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日記と小説の合わせ技、ツンデレはあまり関係ない。 あと当ブログの作品の無断使用はお止めください
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合宿中、ちまちまとデトノベを最初の方から読んでたんだけど・・・




なんかセルリアンちゃんの話でちと感動してまったわ



誰よ?これ書いたの誰よ?あ、私でしたぁ♪




特に良かったのは第二話のエメラルドちゃんの話 のラストね



エメラルドがセルリアンに「なんで人間嫌いなの?」って聞くところのセルリアンの返しがたまらないね、誰よ、誰が書いたの?



他にも読み返して誤字だの、説明してないところだのあったからまぁ説明してないところ言うと



『幻想少女(仮)』



紗雪がメインヒロインのように今の所なっているけど実はヒロインは別にいる、多分最後までわからないけど(^-^;



あと最新のラストで拍手をした人物は別でギャグみたいな話を書こうと思ってた奴の主人公、円月凜



デトノベ15『悪魔の契約』



この主人公と悪魔を初め八豪傑の一人にしようと思ったけど結局空きがなくおじゃんに







デトノベ14『二人だけの楽園 二人だけの地獄』



実は最初ベルムハウンド号が見つけた地球に似た惑星はE128でセツナがそこでカテゴリー4に乗っ取られて奇行に走ったことにしようと思ったが惑星E128が思ったより遠いので却下







デトノベ13『ラブ@ポーション 光導き書、そして全ての過去にさよならを』


当初エクルはミクルちゃんみたいなキャラで気弱な吸血鬼の予定でした

しかもセルリアンの仲間になるという・・・まぁ最終回ということになってから今の感じになったんだけど旧設定は今見るとなんだかなぁ

デトノベ11『ラブ@ポーション 剣持ちし誇り高き狼』



最初はセルリアンが街の人間達に薬品をぶちまけまくってスレートに肩を貸して助けるパターンと



セルリアンの小屋に国の役人がやってきて小屋が燃やされて二人で旅にでるパターンを考えてた




結局後者は壊れかけの小屋の扉を残したいだけのためになくなり、前者をカットした感じになりました



あとセルリアンがスレートを助けに行くとき







ああ───嫌な記憶が蘇る



私にも似たようなことがあった、そのときに誰かが手を差し伸べていてくれていたら───



「・・・ここで帰ったら、あの人間達と一緒か」




なんて言ってて実はこれセルリアンが学院にいたころイジメられて人間嫌いになったとかそうゆうのの伏線だったんだけど




ものの見事にスルーしてた(ノ_・。)



続きはまた今度




なんで二回にわける・・・かな、私
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『幻想少女(仮題)』

ACT3 玲人

なぜ僕はあの場所に戻ってきた・・・あのまま逃げれば良かったんじゃないのか
そんな自問自答を繰り返しながらその手に持つ鉄パイプを握り締め、瓦礫の影からエルグランデと氷の能力を使うあのメイドの戦いを見ていた
「くそ・・・なにを見ているんだ俺は」
見ていたってしょうがないのはわかっていたのだがそれでも目を離すことができなかった
「あいつなにが必ずエルグランデを倒してみせるだ・・・勝てるわけがないじゃないか!」
どうみたって状況は明らかにあの氷のメイドの劣勢だった、パイプを持つ手に力が篭る
「───やっぱり俺が行かないとダメなのか」
もしあの氷のメイドが負ければエルグランデを止めることができる者はいなくなる

