらん
人の目が見れないところとか照れ屋さんなところとか
カスミソウの花言葉って色々あるんだなぁ・・・深い意味はありますよ、このセルリアンの話は基本深読み推奨以下解説!!
あんまり作者が語るモンでもないんだけど・・・
☆セルリアンちゃんが渡す薬ってのは大抵嘘、違う薬です
☆「効果が現れなかったらまたきなさい」ってセルリアンの台詞
☆セルリアンちゃんの「獣のように愛するがいいわ、文字通り獣のようにね」って台詞
☆カスミソウの花が二束・・・二束ってところ
☆カスミソウの花言葉、色々あるけど大事なのは「感謝」
・・・このことからですね、セルリアンがシンクに渡したのは実は
惚れ薬でもなんでもなくて獣になる薬(一応うさぎって設定、うさぎなのはうさぎが性欲が強いから)で「文字通り獣のようにね」って言ってる。
セルリアンがこれを自分に使わないのは「人間以下になるつもりも毛頭無いわ」ってところから
セルリアンは「効果が現れなかったらまた来なさい」と言ってるのは効果が現れないのをわかってて言ってて、もしシンクとその恋人がやってきたら「ざまぁwww」しようと思ってた
でも結果としてはカスミソウの花が二束(シンクとその恋人が一本づつ持ってきた)でカスミソウの花言葉は「感謝」
シンクが騙されたってのに「感謝」とか言ってるからセルリアンは
「そんなつもりじゃなかったのになぁー」って言うてるわけです
ほらね、全然良い話じゃない
本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!
名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
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