───“メイド”には“御主人様”の素質を感知する能力があります。今は微量ですが貴方からその力を感じました

あのメイドが言っていた言葉が蘇る、そうだ・・・俺には“御主人様”としての力がある
その力を使えば・・・
「くっ、でも・・・ダメだ!!」
なにかをまとわりつくものを振り払うように僕は頭を押さえた
頭ではわかっていてもどうしても身体が動こうとしなかった、まだその現実を受け入れるには迷いがあるのだ
「迷うくらいなら止めておきな、苦しむだけだぜ?」
「えっ───!?」
心を見透かすかのように背後からした突然の声に思わず俺は振り返り鉄パイプを構え叫ぶ
「だ、誰だ!?」
僕の目の前、いつの間にかそこには見覚えのない若い男が立っていた
「俺が誰だとかそうゆうのはいいんだよ」
声の主はぶっきら棒にそう言い放つと傷を負っているのかふらつきながら壁に凭れ掛かり、震える手で胸ポケットから煙草を取り出し火をつける
「苦しいし、つらいし、泣きたくなるし、お前には向いていないってことだ少年。迷うくらいなら言ってやるよ、別にお前が戦う必要はない逃げちまえ」
「そうだ・・・そのとおりだ、僕には関係ない・・・関係ない話だ!!」
「まぁ今ここで逃げたって誰もお前を責めたりはしないさ、ただよ・・・」
男は僕の言葉にじっと聞くと遠くを見つめながら煙草の煙をゆっくりと吐き出す
「今、紗雪を救えるのはお前だけだ・・・少年」
男が呟くのとほぼ同時にエルグランデの放った光弾が近くの瓦礫にぶつかり激しい爆音とともに風が砂煙を巻き上げる、思わず僕は身を屈め蹲る
「くっ・・・さ、紗雪だって?」
紗雪ってあれか?あの氷の能力を持ったメイドの名前か?確かに今あのメイドを救えるのは
僕だけなのはわかる・・・けど!
「そんなの僕に関係ないだ・・・・・・ろ・・・」
砂煙が晴れ僕は立ち上がり叫ぶが途中でその言葉は途切れる、先程までいた男の姿はいつのまにか見当たらなくなっていた
「な、なんだよ・・・僕が喋っていたのは一体?」
だがその疑問に答えは返ってこない、逆にエルグランデの叫びが耳を劈くように辺りに響き渡る
「ヒャーハッ!!そのまさかだよ!!乙葉はこれが大のお気に入りなんだよぉぉぉ」
その言葉に振り返えると氷の能力のメイド───紗雪が乙葉と呼ばれたエルグランデのメイドに身体を押さえつけられていた、そしてエルグランデの頭上には無数の光弾が輝く!!
「・・・・っ!!」
それを見て僕は鉄パイプを握り締め一気に駆け出した、いや駆け出すしかないじゃないか
「くそっ!卑怯じゃないかあいつ、女の名前を出すなんて!!」
何者かわからないあの男へ恨み言を言いながら一気に瓦礫の山を駆け上がる
「これで、終わりだぁ!!!」
叫びと共にエルグランデが残った左腕を大きく振り下ろされ───
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「なにぃ?・・・てめぇは!」
叫びと共に一気に鉄パイプを横薙ぎに振るう。隙だらけで乱雑な振りではあったが虚をつかれたエルグランデは避けることができずその一撃を腹部に受けることになった
「がっ、てめぇ!!」
体勢を崩しエルグランデが瓦礫の山から転がり落ちる、その様子を目の前に僕は大きく息を吐いた。
やってしまった、もうダメだ覚悟を決めるしかない
「エルグランデ様!!」
紗雪の動きを止めていた乙葉がその腕を放し転げ落ちていくエルグランデの元へと駆ける
身体を解放されその場に座り込む紗雪の瞳が僕の姿を捉えていた
「どうして、貴方が・・・」
どうして?紗雪のその問いに言えることは一つしかない、僕は少し紗雪から視線をそらし答える
「あんた、紗雪って言うんだろ」
「え、確かに私の名前は紗雪ですけど・・・なぜそれを?」
「そんなことどうだっていいだろ、とにかく僕がここに来たのはあんたが紗雪だからだよ!」
「えっ?」
意味が分からず呆気にとられる紗雪のことはこの際気にしない。僕は瓦礫の頂上から降りると紗雪の前に手を差し出す
「あんなので八豪傑がやられてはくれないだろ、あいつを倒すにはあんたの力が必要だ」
「・・・わかりました、貴方の言うようにエルグランデを倒すには私も貴方の力が必要です」
紗雪はわからないながらにもすぐに気持ちを切り替え差し伸べられた手を掴んで立ち上がる
「このぉぉぉぉぉ!!このクソガキがぁ!!血祭りにあげてやる!!」
乙葉に支えられたエルグランデの怒号が辺りに響き渡る、そして乙葉の首を力任せに締め上げると“光”の能力を解放させる・・・エルグランデの周りに光弾が無数に浮かび上がる
「来ます、覚悟はいいですか御主人様」
「御主人様じゃない、玲人だ。覚悟ならとっくにできてる!」
紗雪の問いにぶっきらぼうに答えると僕も彼女の“氷”の能力を展開させる。淡くそして青白く紗雪の長い髪が光り、ぐっと周りの空気が冷え込んでいく
「ヒャッハァァァァ・・・・・蜂の巣にしてやるぜぇぇぇぇぇっ!!」
「玲人さん、イメージを具現化してください!!」
エルグランデが腕を振り下ろし紗雪が叫ぶ、僕は力任せに能力を展開させる
生み出したのは盾、それも巨大な大盾・・・
「そんなもので俺様に勝てるかァ!!」
「それはどうかな!?」
氷の大盾が光弾の雨を受けながらも少しづつ、少しづつ変化をしていく
「ヒャハハ!そんな軟い盾でいつまで俺様の攻撃を防・・・っ!」
その時エルグランデの頬をなにかが掠めた、それが僕達の反撃の狼煙であった
「な、なにがおこってやが・・・」
エルグランデの周りで次々と砂煙が舞い上がる、それは紛れもなくエルグランデが自ら放った光弾にほかならなかった
僕が生み出したのは氷の大盾であり、全てを跳ね返す氷で作り上げた鏡の盾であったのだ
「角度の調整完了、残りの光弾も全部返させてもらう!!」
「くっ、舐めた真似しやがてぇぇぇぇぇぇ!!!」
エルグランデの叫びもむなしく光弾が盾に吸い込まれ次々と跳ね返されていく
「がはっ!!」
無数に飛び交う光弾の一つが避け続けいたエルグランデの足に当たりその身体を崩す
後はもう一方的な展開、エルグランデは当に能力を止めていたがそのでも撃ち出された残りの光弾が動きの止まったエルグランデと乙葉を打ち下すには充分な数だった

「ハァハァ・・・・」
息が切れる、氷の大盾を地面に落とすとその力を解除する。氷の大盾が水に戻りそれとともに僕の身体からどっと力が抜けていき思わず前のめりに倒れそうになる
「大丈夫ですか玲人さん!」
それを駆け寄ってきた紗雪が支えてくれた、どうやらメイドの能力の使役が強すぎると御主人様である僕にも負担がかかるようだ・・・紗雪に支えられていなければ完全に倒れてしまうところだった
「た、倒せたのか?」
瓦礫の下で折り重なるように倒れ込むエルグランデ達を見て僕は呟く、しかし僕のその問いに紗雪は無言だった。正直ここでエルグランデ達が立ち上がればおそらくもうあの氷の大盾を使役する力は僕に残っていない
「玲人さん、貴方は充分すぎるほどよくやってくれました・・・けど」
紗雪の表情は固く、静かに呟いた。その視線の先でエルグランデが立ち上がるのを確認していたというのは自分自身で見るまでもなく分かっていた
「・・・ゼェゼェ、てめぇだけは絶対に殺す」
無論エルグランデ自身無傷ではない、至るところの服は破れ血が流れている。ただ・・・自力で立っている分まだ余力は残っているということか
「どうやら・・・クククッ、てめぇもう引き出す力がねぇみたいだな!!」
エルグランデは不敵に笑うと乙葉を引き起こし能力を展開させる、乙葉の髪が白く光るとゆっくりとエルグランデの手に光の槍が生まれる
「同じ手は二度もさせねぇ・・・これでてめぇの身体串刺しにしてやるぜぇぇぇ!!」
投擲体勢に入ったエルグランデを前に息を飲む、すぐに能力を展開させ対応しなくては・・・そう思い身体を起したその瞬間だった
緊張に水を差すように辺りに拍手の音が響き渡った

                                                つづく
───街から離れた森の中、そこには人間嫌いの魔術師が住んでいる

私は人間が嫌いだ、だから人間から脱却するために研究をし続けている・・・・のだけど


「ねぇねぇセルリアン、もっと私この世界の干し肉を食べてみたい!」
「そう言われてもね・・・あの狼男に頼みなさいよ」
ぶっきらぼうに言い放ち私は試験管にその辺に転がっている物を適当に入れながら本当に適当に答えた
本当適当でいいのは楽なのだけど
私の狭い小屋の中を良くわからない黒い球体に乗りながら豪華そうな真赤なドレス着てキョロキョロと首を振る少女───名前はクトルルと言うらしい───の興味は一瞬一時で移り変わっていく
「この部屋、結構長い時間見ているけどベルクソン達の使っていたような通信機器は全くないのね。地球に来たときにはぐれちゃったけどベルクソン元気かな、ねぇセルリアン?」
「あー元気なんじゃないの?よく言うわ“便りがないのは良い便り”ってね」
クトルルの問いに適当に相槌を打ってるけど彼女の口から出る言葉は一つ一つ問いただしたくなるほど興味深いところが多い
地球に来た?え、どこから?
通信機器?なにそれ遠くの人間と話せるの?
ベルクソン?誰それ、この変な子に仲間みたいなのが居るの?
興味は尽きない、でもそれをなんかがっつり寄って聞くというのもなんか癪に障る
そんなことを考えているうちにクトルルの興味はまた別のところにいってしまう
「セルリアンはそういえばカテゴリー1を捨てたいのよね」
カテゴリー1、ええっと確か“有機生命体”だったか?その話は確かちょっと前に聞いた記憶がある
「人間がそれに属するなら確かにそうだけど、捨てるとか言うその感覚がわからないわよ」
「セルリアンはカテゴリー1しか持ってないみたいだからそうなのよ、だったらこれ!」
クトルルはそう言うと自分が先程まで乗っていたよくわからない黒い球体から降りてそれを私の前に差し出す
「ヴォルシンカー、これを取り込めばカテゴリー3、4、5を手に入れられるわ。地球までこれたならもう私達に追ってはこないと思うし必要ないからセルリアンが貰って」
グィとそのヴォルシンカーとか言う黒い球体を押し付けられるが正直この物質がよくわからないし、貰ったとしてこれを取り込むとかそうゆうのが全くどうしたらいいのやら
でもそのヴォルシンカーとやらには少し興味があるのは間違いない
「本当にコレ、貰ってもいいのね」
「惑星E128にも干し肉はあったけどこんな風に香草を使ったりする高度な調理法はなかったわ、地球と惑星E128は環境が似てるけど文化レベルは地球の方がずっと進んでいるみたい、それを知れたからそのお礼みたいなものよ」
「その言葉はスレートに聞かせてやりたいわね」
あのパサパサで味のきつい干し肉がクトルルはお気に入りらしい、私から見ればスレートが我流でやっている
あんな燻製が“高度な調理法”と称されるんだからあの狼男に聞かせればさぞ嬉しがることだろう
「そうだ、干し肉を作ってくれたスレートにもお礼を言わなくちゃ。ベルクソンにも食べさせてあげたいし!」
そう言ってドレスの裾を掴んで楽しそうに踊るクトルル、なにがどう楽しいのかはよくわからないが
「全くこんな世界で貴女はなにが楽しいんだか・・・」
「そんなの決まってるじゃない」
嘆息する私にクトルルはさも当たり前のようにその言葉を返した
「私はずっと故郷である地球に来たかったの、ただ・・・ただそれだけよ」
 



・・・しかしこの黒い球体、ヴォルシンカーとかいったのどうしたらいいのかしら?


                                               つづかない



ACT2 紗雪

走る、走る、走る・・・
「・・・はぁはぁ、御主人様」
息が切れ、足に疲労を感じてきても私は廃墟と化したD都市地区の中を力の限り走りつづけた
唯一の希望は未だ微かに感じる御主人様との能力の繋がりそれだけが私を走らせていた
だがそれも徐々に弱くなっていっていることがじわじわと心を締め付けていく
そして───
「ああっ・・・ああああっ!!!!」
その繋がりの喪失を感じた時、私は崩れるようにその場に倒れ込んだ
「御主人様っ・・・」
涙が留め止めとなく溢れてくる。あの人なら、私の御主人様なら八豪傑の七番目、“光”のエルグランデを倒してまた会えるという淡い希望が今断たれたのだ
「───お前が街を襲った“メイド”か?」
そんな喪失感に苛まれた私に突如として何者かの声が掛かる。思わず涙を拭き警戒態勢を取るとその目の前にいた少年が手に持った鉄パイプを私に突きつけていた
「どうなんだ!?」
「貴方は人間?私は確かに“メイド”だけど街を襲ったのは私ではない、襲ったのは八豪傑の一人“光”の・・・」
「関係ねぇよ!!」
少年は力任せに崩れ落ちた瓦礫に鉄パイプを叩きつけると叫ぶ
「どっちにしろお前らのいざこざで僕達人間が傷ついているんだよ!!」
「そ、それは・・・」
『私達は平和のために戦っている』私は言いかけていたその言葉を飲み込むしかなかった、
詭弁でしかないのだ、結局は私達のやっていることでこうやって街が破壊されていくことに
なんら変わりはない、それによって犠牲となるのは私達だけではなく能力を持たない人間も同じ・・・いやなにもできないという点から言えば人間のほうがその苦しみは重い
「───だったら、さっさと死んじまえよ無能な“人間”さんよぉ!!!」
「その声は!」
私が振り返る間もなく辺りの瓦礫が突如として爆発砂煙を上げる
「なんだ、この爆発は!?」
「八豪傑、“光”のエルグランデ・・・このD都市地区を破壊したのは彼よ」
「あいつが、この街を!」
私の説明に少年は反芻するように呟くとエルグランデを視界に捕らえる
「ぜぇぜぇ・・・殺す、殺す殺す殺さないと気がすまねぇ!!!」
瓦礫の上から私達を見下ろすエルグランデの姿は街を手当たりしだい破壊していたときとは
違い焦りの様なものをまざまざと感じさせる
それも無理はない、エルグランデは相当のダメージを負っていた
「あの野郎、雑魚“御主人様”の癖にこの俺様の腕をぉぉ!!」
エルグランデは失われ血が流れる左腕を必死に押さえて叫ぶ。致命傷を受けたあの状況から私の御主人様はそこまでエルグランデを追い詰めていたのだ
・・・今の状況なら勝てるかもしれない!
私は鉄パイプを持った少年に振り返るとその手を握り締める
「すいません、名も知らない御主人様・・・私の力を解放してください!!」
「な、なにを言ってる!?僕は人間だ!お前達とは違う!!」
少年は腕を振り払おうとするがそれを更に強い力、意志で私は握り締める
「いえ貴方ならできます!説明する時間がありませんが、すぐにそれを証明して見せます!!」
力を篭めていくとゆっくりと私の長い髪が青白い光と共に浮き上がっていく


───material 
───artifact 
───imagination 
───drive

私の“メイド”としての能力を解放することができるのが“御主人様”の力
「そんな馬鹿な・・・俺に“御主人様”の力があるなんて」
「“メイド”には“御主人様”の素質を感知する能力があります。今は微量ですが貴方からその力を感じました」
少年は手に生まれた青白い光をじっと見つめる
「これで僕に戦えっていうのか?お前達の戦いだろ、それに僕を巻き込むなよ!」
それはもっともな言葉だった。彼に戦いを強要することは私にはできない
「大丈夫です、力さえ解放していただければ私でもその力を使うことはできますから」
少年から青白い光を受け取るとギュッっと力を篭める。青白い光はゆっくりと大きくなり氷の槍の形を作っていく
「ありがとうございます、貴方は早くここから逃げてください」
少年に静かに背を向けると私はエルグランデを視界に入れる
「私が必ずエルグランデを倒して見せます・・・だから!」
「・・・礼は言わないからな!」
それだけ言い残し少年は走り去った、これでいいんだ彼はこの戦いには無関係なんだから
「倒す?倒すって俺をか?甞め腐りやがってよぉ!!!乙葉ァ!力を最大限に引きだせぇ!!こいつを蜂の巣にしてやるんだよぉ!!」
エルグランデが乙葉の首を締め上げると彼女の身体から白い光が迸り光弾が次々と生成されていく、その数ざっと1000!!!
「少し判断を誤まったかもしれません」
エルグランデは私の“御主人様”との戦いで大きなダメージを受けてはいるが力が落ちたわけではないようだ、いやむしろダメージによって狂気がましたようにも思える
だがやるしかない接近戦に持ち込めばあの光弾を無力化できる
「死に晒せぇぇぇぇぇっ!!!」
叫びと共に瓦礫の上から光弾が降り注ぐ、その一撃一撃が地面にぶつかるたびに轟音とともに砂煙を巻き上げる
私は旋回するように走りながら少しづつ距離を近づけ、目だけしっかりとエルグランデを捉えて叫ぶ
「エルグランデ!!貴方のその戦い方、実に気に入りません!!」
「ああん?“メイド”は道具に過ぎない、さぁ乙葉・・・力をもっと見せろ!!」
エルグランデが乙葉の首に更に力を篭めると光弾が更に激しく降り注ぐ
「黙りなさい!!」
光弾を潜り抜け一気にエルグランデと乙葉を攻撃範囲に収めると氷の槍を振り上げる
「覚悟、エルグランデ!!」
「てめぇは勘違いしてるぜ、俺と乙葉はこれで“正常”なんだよぉぉぉ!!」
その瞬間どんと勢い良くエルグランデに向っていた私の体がどんと後退した
「え、なにが・・・!?」
その疑問はすぐに解ける。
「エルグランデ様、今がチャンスです早く!」
「くっ!」
声と共にフワリと浮く包帯が視界に入る、エルグランデの手を離れた乙葉が身を低くし私の身体をがっちりと押さえつけていた
嫌な予感がよぎる・・・
「まさか自分の“メイド”ごと!?」
「ヒャーハッ!!そのまさかだよ!!乙葉はこれが大のお気に入りなだよぉぉぉ」
「そうですエルグランデ様、早くお仕置きをお願いします」
エルグランデの声に恍惚した表情で顔を赤く染める乙葉。
狂っている・・・だがこのがっちりと私の体を押さえつける様子からこの二人が本気だということだけははっきりとわかった
そして頭上に輝く無数の光弾───
「これで、終わりだぁ!!!」
叫びと共にエルグランデは残った左腕を振り下ろした

                                              つづく

序章

西暦2012年、全世界において一斉に“メイド”と呼ばれる特殊能力をもった女性の存在が確認される。彼女らはそれぞれ強大な力を持ってはいたがそれは“メイド”の出現とほぼ同時期で各地に現れた“御主人様”と呼ばれる存在なしにはその力を解放することはできなかった

西暦2014年、世界中で数多くの“メイド”の存在が確認される中特に強力な力をもった
八人の“メイド”、そして八人の“御主人様”が八豪傑名乗りその力を持って世界を支配しようとしていた・・・・


ACT1 御主人様


───

「こちら・・・D都市地区、八豪傑の一人と遭遇した。あの野郎見境なしに町を破壊しまくってやがる、応援を───」
「ヒャーーーッハッハッ!どこに隠れやがった“御主人様”よぉ!!!」
通信をかき消すように甲高い笑い声とともに辺りを光の弾丸が飛び交い、持っていた通信機を吹き飛ばす
「ちぃ、ここまでか・・・」
廃墟の壁に身を潜めバラバラになって地面を転がる通信機を見つめると吐き捨てるように呟く、ここまでなのは通信機が壊れたってだけではない
「御主人様!やっぱり先程の攻撃で!」
心配そうに俺の“メイド”である紗雪が長い髪を揺らし駆け寄ってくる。流石長年俺の“メイド”をしていただけある、そうゆうことに気が付くのが早い
その出来事は突然起こった。D都市地区は特別重要な施設があるわけでもなくまた辺境にあることもあり比較的安全な地区のため俺は紗雪と対八豪傑として入隊した新兵達を連れてこの街へやってきたのだが
もはや八豪傑の各地に対する攻撃は主要都市ならずこんな辺鄙な都市にまで伸びていたとは予想外だった、戦闘に慣れていない新兵達は八豪傑の一人ルグランテの強襲によって壊滅、隊長である俺も───
「出てこなければこの街全て廃墟に変えてやるだけだぜぇぇぇぇぇっ!!!」
「すまん、致命傷だ・・・」
ルグランテの怒号が響く中俺は手で押さえてた血だらけの腹部を見せながら無理に笑顔を作るが当然紗雪の表情は固い
「そんな、すぐに基地に戻って治療を!」
「いや、それよりも───」
涙ぐむ紗雪の身体を残る力一杯に抱きしめる、ゆっくりと死に近づく身体に紗雪のぬくもりが移っていく
「紗雪、お前だけで基地へ行ってこの状況を報告してくれ」
「そんな御主人様を放ってなんて行けません!」
悲痛に叫ぶ紗雪の声が傷よりも痛く胸に響く
「悪い、紗雪・・・」
だが紗雪はここで俺と心中なんてしてはいけない、ゆっくりと彼女の身体を離しまじまじと顔を見つめる。普段冷静な彼女が涙を流す姿は少し意外で愛おしく思うがそれと同時に別れを感じるとなると自身の心にも別れたくないという気持ちが沸き起こる
「俺が道を開く、だからできるだけ遠くへ逃げろ」
だがそれは今持ってはいけない感情
それだけ言うと紗雪の頬を両手で包み込むと軽く力を込める。それと同時に“メイド”である紗雪の身体が青白く光ると彼女の持つ能力である“氷”の力が両腕に宿る
「心配するな、あいつらを倒してすぐ追いつくさ・・・勝手に殺すなよ?」
「わかってます、御主人様は私の“御主人様”ですから」
嘘×嘘、それはどこまでも苦しく悲しい会話だった
「よしいい子だ、走れ!!紗雪!!」
紗雪の身体を突き放すと俺は一気に瓦礫の山に身を乗り上げ叫ぶ
「八豪傑が一人、“光”のエルグランデ!!これ以上の蛮行許すわけにはいかない!!」
「ヒャハッハ、ようやくでてきたか腰抜け“御主人様”よぉ!!!」
目測100m先の銀髪に旧時代のパンクスーツとも言われた格好のエルグランド、そして寄り添うように待機する至るところを包帯で覆ったメイド服の少女が目に入る
「跳んで火にいる・・・富んで火にいる・・・飛んで火にいる・・・あーなんだっけかよぉ乙葉ぁ!?」
エルグランデが乙葉と呼ばれたメイドの頭を鷲掴みにすると乱暴にその頭を振る
「“飛んで火にいる夏の虫”です、御主人様」
「そうだ!!夏の虫!!所詮お前は夏の虫、短いの命なんだよぉ!!!」
自分の“メイド”の返答に納得したのかエルグランデの背後から光の球が複数浮かび上がる
「どう見たって致命傷な“御主人様”ってのが一人で俺に挑むのは無謀を通り越して絶望だねぇ」
「かもな、だがせめて一太刀くらいは当ててみせるさ」
両腕を交差させ彼女の力を解放する。それによって青く透き通った二振りの氷の双剣が生まれそれを握り込む
「ヒャッハァァァー皆殺しだぁ!!!」
「・・・さよならだ紗雪、次はいい御主人様見つけろよ」
小さく呟き、俺はエルグランデの光弾が飛び交う中へと一気に飛び込んだ

プロフィール
HN:
氷桜夕雅
性別:
非公開
職業:
昔は探偵やってました
趣味:
メイド考察
自己紹介:
ひおうゆうが と読むらしい

本名が妙に字画が悪いので字画の良い名前にしようとおもった結果がこのちょっと痛い名前だよ!!

名古屋市在住、どこにでもいるメイドスキー♪
ツクール更新メモ♪
http://xfs.jp/AStCz バージョン0.06
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